似た意味を持つ「スピンアウト」と「スピンオフ」と「カーブアウト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「スピンアウト」と「スピンオフ」と「カーブアウト」という言葉は、会社や企業の設立に関する言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトの違い
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトの意味の違い
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトの違いを分かりやすく言うと、スピンアウトは完全独立を表現する時に使い、スピンオフは親会社からの派生を表現する時に使い、カーブアウトは元会社からの分岐を表現する時に使うという違いです。
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトの使い方の違い
スピンアウトという言葉は、「スピンアウトされた企業の方が名が知れている」「企画的に維持ができないことを告げられスピンアウトが決められた」などの使い方で、個人あるいは複数の仲間がある組織から独立して小規模な組織をつくることを意味します。
スピンオフという言葉は、「技術特化のためにもスピンオフをしてより質の高い製品を生み出す」「有名企業からのスピンオフ企業が徐々に展開を進めている」などの使い方で、企業が一部門を独立させて別の会社をつくることを意味します。
カーブアウトという言葉は、「予算を圧迫する部門がカーブアウトすることとなった」「カーブアウトすることが決まり忙しい日々を送る」などの使い方で、企業が部門など自社事業の一部を切り離してベンチャー企業として新たに設立させることを意味します。
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトの使い分け方
スピンオフとカーブアウトはどちらも、元の企業から派生して企業を設立することを意味する言葉ですが、前者は親会社の出資を受けて関係を保ち続けるのに対して、後者は親会社だけでなく外部組織などからの支援を受けることができます。
一方のスピンアウトは、元の会社から完全に独立する場合を指す言葉です。そのため、親会社などとのつながりを持つスピンオフやカーブアウトとは異なります。
これが、スピンアウト、スピンオフ、カーブアウトの明確な違いです。
スピンアウトの意味
スピンアウトとは
スピンアウトとは、個人あるいは複数の仲間がある組織から独立して小規模な組織をつくることを意味しています。
「スピンアウトしたイベント」の意味
基本的には企業や会社に対して使われることが多い言葉ですが、イベントにおいて注目を集めていたジャンルが人気を集めたことで、そのジャンル限定のイベントが行われるようになった際、「スピンアウトしたイベント」のように表現します。
また、ゲームや作品の番外的な作品に対しても使われることから、派生作品を意味する「スピンオフ」と似たような使われ方がなされることもあります。
スピンアウトの対義語
スピンアウトの対義語・反対語としては、外から内に取り入れて自分の物にすることを意味する「吸収」があります。
スピンアウトの類語
スピンアウトの類語・類義語としては、新しく事業を始めることを意味する「起業」、新しい施設や設備などをこしらえることを意味する「開設」、ある状態から抜け出すことを意味する「離脱」があります。
スピンオフの意味
スピンオフとは
スピンオフとは、企業が一部門を独立させて別の会社をつくることを意味しています。
スピンオフの事例
今日では多く目にする「PayPal」(読み方:ペイパル)は、アメリカの「eBay」(読み方:イーベイ)というネットオークション企業の子会社として存在していました。
しかし、2015年にスピンオフが実施され、「PayPal」は「eBay」のみを取引先とする必要がなくなったため、どちらの企業も価値が上昇することになります。
スピンオフ税制の施行
スピンオフには大きく分けて二つの方法がありますが、どちらの手段を取ったとしても課税は免れない状態でした。しかし日本では、2017年に税制改正が行われたことで、条件を満たす場合には負担を軽減するスピンオフ税制が施行されることとなりました。
スピンオフの類語
スピンオフの類語・類義語としては、互いに連絡を取って協力しながら物事を行うことを意味する「連携」、もとの物から分かれて生じることを意味する「派生」があります。
カーブアウトの意味
カーブアウトとは
カーブアウトとは、企業が部門など自社事業の一部を切り離してベンチャー企業として新たに設立させることを意味しています。
カーブアウトの事例
総合電機メーカーである「ソニー」は、1996年から「VAIO」というパソコンブランドの販売を行っていましたが、2014年からは「VAIO株式会社」としてカーブアウト、それ以降ソニーはマーケティングに携わっています。
これにより、VAIOとしてPC事業に注力することができるようになり、余力を展望が望めるEMSやロボット事業に使うことができ、2016年には黒字という結果を収めました。
カーブアウトの対義語
カーブアウトの対義語・反対語としては、別で行動していた人や集団が一つになることを意味する「合流」、二つ以上の組織などが一つに合わさることを意味する「合併」があります。
カーブアウトの類語
カーブアウトの類語・類義語としては、単一なものが進歩や発展を重ねるにつれて複雑に分かれて行くことを意味する「分化」、行く先が別々に分かれることを意味する「分岐」があります。
スピンアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、個人あるいは複数の仲間がある組織から独立して小規模な組織をつくることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のスピンアウトも、スピンオフやカーブアウトに置き換えて使うことはできません。
スピンオフの例文
この言葉がよく使われる場面としては、企業が一部門を独立させて別の会社をつくることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のスピンオフも、スピンアウトやカーブアウトに置き換えて使うことはできません。
カーブアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、企業が部門など自社事業の一部を切り離してベンチャー企業として新たに設立させることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のカーブアウトも、スピンアウトやスピンオフに置き換えて使うことはできません。
スピンアウトとスピンオフとカーブアウトどれを使うか迷った場合は、完全独立を表す場合は「スピンアウト」を、親会社からの派生を表す場合は「スピンオフ」を、元会社からの分岐を表す場合は「カーブアウト」を使うと覚えておけば間違いありません。