似た意味を持つ「種目」(読み方:しゅもく)と「競技」(読み方:きょうぎ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「種目」と「競技」という言葉は、どちらも「スポーツの分類」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
種目と競技の違い
種目と競技の違いを分かりやすく言うと、種目とは競技のなかの小さな分類、競技とはスポーツの種類を表す大きな分類という違いです。
一つ目の種目を使った分かりやすい例としては、「本日の競技種目は男子シングルスと女子シングルスです」「10種目が追加競技として実施されます」「パリ大会より競技は4つ、種目は16個それぞれ増えました」などがあります。
二つ目の競技を使った分かりやすい例としては、「ラジオで競技の結果速報を聴いた」「競技者の皆さんは熱中症に気を付けてください」「競技人口の多いスポーツをランキング形式で紹介します」などがあります。
種目と競技という言葉は、どちらもスポーツにおけるカテゴリーを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
種目とは、種類の名目のことで、種類によって分けた項目を意味します。スポーツにおける種目とは、競技を細分化したカテゴリーを指す言葉です。例えば、スケート競技の中のフィギュアスケートやスピードスケートが種目と呼ばれるものです。
競技とは、一定の規則に従って技の優劣を競うことを意味します。おもに運動競技に関して使用され、2026年に開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピック大会では、スケート、スキー、アイスホッケーなど8競技が実施される予定です。
つまり、種目とは一つの競技の中にいくつかある小さなカテゴリーであり、競技とはスポーツの種類を表す大きなカテゴリーです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
種目を英語にすると「item」「event」となり、例えば上記の「競技種目」を英語にすると「an athletic event」となります。一方、競技を英語にすると「game」「competition」「athletic」となり、例えば上記の「競技の結果」を英語にすると「the result of a competition」となります。
種目の意味
種目とは、種類分けした一つ一つの項目、また、その名称を意味しています。
種目を使った分かりやすい例としては、「体操男子種目別の選手5人が決定しました」「競技種目別選手権大会にエントリーする」種目別優勝大会を実施します」「私達の町は多種目スポーツ活動を推進しています」などがあります。
その他にも、「当座預金と普通預金の種目コードを確認する」「銀行にはさまざまな預金種目が存在します」「営業種目の分類表を作成しています」「保険種目別データをダウンロードしています」などがあります。
種目の「種」は訓読みで「たね」「くさ」と読み、共通の性質によって分類されるものを表します。分類上の区分を表す「目」と結び付き、種目とは、種類別の項目または種類の名前を意味します。種目はあるカテゴリーを細分化したもので、例えば陸上競技の種目として短距離走や槍投げなどがあります。
種目を用いた日本語には「ノルディック種目」があります。ノルディック種目とは、スキー競技のうち、ノルディックスキーを用いて行うものの総称です。距離競技・ジャンプ競技・複合競技の3種があります。北ヨーロッパ諸国で発達したので、ノルド(北方)からこの名称がつけられました。
種目の類語・類義語としては、細かい点について規定してある項目を意味する「細目」、品物の種目や品物の目録を意味する「品目」、箇条書になっている法律や規則などの各項目を意味する「条目」などがあります。
競技の意味
競技とは、一定の規則に従って、技術や運動能力の優劣を互いに競うことを意味しています。
競技を使った分かりやすい例としては、「競技ダンスの世界は奥が深いですね」「スポーツ用品店で競技用水着を買いました」「陸上競技を観戦した後に英語の塾に行きます」「競技ゴルフでスコアを競い合う」などがあります。
その他にも、「競技かるたのルールを簡単に説明します」「競技かるた高校選手権にエントリーする」「競技プログラミングコンテストに出場します」「国立競技場への行き方を調べています」などがあります。
競技の読み方は「きょうぎ」です。同じ読み方をする熟語に「協議」や「教義」などがありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
競技の「競」は訓読みで「きそう」と読み、勝敗や優劣を争って張り合うことを表し、「技」は訓読みで「わざ」と読み、ある物事を行うための一定の方法や手段を表す漢字です。競技とは、個人または団体が一定の規則に従って特定の技を競い合い、その優劣勝敗を決することを意味します。
上記の例文にある「競技かるた」とは、歌がるたの小倉百人一首を使い、早取りを競う競技で、個人戦と団体戦があります。相対する二人が各25枚ずつ自陣に並べる、敵陣の札を取った場合は自陣から1枚相手に渡すことができ、先に自陣の札がなくなった側を勝ちとなります。
競技の類語・類義語としては、互いに同じ目的に向かって勝敗や優劣を競う合うことを意味する「競争」、勝ち負けを決めようとして争うことを意味する「勝負」、競技することやその技を意味する「プレー」などがあります。
種目の例文
この言葉がよく使われる場面としては、種類によって分けた項目、種類の名目を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「アルペン種目」とは、スキー競技で、滑降・回転・大回転・スーパー大回転の4種目とそれらの複合競技の総称です。「アルペン競技」と呼ぶこともあります。
競技の例文
この言葉がよく使われる場面としては、互いに技術を競い合い優劣を争うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「採点競技」とは、演技を採点し点数化することにより競う競技を意味し、「採点型競技」とも言います。体操競技、フィギュアスケート、シンクロナイズドスイミングなどがあります。
種目と競技という言葉は、どちらも「スポーツの分類」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一つの競技の中にいくつかある区分を表現したい時は「種目」を、スポーツの種類を表現したい時は「競技」を使うようにしましょう。