似た意味を持つ「大きい」(読み方:おおきい)と「大きな」(読み方:おおきな)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大きい」と「大きな」という言葉は、どちらも数量や程度などが多いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「大きい」と「大きな」の違い
「大きい」と「大きな」の意味の違い
「大きい」と「大きな」の違いを分かりやすく言うと、「大きい」は述語や連用修飾語としても使える、「大きな」は名詞としか使えないという違いです。
「大きい」と「大きな」の使い方の違い
一つ目の「大きい」を使った分かりやすい例としては、「彼は声が大きいので聞きやすいです」「彼らは大きい拍手で迎えられました」「今は大きいお金しか持っていません」「私は仕事で大きい失敗をしてしまいました」「息子は父親よりも大きいです」などがあります。
二つ目の「大きな」を使った分かりやすい例としては、「些細ないざこざが大きな問題へと発展しました」「彼には大きな期待をしています」「私は大きな借金を抱えています」「そんなこと言うなんて大きなお世話です」などがあります。
「大きい」と「大きな」の使い分け方
「大きい」と「大きな」はどちらも数量や程度などが多いことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「大きい」は「夢が大きい」のように述語や連用修飾語としても使えるのに対して、「大きな」は「大きな+名詞」の形でしか使えないというのが違いになります。
つまり、述語や連用修飾語としても使えるのが「大きい」、名詞としか使えないのが「大きな」と覚えておきましょう。
述語とは、主語についてその動作、作用、性質、状態などを叙述するもののことを意味しています。連用修飾語とは、用言を修飾する修飾語のことを意味しています。
「大きい」と「大きな」の英語表記の違い
「大きい」も「大きな」も英語にすると「big」「large」「tall」「bulky」となり、例えば上記の「息子は父親よりも大きいです」を英語にすると「The son is bigger than his father」となります。
「大きい」の意味
「大きい」とは
「大きい」とは、ある物の形、容積、面積などが広い空間や場所を占めていることを意味しています。
その他にも、量や数が多いこと、程度が甚だしいこと、規模が並みを超えていること、範囲が広いこと、心が広いこと、重要であること、年齢が上であること、大げさであること、威張っていることの意味で使っています。
「大きい」の使い方
「大きい箱なので持ち運ぶのが大変です」「彼は声が大きいです」などの文中で使われている「大きい」は、「ある物の形、容積、面積などが広い空間や場所を占めていることや量や数が多いこと」の意味で使われています。
一方、「大きい台風が近づいてきています」「これはとてもつなく大きい事件だ」などの文中で使われている「大きい」は、「規模が並みを超えていることや重要であること」の意味で使われています。
「大きい」は複数の意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「大きい」の特徴
「大きい」は「箱が大きい」「画面が大きい」などのように物理的なものだけではなく、「彼は年齢が大きい」「今回は被害が大きい」などのように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。
また、「大きい」は述語や連用修飾語としても使えるというのが特徴の一つになります。
「大きい」の対義語
「大きい」の対義語・反対語としては、物の形、容積、面積が狭い空間や場所しか占めていないことを意味する「小さい」があります。
「大きい」の類語
「大きい」の類語・類義語としては、大きいことを意味する「でかい」、非常に大きいことを意味する「巨大」、極めて大切であることを意味する「重要」、年齢が上であることを意味する「年配」などがあります。
「大きな」の意味
「大きな」とは
「大きな」とは、容積、面積が広い空間、場所を占めることを意味しています。その他にも、数や量が多いこと、程度が甚だしいこと、規模が並を超えていること、重大なこと、年長であること、大げさであることの意味持っています。
「大きな」の使い方
「大きな池に鯉がたくさん泳いでる」「大きな音がしたので見に行くことにしました」などの文中で使われている「大きな」は、「容積、面積が広い空間、場所を占めることや数や量が多いこと」の意味で使われています。
一方、「私たちは大きな計画を立てています」「彼は大きな態度を取る」などの文中で使われている「大きな」は、「程度が甚だしいことや大げさであること」の意味で使われています。
「大きな」は複数の意味を持つ形容動詞です。基本的に連体形として使うのが一般的になります。
「大きな」の特徴
「大きな」は「大きな荷物」「大きなテレビ」などのように物理的なものだけではなく、「大きな器を持ちたい」「大きなことをやりたい」などのように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。
「大きな」の注意点
「大きな」を使う上で注意しなければならないのは、「大きな」+名詞の形で、名詞とセットでしか使えないという点です。
「大きな」の対義語
「大きな」の対義語・反対語としては、容積や面積が狭い空間や場所だけを占めることを意味する「小さな」があります。
「大きな」の類語
「大きな」の類語・類義語としては、事柄が普通でなく大変な結果や影響をもたらすような状態であることを意味する「重大」、数量の多いことを意味する「沢山」、それ以上あることを意味する「十分」などがあります。
「大きい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物の形、容積、面積などが広い空間や場所を占めていることを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、量や数が多いこと、程度が甚だしいこと、規模が並みを超えていること、範囲が広いこと、心が広いこと、重要であること、年齢が上であること、大げさであること、威張っていることを表現したい時にも使います。
例文1はある物の形、容積、面積などが広い空間や場所を占めていること、例文2は規模が並みを超えていること、例文3は重要であること、例文4は年齢が上であること、例文5は大げさであることの意味で使っています。
「大きな」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、容積、面積が広い空間、場所を占めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、数や量が多いこと、程度が甚だしいこと、規模が並を超えていること、重大なこと、年長であること、大げさであることを表現したい時にも使います。
例文1は容積、面積が広い空間、場所を占めること、例文2は数や量が多いこと、例文3は程度が甚だしいこと、例文4は規模が並を超えていること、例文5は大げさであることの意味で使っています。
「大きい」と「大きな」はどちらも数量や程度などが多いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、述語や連用修飾語としても使えるのが「大きい」、名詞としか使えないのが「大きな」と覚えておきましょう。