【汗顔の至り】と【赤面の至り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「汗顔の至り」(読み方:かんがんのいたり)と「赤面の至り」(読み方:せきめんのいたり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「汗顔の至り」と「赤面の至り」という言葉は、どちらも恥ずかしことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「汗顔の至り」と「赤面の至り」の違い

「汗顔の至り」と「赤面の至り」の意味の違い

「汗顔の至り」と「赤面の至り」の違いを分かりやすく言うと、「汗顔の至り」はビジネスシーンでよく使われている表現、「赤面の至り」は日常生活でよく使われている表現という違いです。

「汗顔の至り」と「赤面の至り」の使い方の違い

一つ目の「汗顔の至り」を使った分かりやすい例としては、「昨日の飲み会で醜態を晒してしまい汗顔の至りです」「お褒めの言葉を預かり汗顔の至りです」「取引先の社名を間違えてしまい汗顔の至りでございます」などがあります。

二つ目の「赤面の至り」を使った分かりやすい例としては、「服装の乱れに気づかず外を歩いてしまい赤面の至りです」「過去の自分の作品を読み返すと赤面の至りだ」などがあります。

「汗顔の至り」と「赤面の至り」の使い分け方

「汗顔の至り」と「赤面の至り」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「汗顔の至り」は自分の失敗や至らなさを恥ずかしいと思い謝罪する場合に使う言葉です。また、少し堅い表現なので主にビジネスシーンで使い、日常生活ではあまり使われていません。

一方、「赤面の至り」も恥ずかしいと思った場合に使う言葉ですが、やや軽いニュアンスなのでビジネスシーンで使うことはほとんどなく、主に日常生活で使う言葉というのが違いです。

また、「汗顔の至り」はただ恥ずかしいのではなく、褒められたことに対しての謙遜として使うのも違いの一つになります。

「汗顔の至り」と「赤面の至り」の英語表記の違い

「汗顔の至り」も「赤面の至り」も直訳した英語表現はないのですが、近い表現として恥ずかしいを意味する「embarrassed」「ashamed」などがあります。

「汗顔の至り」の意味

「汗顔の至り」とは

「汗顔の至り」とは、この上なく恥ずかしいことを意味しています。

「汗顔の至り」の読み方

「汗顔の至り」の読み方は「かんがんのいたり」です。誤って「あせがおのいたり」と読まないようにしましょう。

表現方法は「汗顔の至りです」「汗顔の至りでございます」

「汗顔の至りです」「汗顔の至りでございます」「汗顔の至りに耐えません」などが、「汗顔の至り」を使った一般的な言い回しになります。

「汗顔の至り」の使い方

「汗顔の至り」を使った分かりやすい例としては、「訪問時間を間違えてしまい汗顔の至りです」「顔を覚えてもらっていたのは汗顔の至りでございます」「予約していたお客様の名前を間違えてしまい汗顔の至りです」などがあります。

「汗顔の至り」は顔に汗をかくほど恥ずかしく感じることを意味する「汗顔」(読み方:かんがん)に、この上ないことを意味する「至り」が合わさり、この上なく恥ずかしいことの意味で使われている言葉です。

「汗顔の至り」は主にビジネスシーンにおいて使用する言葉で、自分の失敗や至らなさを恥ずかしいと思い謝罪する場合に使います。そのため、日常生活においてはほとんど使われることがありません。

また、「部長から褒めの言葉をいただき、汗顔の至りに堪えません」のように、褒められたことに対して謙遜として使うこともできます。

「汗顔の至り」の類語

「汗顔の至り」の類語・類義語としては、自分の言動を反省して恥ずかしいと思うことを意味する「慙愧の念」(読み方:ざんきのねん)、自分の欠点や過失などを自覚して体裁悪く感じることを意味する「恥ずかしい」などがあります。

「赤面の至り」の意味

「赤面の至り」とは

「赤面の至り」とは、顔を赤らめるほど恥ずかしいことを意味しています。

「赤面の至り」の読み方

「赤面の至り」の読み方は「せきめんのいたり」です。誤って「あかつらのいたり」や「あかづらのいたり」などと読まないようにしましょう。

「赤面の至り」の使い方

「赤面の至り」を使った分かりやすい例としては、「学生時代の写真を見たが格好がやんちゃすぎて今考えると赤面の至りだ」「飲み会の席でみんなに迷惑をかけてしまい赤面の至りです」「大人げない言動をしてしまい赤面の至りです」などがあります。

「赤面の至り」は恥じて顔を赤らめることを意味する「赤面」(読み方:せきめん)に、この上ないことを意味する「至り」が合わさり、顔を赤らめるほど恥ずかしいことの意味で使われている言葉です。

「赤面の至り」は「汗顔の至り」と同様に自分の失敗や至らなさを恥ずかしいというニュアンスで使いますが、少々軽い表現なのでビジネスシーンで使うのはあまり適していません。基本的に日常生活で使う言葉と覚えておきましょう。

「赤面の至り」の類語

「赤面の至り」の類語・類義語としては、身を隠したいくらいに恥ずかしいことを意味する「穴があったら入りたい」、自ら恥じ入る気持ちに駆られることを意味する「忸怩たる思い」(読み方:じくじたるおもい)などがあります。

「汗顔の至り」の例文

1.今になって読み返してみると至らぬ点がいくつかあったので、作者としては汗顔の至りです。
2.お酒に溺れないように気を付けていたのですが、飲み会の席とはいえ汗顔の至りです。
3.今回の件におきましては私の不注意によるものです。誠に汗顔の至りでございます。
4.ご連絡が遅れてしまい汗顔の至りでございます。誠に申し訳ございません。
5.社長から褒めの言葉をいただき、汗顔の至りに堪えません。
6.社長の名前の漢字を間違えて社内報を発行してしまった。どうしようと思っていたらほかにも誤字が見つかり、これはもう汗顔の至りというほかはないと感じた。
7.帰国子女のため、大事なところで簡単な漢字が読めなかったり、敬語がうまく使えなかったりと、社会人になりたてのころは毎日が汗顔の至りだった。
8.取引先の人の名前をずっと間違えていたことを知り、上司から大目玉を食らってしまった。まさに汗顔の至りであった。
9.師匠からお褒めの言葉をいただいたときは汗顔の至りであったが、これからも日々精進していきたい。
10.この度は、わたしのミスにより関係者各位に多大なるご迷惑をおかけして汗顔の至りに耐えません。

この言葉がよく使われる場面としては、この上なく恥ずかしいことを表現したい時などが挙げられます。

例文5のように、褒められたことに対しての謙遜としても使うことができる言葉です。

「赤面の至り」の例文

1.まだ学生だったとは言え、あの頃のブログを見返すと赤面の至りです。
2.周りの人に隠していたコスプレイヤーの趣味がうっかり露呈し、赤面の至りだ。
3.飲み会で泥酔してしまい、みんなに迷惑をかけて赤面の至りです。
4.昔の写真を眺めているが、あまりにも恥ずかしい格好をしていたので赤面の至りだ。
5.昨日は大人げない対応をしてしまい、赤面の至りです。
6.友人の家でとんかつをごちそうになった時、レタスととんかつを一緒に食べるとおいしいですよねと言ったら、これはキャベツねと言われた。当時の私は2つの違いがわからず今思い出しても赤面の至りだ。
7.彼がソムリエとは知らず、せっかく出してくれたワインについて、素人の私があれこれ語ってしまい、あとでそれに気づいたときは赤面の至りでした。
8.チャリティーイベントでは、いつも少額でしか寄付できず赤面の至りでまことに不甲斐なく思っている。
9.恥を恐れずあそこまで堂々としているのだから、赤面の至りを通り越して、勇ましいやつだと思えて来てしまうよ。
10.ついカッとなって大人げない言動をしてしまったことは赤面の至りであり、もはや弁解の余地がない。

この言葉がよく使われる場面としては、顔を赤らめるほど恥ずかしいことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「赤面の至り」は日常生活で使うのが一般的な言葉になります。

「汗顔の至り」と「赤面の至り」はどちらも恥ずかしいことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ビジネスシーンで一般的に使われているのが「汗顔の至り」、日常生活で一般的に使われているのが「赤面の至り」と覚えておきましょう。

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