【異常】と【異状】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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同じ「いじょう」という読み方、似た意味を持つ「異常」と「異状」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「異常」と「異状」という言葉は、どちらもいつもとは違うことを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



異常と異状の違い

異常と異状の違いを分かりやすく言うと、異常とは普通ではないこと、いつもとは違うことを意味していて、異状とは見えている状況が異常なことを意味しているという違いです。

異常と異状は意味は変わりません。ただし異常が広く使われるのに対して、異状は使われ方が限定されています。

一つ目の「異常」は正常の対義語・反対語で、「普通ではないこと」を意味する言葉ですが、ここには「著しく逸脱している」という響きがあります。

そもそも「普通」という言葉は、いくつも同じものがあるグループに対して使える言葉です。相互に比較することを通じてしか、普通は浮かび上がってこないからです。

例えば「普通の人」と言えるのは、人間が社会を成して無数に存在するからです。また「いつもと変わらない普通の日」と言えるのも、一日一日が繰り返されて同じような日があるからです。

同じものがいくつもあるとはいえ、それぞれが全く同一であるわけではありません。人間は皆それぞれどこか違います。しかしわずかな違いは度外視されて「普通」と言われます。「普通」は「同一」ではなく、許容範囲内に収まっているという意味の言葉です。

「異常」と呼ばれるものは「許容範囲を逸脱したもの」です。しかし、範囲を少し逸脱した程度では「変」と言われることが多いです。

もちろん、科学的な実験などで正常域を厳密に定めている場合には、そこから少しでも逸脱した場合には即、異状と判定されます。しかし身の回りの物事に対して「異常」と言うべきなのは「許容範囲を著しく逸脱したもの」です。

なぜ「著しく」という限定がつくかと言えば、許容範囲が悪く言えば曖昧だからです。

二つ目の「異状」は「状況が異常」という意味の言葉です。異常が広く使えるのに対して、異状を使って表現出来るのは、ごく一部の物です。異状の状という字には「姿、形、事の成り行き」といった意味があります。どれも外から眺めた「様子」を意味しています。

異状を使って表現されるのは「眺めてみたところ、いつもと違うところが見受けられた」という場合です。例えば「館内巡回したところ、特に異状ありませんでした」などのように、場の状況や光景などの異常に対して用いられるのが異状という言葉です。

また、病気の診断には「異常」という言葉が使われますが、自覚症状に対しては「異状」が使われます。

ただし、時代を遡れば遡るほど、異常と異状は区別なく用いられる傾向があります。現代では異状という言葉は使われる場面が限られていますが、昭和の中頃くらいまではよく使われる言葉でした。

異常の意味

異常とは、正常ではないこと、いつもとは違うことを意味しています。

異常の常の字には「いつも、普段」という意味があります。いつもと変わらない普通が正常で、その反対の「いつもとは違う」のが「異常」です。正常や異常は、同じような種類の物を比較して初めて浮かび上がってくるものです。

正常も異常も唯一無二のものに対して使うことは出来ず、必ずグループの中に収まっているものに対して使われます。例えば、人間は個人としては替えのきかない唯一の存在ですが、社会性などに関してはグループ化され、正常や異常が判断されます。

正常は他の物と同じなことではありません。正常は許容範囲の中に収まっていることを意味する言葉です。例えば趣味は個々人によって変わってきますが、ただ一つの趣味だけが正常なのではなく、色々な趣味が正常です。正常とは広がりや幅のある概念です。

逆に「異常」とは「許容範囲を逸脱しているもの」ですが、少し逸脱しているのではなく「著しく逸脱しているもの」です。実際、「異常気象」の一般的な定義は「平均的気候から大きく外れた気候」とされています。

何故「著しく」なのかと言えば、正常の範囲が不変なものではなく、ある意味で漠然としたものだからです。多少の誤差をすぐに異常と判定することは出来ません。

異常の類語・類義語としては、他の色々な物とはっきり区別されることを意味する「特別」、他の様々な物より程度が上であることを意味する「格別」、普通よりも著しく秀でていることを意味する「非凡」、常識外れで不思議なことを意味する「奇怪」などがあります。

異常の異の字を使った別の言葉としては、これまでになかったような事例を意味する「異例」、特徴が他の物と著しく異なっていることを意味する「異色」、性質が違うことを意味する「異質」などがあります。

異状の意味

異状とは、見えている状況が異常なことを意味しています。異常は様々な物事に対して使えますが、異状という言葉は使い方が限定的です。

異状の状の字は「姿、形、成り行き」という意味を持ちます。現状や状況という言葉に使われていることから分かるように、状という字は「事の成り行きを外から客観的に眺めている」というイメージを連想させます。

例えば例年問題になっている渋谷のハロウィンは「異状」と呼ぶことが出来ますし、警察官のパトロールなどでは街の状況を見ているので、何か問題があった場合には「異状」という言葉の方が適切だと考えられています。

また、異常という言葉は「異常な」と形容詞的に用いることが出来ますが、異状は名詞としてしか使われません。

異常の例文

1.病気だと思って検査を受けたのだが、異常なしと診断された。
2.症状が異常に重くなってしまった原因は、病気をずっと見過ごしていたせいだとお医者さんに言われた。
3.機械から異常な音がしたので、使用を停止して点検を頼んだ。
4.ミシェル・フーコーによると、異常ないし狂気は近代の合理性が作り出したものだという。
5.寒くなってきたからなのか、このごろ異常な眠気に襲われる時がある。

この言葉がよく使われる場面としては、正常な範囲を著しく逸脱していることを表現したい時などが挙げられます。異常の常の字は「いつも、普段」という意味を持つので、異常とは「いつもとは異なる」という意味の言葉です。

異常は正常な状態と比較することによって初めて浮かび上がるものですが、正常な状態にも色々なものがあります。異常が「著しく逸脱している状態」を意味するのも、正常というものが広い物事を包括する概念だからです。

異状の例文

1.国土交通省は、幹線道路等の異状を発見した場合、ただちに通報できるように、緊急ダイヤルを用意している。
2.館内の巡回をしたところ、特に異状は見受けられませんでした。
3.警備日報には連日「異状なし」の言葉が並んでいるが、小さいトラブルはちょくちょく起こっている。
4.胸のあたりに異状を感じたので、医者にかかった。
5.異状はあったが異常は見つからないことはよくある。

この言葉がよく使われる場面としては、状況や状態の異常を表現したい時などが挙げられます。異状とは、その場の状況に異常があることを意味する言葉です。異常は広い意味に使われますが、異状の指す範囲は狭いです。

また例文4のように、自覚症状のことを「異状」と呼ぶことがあります。それに対して医者は医学的な根拠と基準によって診断を下すので、正常か異常かを判断します。

このような異状と異常の区別は、例えば機械点検などにも当てはまります。異状が見受けられたので点検を頼むと、その結果は正常か異常かで通達されます。例文5はそうした状況を表現していると考えることが出来ます。

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