【終焉】と【終了】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「終焉」(読み方:しゅうえん)と「終了」(読み方:しゅうりょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「終焉」と「終了」という言葉は、どちらも終わることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




終焉と終了の違い

終焉と終了の意味の違い

終焉と終了の違いを分かりやすく言うと、どちらも終わることを意味していますが、終焉は基本的に生命に対して使うという違いです。

終焉と終了の使い方の違い

一つ目の終焉の分かりやすい例として、「バブルが終焉を迎えようとしている」「医者の様子を見る限り、私の終焉が近いと悟った」「不倫が私のキャリアの終焉をもたらした」「師弟関係がこのような形で終焉を迎えるはずがない」などがあります。これらは基本的には終了は使いません。

時代やブームなど簡単には終わらなかったり、いつ終わるか分からない物事に対しては、終了という言葉は使わず終焉を使います。その他にも、生命に対して使う時は終了ではなく終焉になります。

二つ目の終了の分かりやすい例として、「本日の業務が終了した」「映画の試写会が終了した」「本日の野球の試合が終了した」「会社から与えられたノルマが終了した」「携帯のアプリが強制終了した」などがあります。これらは基本的には終焉は使いません。

始まった時点で終わりが決まっている時は終了を使います。スポーツの試合や討論会が終わる時に、終焉という言葉を使うことはありません。

終焉と終了の英語表記の違い

終焉も終了も英語にすると、どちらも終わりを意味する「end」となり、例えば上記の「本日の業務が終了した」を英語にすると「Today’s work ended」になります。

終焉の意味

終焉とは

終焉とは、生命が終わることを意味しています。

また「時代」「ブーム」「政権」「人間関係」「世界情勢」など簡単には終わらない物事が終わることを比喩的に表現する意味もあります。

表現方法は「終焉を迎える」「終焉する」「終焉の美」

「終焉を迎える」「終焉する」「終焉の美」などが、終焉を使った一般的な表現方法です。

終焉の使い方

比喩的表現を使った分かりやすい例としては、「ついに現代の政権が終焉を迎えようとしている」「長きに渡って続いた徳川幕府が終焉した」「5年続いた戦争がようやく終焉を迎えた」「タピオカブームが終焉迎えようとしている」などがあります。

一般的に終焉という言葉を目にする時は、上記の例のように比喩的表現を用いていることが多いです。

その他にも、「西郷隆盛の終焉の地には今でも多くの人々が訪れている」「彼は娘の早すぎる終焉に悲しんだ」「祖母は思い出の地であるこの場所で終焉を迎えることを決めた」「意識が薄れていく中で自分の終焉を覚悟した」などがあります。

上記の例は人に対して終焉という言葉を用いる時に使います。人に対して使う時には生命が終わること意味しています。

終焉の対義語

終焉の対義語・反対語としては、人が生まれることを意味する「出生」、聖人、偉人、帝王などが生まれることを意味する「降誕」、生き物が生まれることを意味する「誕生」、芸術・学問・政治・経済などの著名人などが生まれることを意味する「生誕」などがあります。

終焉の類語

終焉の類語・類義語としては、ついに諦めなければならなくなった時の態度や決断力を意味する「往生際」(読み方:おうじょうぎわ)、息を引き取る間際を意味する「断末魔」(読み方:だんまつま)、天高くのぼることを意味する「昇天」などがあります。

終焉の焉の字を使った別の言葉としては、あかあかと光輝くさまを意味する「赫焉」(読み方:かくえん)、突然ある状態になることを意味する「忽焉」(読み方:こつえん)、はっきりしていることを意味する「炳焉」(読み方:へいえん)などがあります。

終了の意味

終了とは

終了とは、物事が終わることを意味しています。

表現方法は「終了する」「終了します」「終了のお知らせ」

「終了する」「終了します」「終了のお知らせ」などが、終了を使った一般的な表現方法です。

終了の使い方

終了は開始された時点で、いつ終わるか決まっているものに対して使われることが多いです。

分かりやすい例としては、「サッカーの試合が終了した」「本日の練習が終了した」「3時間続いた討論会が終了した」「本日の営業は終了しました、またのご来店をお待ちしております」「ピアノの発表会が無事に終了した」などがあります。

終了という言葉は、日常生活でも頻繁に使うことが多いためとても馴染みがあります。開始という言葉が使われた時は、終了という言葉をセットで使うと覚えておいても良いでしょう。

終了の対義語

終了の対義語・反対語としては、始めることや始まることを意味する「開始」があります。

終了の類語

終了の類語・類義語としては、物事が完全に終わることを意味する「完了」、続いていた物事がすっかり終わることを意味する「完結」、物事に決着がつくことを意味する「終結」、物事が終わってやむことを意味する「終息」などがあります。

終了の了の字を使った別の言葉としては、議事を終えることを意味する「議了」、する事が全て終わることを意味する「結了」、学業などの一定の課程を終えることを意味する「修了」、一定の期間が終わることを意味する「満了」などがあります。

終焉の例文

1.終焉ノ栞というマンガが人気だから読んでみたいな。
2.UVERworldの終焉の歌詞が心に響いている。
3.終焉の美の意味は最後までやり遂げて立派な成果をあげること。
4.終焉をpixivで検索すると良い絵がたくさん出てくるなぁ。
5.私は妻との思い出が詰まっているこの場所で、終焉を迎えると決めている。
6.青春時代によく聴いていたアーティストが歌手活動を引退すると知り、ひとつの時代の終焉を感じた。
7.今度の日銀総裁が緊縮派になるというので、メディアでは日本経済の終焉という文字が踊っていた。
8.1991年、バブル経済が終焉を迎えようとしていたのに、それに気づくものはほとんどいなかった。
9.会社は長年の赤字体質から抜け出せず、終焉を迎えるのもそう遠くはないかもしれない。
10.大手広告代理店の不祥事は収束の方向に向かったが、それはやがて穏やかな終焉を迎えるであろう。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の終わりを表現したい時などが挙げられます。

例文3の終焉の美は、有終の美の同義語で、基本的に有終の美の方が一般的に使われています。有終の美は物事をやり通し、最後を立派にしてあげることを意味しています。

有終の美の使い方の分かりやすい例としては、「我がチームの4番が、引退試合で満塁ホームランを打ち有終の美を飾る」「私は祖母の有終の美を見届けるために、北海道に帰省した」などがあります。

このように終焉という単語は、ゲームやマンガなどでよく使用されることが多いです。

終了の例文

1.好きだったアプリが終了して寂しくなるなぁ。
2.人気漫画の連載終了のお知らせをみて悲しくなった。
3.このアプリは問題が発生したため終了しました。
4.Androidでアプリを終了させる方法は、通知画面でアプリ一覧をすべて消去することだ。
5.サッカーの試合終了後にお互いにユニフォームを交換した。
6.延長戦の終了間際に相手チームの劇的なシュートが決まり、試合終了のホイッスルが鳴っても私たちはしばらくその場を動けなかった。
7.一ヶ月無料キャンペーン中に加入しようか迷っているところで、キャンペーン終了のメールが届いた。
8.原則的には義務教育が終了すれば、そのまま社会に出ることは可能だが、ほとんどの人達はそのまま高校に進学します。
9.授業終了のチャイムが鳴ったところで、生徒たちが勝手に片付けを始めてしまったので、先生が激怒していました。
10.スラムダンクを観たことはないけど、安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という名言は知っている。

この言葉がよく使われる場面としては、物事が終わることを表現したい時などが挙げられます。

終了という言葉は開始の対義語であり、始まった時期と終わる時期がわかる物事に対して使うことが多いです。

例文5のようにスポーツで使う試合終了という単語は日常生活でもよく目にすることでしょう。その他にも例文3のような携帯のアプリが終了したなども、馴染みのある終了の使い方になります。

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