似た意味を持つ「なので」と「だから」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「なので」と「だから」という言葉は、どちらも前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「なので」と「だから」の違い
「なので」と「だから」の意味の違い
「なので」と「だから」の違いを分かりやすく言うと、「なので」は文頭では使えない、「だから」は文頭でも使えるという違いです。
「なので」と「だから」の使い方の違い
一つ目の「なので」を使った分かりやすい例としては、「明日は雨なので家を早めに出よう」「風邪なので会社を休みました」「もう歳なので運動するのが辛くなってきました」などがあります。
二つ目の「だから」を使った分かりやすい例としては、「彼は親切な人です。だからみんなから好かれています」「昨日はたくさん寝ることができました。だから今日は調子が良いです」「昨日は雪が降っていた、だから一日中家にいました」などがあります。
「なので」と「だから」の使い分け方
「なので」と「だから」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「なので」はそれだけでは意味の通じない言葉である連語なため、文頭では使えません。一方、「だから」はそれ自体が一つの単語で順接の接続詞なので、文頭でも使うことができるというのが違いです。
分かりやすい例を挙げると、「なので」は「今日は雪なので家から一歩も出ないぞ」のように一文の中でしか使用することができません。「今日は雪だ。なので家から一歩も出ないぞ」のように使うのは間違っています。つまり、直前に句読点を打てないと覚えておきましょう。
一方、「だから」は「今日は雪だ。だから家から一歩も出ないぞ」のように順接の接続詞でそれ自体が一つの単語なので、直前に句読点を打っても問題ありません。
しかし、近年では話し言葉として使う場合は、「風邪を引いてしまいました。なので会社を休むことにした」のように、順接の接続詞として使っても問題ないという風潮があるのも事実です。
「なので」と「だから」の英語表記の違い
「なので」も「だから」も英語にすると「so」「therefore」「because」となり、例えば上記の「昨日は雪が降っていた、だから一日中家にいました」を英語にすると「It snowing yesterday and so I stayed home all day」となります。
「なので」の意味
「なので」とは
「なので」とは、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを意味しています。
「なので」の使い方
「なので」を使った分かりやすい例としては、「故障の原因が明らかなのですぐ直すことができます」「辛い食べ物が好きなので中華料理は大好物です」「午後から雨なので傘を持って出かけよう」「私は青森県出身なので津軽弁を話すことができます」などがあります。
「なので」は断定の助動詞「だ」の連体形の「な」と接続助詞の「ので」が合わさった連語です。また、接続詞ではないので文頭では使うことができません。
ただし、近年では話し言葉として使う場合は、接続詞として使っても問題ないと解説している辞書もでてきました。そのため、状況によって上手く使い分けるようにしましょう。
「なので」は敬語表現ではない
「なので」は敬語表現ではないので、ビジネスシーンで使うのは適していません。もし使いたい場合は、「ですので」「そのため」「したがいまして」などに置き換えて使うようにしましょう。
「なので」の類語
「なので」の類語・類義語としては、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを意味する「ですので」、前に述べた事柄から次に述べようとする事柄が起こるかまたは必要となる旨を示すことを意味する「つきましては」などがあります。
「だから」の意味
「だから」とは
「だから」とは、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを意味しています。
「だから」の使い方
「だから」を使った分かりやすい例としては、「この商品は全て手作りです。だから値段が高い」「彼女はとても美しい。だから男性から人気があります」「この街空気が綺麗です。だから住みたいと思う人が多い」などがあります。
「だから」は断定の助動詞「だ」に接続助詞「から」が合わさった順接の接続詞です。接続詞はそれだけで一つの単語なので文頭に使うことができます。
「だから」は敬語表現ではない
「だから」を使う上で注意しなければならないのは、敬語表現ではないのでビジネスシーンにおいては使えないという点です。もし使いたいのであれば、「ですから」「したがいまして」「よって」などに置き換えるようにしましょう。
「だから」の類語
「だから」の類語・類義語としては、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを意味する「ですから」、前の条件によって順当にあとの事柄が起こることを意味する「したがって」、前に述べた事を理由としてあとに結果が導かれることを意味する「故に」などがあります。
「なので」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「なので」は話し言葉として使うのが一般的です。
「だから」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「だから」は文頭でも使うことができます。
「なので」と「だから」はどちらも前に述べた事柄を受けてそれを理由として順当に起こる内容を導くことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、文頭では使えないのが「なので」、文頭で使うことができるのが「だから」と覚えておきましょう。