【思惑】と【意図】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「思惑」(読み方:おもわく)と「意図」(読み方:いと)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「思惑」と「意図」という言葉は、どちらも「考えている事柄」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




思惑と意図の違い

思惑と意図の意味の違い

思惑と意図の違いを分かりやすく言うと、思惑とは見当をつけることを表し、意図とは目的があることを表すという違いです。

思惑と意図の使い方の違い

一つ目の思惑を使った分かりやすい例としては、「政権浮揚の思惑が外れる」「計画は思惑通りには進まなかった」「店の思惑にハマり衝動買いしてしまった」「国際会議で各国の様々な思惑が渦巻く」「米ドルの思惑相場が続く」などがあります。

二つ目の意図を使った分かりやすい例としては、「彼女の振る舞いには意図があるのだろうか」「質問の意図を汲んで適格に答える」「働き方改革が意図せざる結果を招いた」「意図せず相手を傷つけてしまったようだ」などがあります。

思惑と意図の使い分け方

思惑と意図という言葉は、どちらも「心に思うことや考えている事柄」を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

思惑とは、あらかじめ考えていた事柄を意味します。「思惑が外れる」「思惑通りに進む」のように、こうあるだろうと見当をつけることの意味合いが強い言葉です。また、「思惑相場が続く」のように、株などの相場において予想によって売買することの意味も持っています。

意図とは、何かをしようと考えている事柄を意味します。「振る舞いに意図がある」のように、はっきりとした狙いや目的を持ち、意識している場合に用いられる言葉です。「意図せざる結果」とは、当初の意図とは異なった果が生じることを意味する社会学用語です。

つまり、思惑は見当をつけることの意味合いが強く、意図は目的を持つことの意味合いが強いことに、二つの言葉の違いがあります。

思惑と意図の英語表記の違い

思惑を英語にすると「speculation」「expectation」「opinion」となり、例えば上記の「思惑が外れる」を英語にすると「be disappointed in one’s expectation」となります。

一方、意図を英語にすると「intention」「idea」「aim」となり、例えば上記の「意図がある」を英語にすると「have one’s own intention」となります。

思惑の意味

思惑とは

思惑とは、あらかじめ考えていた事柄、考え、意図を意味しています。

その他にも、「自分のしたことに対する他人の反応、評価」「相場の変動を予想すること」の意味も持っています。

思惑の読み方

思惑の読み方には二通りあり、「おもわく」の他に「しわく」とも読みます。「しわく」と読むと仏教用語になり、貪ること、怒ること、迷い惑うこと、思い上がることの四つの煩悩を意味します。

表現方法は「思惑に乗る」「思惑にハマる」「思惑通り」

「思惑に乗る」「思惑にハマる」「思惑通り」などが、思惑を使った一般的な言い回しです。

思惑の使い方

「各人の思惑が交錯し意見がまとまらない」「雇用調整は政府の思惑通りに進まなかった」「彼の思惑通りに事態は進んでいる」「首脳陣の思惑が外れる結末となった」などの文中で使われている思惑は、「あらかじめ考えていた事柄」の意味で使われています。

一方、「世間の思惑が気になる」「周囲の思惑を気にしない」などの文中で使われている思惑は「自分のしたことに対する他人の反応」の意味で、「思惑買いと業績相場を区別しよう」「思惑売りで株価が急落する」などの文中で使われている思惑は「相場を予想すること」の意味で使われています。

思惑とは、上記の例文にあるように複数の意味があり、それぞれの意味で使われているため文脈により捉える必要があります。思惑という言葉には「魂胆」のような悪い意味が含まれていると考える人もいますが、必ずしもそうではなく「意図」の意味を持つ言葉です。

「思惑相場」の意味

思惑を用いた日本語には「思惑相場」があり、株価の変動がはげしく、投機する人に都合のいい相場を意味します。また、相場の値上がりを予測して買うことを「思惑買い」、相場の値下がりを予測して売ることを「思惑売り」と言います。

思惑の対義語

思惑の対義語・反対語としては、その時々の思いつきや気分で行動することを意味する「気紛れ」、自分のすることについての自覚がないことを意味する「無自覚」、心の中にわきおこる強い欲求を意味する「衝迫」、などがあります。

思惑の類語

思惑の類語・類義語としては、こうなるだろうという予測やそれに基づいた計画を意味する「目算」、心に持っているたくらみや策略を意味する「魂胆」、先行きの予想を意味する「見込み」、大体の予想をすることを意味する「見当」などがあります。

意図の意味

意図とは

意図とは、何かをしようとすることを意味しています。

その他にも、「何かをしようと考えている事柄、思惑」の意味も持っています。

表現方法は「意図する」「意図される」「意図しない」

「意図する」「意図される」「意図しない」などが、意図を使った一般的な言い回しです。

意図の使い方

「意図せずビジネス文書が流出した」「健康な人をウイルスに意図的にさらす実験です」「意図的に誤った英語を使う」「意図的にゾーンに入る方法はありますか」「意図しないミスが続く」などの文中で使われている意図は、「何かをしようとすること」の意味で使われています。

一方、「相手の意図を汲むことが苦手です」「部長の意図を汲み取れない」「意図せざる結果として生じた現象です」「薬を投与したら意図しない反応がありました」などの文中で使われている意図は、「何かをしようと考えている事柄」の意味で使われています。

意図という言葉の「意」は心の中の思いや気持ち、「図」は考えをめぐらすことを表します。意図とは、 ある目的をもって何かを行おう、実現しようとすることを意味します。また、そのその目的や狙いを表す言葉です。

「意図的」の意味

上記の例文にある「意図的」とは、ある目的を持って、意識してそうするさまを表します。行動などにはっきりとした意図があることであり、「作為的」「故意に」などと言い換えることができます。対する言葉には「気ままで自分勝手なさま」を意味する「恣意的」があります。

意図の対義語

意図の対義語・反対語としては、意識がないことを意味する「無意識」、外から強い力や刺激を受けて心を動かすことを意味する「衝動」などがあります。

意図の類語

意図の類語・類義語としては、 心の中であらかじめ考えておくことを意味する「心積もり」、かねてからの心の用意を意味する「心組み」、前もって持っている考えを意味する「積もり」、計画や企てを意味する「目論見」などがあります。

思惑の例文

1.こちらの思惑通りに事が運ぶように、しっかり根回しをして会議に臨むつもりです。
2.安易にセールスマンの思惑に乗ると、あとで後悔するかもしれないよ。
3.新しいスイーツを次々に売り出すコンビニの思惑にハマると、体重が増える一方です。
4.私は40歳を過ぎてから、周りの思惑に振り回されずに自分の価値観を優先できるようになりました。
5.「株は思惑で買って事実で売れ」と頭では分かっているが、そのタイミングを見極められない。
6.この意外な選挙結果を見ると、党執行部の思惑が外れたと言ってよろしいのではないでしょうか。
7.母と私の思惑を知ってか知らぬか、父がやっと禁酒に向かって重い腰を上げようとしているようだ。
8.もしも君の言っていることが本当ならば、上の思惑通りにわたしたちは動いてしまったと言うことになる。
9.中央銀行の総裁人事を巡って株式市場も思惑相場が続いているが、どう決着するのだろうね。
10.いくら自己主張が強いからと言っても上司の思惑を無視して動き続けることはなかなか難しい。

この言葉がよく使われる場面としては、考えや意図、他人の反応や、相場の変動を予想すること評価を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「思惑通り」とは、計画を立てたとおりに事が進むさまを意味する言い回しです。例文3の「思惑にハマる」の意味は、相手の思い通りになることです。「ハマる」は、計略にのせられることや、だまされることを表します。

意図の例文

1.意図しない体重減少が続いているのであれば、病院で診てもらった方がいいですよ。
2.英語のビジネスレターが意図した内容と違った表現になっていたので、混乱を招いてしまった。
3.詳しく説明したことにより皆さんの不安を煽ってしまったことは、私の意図するところではありません。
4.コミュニケーションにおいて相手の意図を汲むことは大切ですが、自分の意見を伝えることも大事です。
5.常にクライアントの意図をくみ取り、適格な営業をかけるように心掛けています。
6.担当者が設計の意図を十分理解しておらず、こちらへの指示が二転三転してしまったようだ。
7.どの文脈でこの写真を使うのかということで、撮影者の意図とはまったく違うメッセージが伝わってしまう恐れがあるので、二次使用の許可には慎重な姿勢でいたい。
8.大して人気もないタレントが毎日テレビに出ているのは裏で事務所の意図的な力が働いているのではと思ってしまう。
9.誰かを批判する意図はまったくなかったのに、SNSで拡散されることで大事になってしまった。
10.上司にプレゼンを見てもらったが、そんなんじゃ意図がまったく伝わらないとダメ出しを食らった。

この言葉がよく使われる場面としては、ある目的をもって何か実現しようとすること、実現しようとする事柄を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「意図しない」の意味は、わざとそうなるように行動を起こしているわけではないさまを表します。例文4の「意図を汲む」や例文5の「意図を汲み取る」とは、相手の言動や様子などから、その目的を推し量って理解することです。

思惑と意図という言葉は、どちらも考えている事柄を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、見当をつけることを表現したい時は「思惑」を、目的を持つことを表現したい時は「意図」を使うようにしましょう。

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