似た意味を持つ「忌々しい」(読み方:いまいましい)と「忌まわしい」(読み方:いまわしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「忌々しい」と「忌まわしい」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「忌々しい」と「忌まわしい」の違い
「忌々しい」と「忌まわしい」の意味の違い
「忌々しい」と「忌まわしい」の違いを分かりやすく言うと、「忌々しい」とは非常に腹立たしく感じること、「忌まわしい」とは不吉に感じることという違いです。
「忌々しい」と「忌まわしい」の使い方の違い
一つ目の「忌々しい」を使った分かりやすい例としては、「彼氏を横取りするなんて忌々しい泥棒猫め」「実験が中々上手くいかず忌々しい気持ちになりました」「あの忌々しい猫のおかげで一晩中寝れませんでした」などがあります。
二つ目の「忌まわしい」を使った分かりやすい例としては、「忌まわしい思い出を忘れたい」「今日は忌まわしい夢を見てしまいました」「忌まわしい風評が広がる」「そんなことは口にするのも忌まわしい」などがあります。
「忌々しい」と「忌まわしい」の使い分け方
「忌々しい」と「忌まわしい」は似た言葉ですが意味は異なっています。
「忌々しい」は「忌々しいことに今日に限って大雨だ」「彼は自慢ばかりするので忌々しい人だ」などのように、非常に腹立たしく感じることを意味しています。
一方、「忌まわしい」は「聞くも忌まわしい出来事が起こった」「忌まわしい思い出が蘇る」などのように、不吉に感じることや嫌な感じであることの意味で使うというのが違いです。
また、「忌々しい」と「忌まわしい」はどちらもマイナスのイメージで使われることが多い言葉です。
「忌々しい」と「忌まわしい」の英語表記の違い
「忌々しい」を英語にすると「irritating」「annoying」「disgusting」となり、例えば上記の「あの忌々しい猫のおかげで一晩中寝れませんでした」を英語にすると「That annoying cat kept me awake all night」となります。
一方、「忌まわしい」を英語にすると「disgusting」「detestable」「ominous」となり、例えば上記の「そんなことは口にするのも忌まわしい」を英語にすると「It is disgusting even to mention such a thing」となります。
「忌々しい」の意味
「忌々しい」とは
「忌々しい」とは、非常に腹立たしく感じることを意味しています。
「忌々しい」は「忌ま忌ましい」の省略語
「忌々しい」は「忌ま忌ましい」を省略した言葉ですが、「忌々しい」の方を使うのが一般的になっています。
表現方法は「忌々しい女」「忌々しい男」「忌々しい人」
「忌々しい女」「忌々しい男」「忌々しい人」「忌々しい記憶」などが、「忌々しい」を使った一般的な言い回しになります。
「忌々しい」の使い方
「忌々しい」を使った分かりやすい例としては、「不愉快なことが次々に起こり忌々しい気持ちになりました」「あの人のことを思い出すだけで忌々しい」「目が覚めると忌々しい記憶が蘇ってきた」「彼女のやり方はほんと忌々しい」などがあります。
「忌々しい」は非常に腹立たしく感じることを意味する形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「忌々しい」は「忌々しい世の中にはもううんざりです」「学生時代いじめられていたことが忌々しい記憶として今も残っている」などのように、腹立たしい世界や腹立たしい記憶などのニュアンスを表現したい時に使うことが多いです。
また、「彼女は自己中なので忌々しい人だ」「人の彼氏に手を出すなんて忌々しい女だ」などのように、腹立たしい人に対しても使うことができます。
「忌々しい」の類語
「忌々しい」の類語・類義語としては、癪に障ることを意味する「腹立たしい」、非常に不愉快であることを意味する「苦々しい」、思いどおりにならなくて焦ることを意味する「苛立たしい」などがあります。
「忌まわしい」の意味
「忌まわしい」とは
「忌まわしい」とは、不吉に感じることを意味しています。その他にも、嫌な感じであることの意味も持っています。
表現方法は「忌まわしい言葉」「忌まわしい記憶」「忌まわしい事件」
「忌まわしい言葉」「忌まわしい記憶」「忌まわしい事件」などが、「忌まわしい」を使った一般的な言い回しになります。
「忌まわしい」の使い方
「今日は忌まわしい夢を見てしまいました」「この場所は幽霊が出るという忌まわしい噂がある」などの文中で使われている「忌まわしい」は、「不吉に感じること」の意味で使われています。
一方、「忌まわしい思い出が蘇る」「私には離婚という忌まわしい過去があります」などの文中で使われている「忌まわしい」は、「嫌な感じであること」の意味で使われています。
「忌まわしい」は、不吉に感じることと、嫌な感じであることの二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。
「忌まわしい」は何か良くないことが起きた場合や、気分が悪く不愉快な場面で使うことが多いです。そのため、基本的にはマイナスのイメージを伴っている言葉になります。
「忌まわしい」の類語
「忌まわしい」の類語・類義語としては、気分が重苦しいことを意味する「鬱陶しい」、悪いことが起こりそうであることを意味する「禍々しい」、態度や様子などが不愉快で嫌味な感じであることを意味する「嫌らしい」などがあります。
「忌々しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、非常に腹立たしく感じることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「忌々しい」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「忌まわしい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、不吉に感じることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、嫌な感じであることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「忌まわしい」は縁起が悪いこと、例文3から例文5の「忌まわしい」は嫌な感じであることの意味で使っています。
「忌々しい」と「忌まわしい」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、非常に腹立たしく感じることを表現したい時は「忌々しい」を、不吉に感じることを表現したい時は「忌まわしい」を使うと覚えておきましょう。