似た意味を持つ「ご苦労様」(読み方:ごくろうさま)と「お疲れ様」(読み方:おつかれさま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご苦労様」と「お疲れ様」という言葉は、どちらも相手の労苦を労う言葉のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご苦労様」と「お疲れ様」の違い
「ご苦労様」と「お疲れ様」の意味の違い
「ご苦労様」と「お疲れ様」の違いを分かりやすく言うと、「ご苦労様」とは目上の人から目下の人に対して使う言葉、「お疲れ様」とは目下の人が目上の人に対して使う言葉という違いです。
「ご苦労様」と「お疲れ様」の使い方の違い
一つ目の「ご苦労様」を使った分かりやすい例としては、「いつもお勤めご苦労様」「会議の資料作成ご苦労様」「この寒い中外回りご苦労様」などがあります。
二つ目の「お疲れ様」を使った分かりやすい例としては、「お疲れ様でした、お先に失礼します」「部長、長い間お疲れ様でした」「お仕事いつもお疲れ様」「長旅お疲れ様です」などがあります。
「ご苦労様」と「お疲れ様」の使い分け方
「ご苦労様」と「お疲れ様」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ご苦労様」は目上の人から目下の人に対して使う言葉なのに対して、「お疲れ様」は目下の人が目上の人に対して使う言葉になります。したがって、目下の人から目上の人に対して「ご苦労様」を使うのは誤用なので間違えないように注意しましょう。
文化庁が発表した平成17年度に行われた国語に関する世論調査では、自分より職階が上の人に「お疲れ様」を使う人が69.2%、「ご苦労様」を使う人が15.1%という結果が出ています。
また、自分より職階が下の人に「お疲れ様」を使う人が53.4%、「ご苦労様」を使う人が36.1%という結果が出ています。
「ご苦労様」と「お疲れ様」の英語表記の違い
「ご苦労様」も「お疲れ様」も直接的な英語表現はありません。なぜなら、英語圏では退社するときの挨拶として「ご苦労様」や「お疲れ様」を使う習慣がないからです。その代わりに、退社する時の挨拶ははさようならの意味を持つ「bye」「good night」などを使います。
「ご苦労様」の意味
「ご苦労様」とは
「ご苦労様」とは、相手の労苦を労う言葉のことを意味しています。
表現方法は「ご苦労様です」「ご苦労様でした」
「ご苦労様です」「ご苦労様でした」などが、「ご苦労様」を使った一般的な言い回しになります。
「ご苦労様」の漢字表記
「ご苦労様」を漢字にすると、「御苦労様」と表記することができます。
「ご苦労様」の使い方
「ご苦労様」を使った分かりやすい例としては、「この寒い中配達ご苦労様でした」「出張ご苦労様、猛暑続きで大変だったでしょう」「遅くまで残業ご苦労様」「天候が悪い中イベントの準備ご苦労様」などがあります。
「ご苦労様」は他人に仕事を依頼したときなどに、その苦労を労う言葉のことを意味する「ご苦労」を、さらに丁寧にした表現になります。
「ご苦労様」は基本的に目上の人から目下の人に対して使う言葉です。そのため、目下の人が目上の人に対して「ご苦労様」を使わないように注意しましょう。もし、目上の人に対して使いたいのであれば、「ご苦労様」ではなく「お疲れ様」を使うのが適しています。
ただし、例外も存在しており、警察署や役所などの公務員、ヤ○ザや極○の世界などでは「お勤めご苦労様です」などの言い回しで目下の人が目上の人に使用しても問題ないと覚えておきましょう。
「ご苦労様」の類語
「ご苦労様」の類語・類義語としては、他人に対してその苦労を労うことを意味する「大義であった」があります。
「お疲れ様」の意味
「お疲れ様」とは
「お疲れ様」とは、相手の労苦を労う言葉のことを意味しています。
表現方法は「お疲れ様です」「お疲れ様でした」
「お疲れ様です」「お疲れ様でした」などが、「お疲れ様」を使った一般的な言い回しになります。
「お疲れ様」の漢字表記
「お疲れ様」を漢字にすると、「御疲れ様」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、平仮名の「お疲れ様」を使うようにしましょう。
「お疲れ様」の使い方
「お疲れ様」を使った分かりやすい例としては、「先日は大変お疲れ様でした」「ご定年おめでとうございます、長い間お疲れ様でした」「忘年会の幹事役お疲れ様でした」「週末の練習お疲れ様でした」などがあります。
「お疲れ様」は相手の労苦を労う場合や、職場で先に帰る人への挨拶としても使われています。また、「お疲れ様」は基本的に目下の人が目上の人に対して使う言葉ですが、目上の人から目下の人に対して使っても問題ありません。
「お疲れ様」はビジネスシーンの様々な場面で使うことができる言葉ですが、基本的に社内の目上の人に対して使う言葉になります。そのため、取引先などの社外の人に対しては使わないようにしましょう。
もし、ビジネスメールなどで社外の人に対して使いたい場合は、「いつもお世話になっております」や労いの言葉として「先日ありがとうございました」などに置き換えて使うのが適しています。
「お疲れ様」の類語
「お疲れ様」の類語・類義語としては、他人が自分のために力を尽くしてくれたことに対してお礼の気持ちを込めて言う言葉のことを意味する「お世話様」があります。
「ご苦労様」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の労苦を労う言葉のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご苦労様」は目上の人から目下の人に対して使う言葉になります。
「お疲れ様」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の労苦を労う言葉のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お疲れ様」は目下の人が目上の人に対して使う言葉になります。
「ご苦労様」と「お疲れ様」はどちらも相手の労苦を労う言葉のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人から目下の人に対して使うのが「ご苦労」、目下の人が目上の人に対して使うのが「お疲れ様」と覚えておきましょう。