似た意味を持つ「成長期」(読み方:せいちょうき)と「成熟期」(読み方:せいじゅくき)と「衰退期」(読み方:すいたいき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「成長期」と「成熟期」と「衰退期」という言葉は、人間や企業などの誕生から衰退までの段階を表す言葉という共通点があり、本来の意味は大きく異なります。
成長期と成熟期と衰退期の違い
成長期と成熟期と衰退期の意味の違い
成長期と成熟期と衰退期の違いを分かりやすく言うと、成長期は発達する期間を表現する時に使い、成熟期は安定している期間を表現する時に使い、衰退期は衰え弱まる期間を表現する時に使うという違いです。
成長期と成熟期と衰退期の使い方の違い
成長期という言葉は、「成長期には子ども与える可能性を考えるべきだ」「その企業は今もなお成長期と言えるかもしれない」などの使い方で、著しく発達する期間を意味します。
成熟期という言葉は、「成熟期だからと言って安心していい状況ではない」「人間の成熟期は心身ともに安定している時期と言われる」などの使い方で、十分に成長し安定している期間を意味します。
衰退期という言葉は、「衰退期に移行した企業の再生を期待している」「どんな製品にも衰退期は存在し、家電であれば徐々に接触が悪くなる」などの使い方で、勢いや活力が衰え弱まる期間を意味します。
成長期と成熟期と衰退期の使い分け方
人間の成長においては、迎える時期の順に並べると、成長期、成熟期、衰退期となりますが、ライフサイクル論においては成長期は青年期と、成熟期は初期成人期と、衰退期は壮年期や老年期と言われています。
また、企業などにおいては、成長期を一度終えてから成熟期、衰退期を迎えたのち再度成長期を迎えることもあります。この場合の成長期は、再成長期や再生期などとも呼ばれています。
これが、成長期、成熟期、衰退期の明確な違いです。
成長期の意味
成長期とは
成長期とは、著しく発達する期間を意味しています。
子供の成長期の年齢
子どもたちにとっての成長期は、男子が10歳から13歳頃、女子が8歳から12歳頃のいわゆる第二次性徴を指すことが多くあり、青年期や思春期とも呼ばれています。
「高度経済成長期」の意味
成長期を使った言葉として、「高度経済成長期」があります。これは、1955年代から第一次石油危機が起きた1973年までに起きた急激な経済成長期間を指す言葉で、「高度成長期」とも呼ばれます。
表現方法は「成長期が遅い」「成長期が早い」「成長期がない」
「成長期が遅い」「成長期が早い」「成長期がない」などが、成長期を使った一般的な言い回しです。
成長期の対義語
成長期の対義語・反対語としては、生物の発達や進化がある段階で止まり元に戻るような変化を起こすことを意味する「退行」、勢いが衰えたり程度が低くなったりすることを意味する「後退」があります。
成長期の類語
成長期の類語・類義語としては、物事が次第により良い方や望ましい方へ進んでいくことを意味する「進歩」、そのものの機能がより発揮されるようになることを意味する「発達」、産業などが盛んになることを意味する「振興」などがあります。
成熟期の意味
成熟期とは
成熟期とは、十分に成長し安定している期間を意味しています。
人間にとっての成熟期
人間にとっての成熟期は、20歳前後から45歳前後の心身ともに充実している期間を指し、性成熟期とも呼ばれます。
企業にとっての成熟期
また、企業にとっての成熟期は、企業運営が安定し、社員らの行動マニュアルなども進み、多くの後進育成に励むなどが可能になり、企業によっては既存ビジネス以外に手を伸ばす段階と言えます。
成熟期の対義語
成熟期の対義語・反対語としては、学問や技術などの経験などがまだ十分ではないことを意味する「未熟」があります。
成熟期の類語
成熟期の類語・類義語としては、人格や技術などが円満に発達して豊かになることを意味する「円熟」、気が熟することを意味する「純熟」、物事が成熟して十分な頃合いになることを意味する「熟成」などがあります。
衰退期の意味
衰退期とは
衰退期とは、勢いや活力が衰え弱まる期間を意味しています。
人間にとっての衰退期
人間に対してはライフサイクル論にて唱えられていることから、衰退期ではなく老年期などの言葉が使われることがほとんどです。身体機能が徐々に低下し、衰退していく期間を指すために使われます。また、老年期は65歳以上を指します。
企業にとっての衰退期
また、企業は新しい製品やサービスを提供しない限り、徐々に衰退していきます。この時期を衰退期と言います。リーマンショックなどのような外的要因などが大きく影響して倒産などに追い込まれることも少なくはありませんが、これは衰退期に該当しません。
衰退期の対義語
衰退期の対義語・反対語としては、物事の勢いなどが伸び広がって盛んになることを意味する「発展」、栄えて発展することを意味する「繁栄」、勢いが盛んなことを意味する「隆盛」があります。
衰退期の類語
衰退期の類語・類義語としては、勢いが衰えて弱くなることを意味する「衰微」、盛んだった勢いが衰えることを意味する「退潮」、勢いの衰えた様子を意味する「衰勢」、勢力などが次第に弱くなることを意味する「弱化」などがあります。
成長期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、著しく発達する期間を意味する時などが挙げられます。
例文1や例文2の成長期は人間に対して使われているため、思春期や青年期などの言葉に置き換えて使うことができます。
成熟期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、十分に成長し安定している期間を意味する時などが挙げられます。
例文1の成熟期は人間に対して使われているため、成人期などの言葉に置き換えて使うことができます。
衰退期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、勢いや活力が衰え弱まる期間を意味する時などが挙げられます。
例文3の需要に対する供給が高まり類似品が多く売り出される期間を飽和期と呼びます。
成長期と成熟期と衰退期どれを使うか迷った場合は、発達する期間を表す場合は「成長期」を、安定している期間を表す場合は「成熟期」を、衰え弱まる期間を表す場合は「衰退期」を使うと覚えておけば間違いありません。