【払拭】と【一掃】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「払拭」(読み方:ふっしょく)と「一掃」(読み方:いっそう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「払拭」と「一掃」という言葉は、どちらも綺麗に取り除くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。

払拭と一掃の違い

払拭と一掃の違いを分かりやすく言うと、払拭とは抽象的な物事に対して使い、一掃とは具体的な物事に対して使うという違いです。

一つ目の払拭を使った分かりやすい例としては、「途中までの悪い流れを払拭し逆転した」「不安は立ち止まらないことで払拭されるだろう」「既成の固定概念が払拭されていく」「この疑問が払拭されない」「悪いイメージを払拭しない限り選挙で当選はしない」などがあります。

二つ目の一掃を使った分かりやすい例としては、「設備の古さを一掃してリフォームした」「走者一掃のタイムリー2ベースを放った」「この街の犯罪者を一掃したい」「長年放置されていたゴミを一掃する」「不安や恐怖心が一掃されることは中々ない」などがあります。

どちらも綺麗に取り除くという共通の意味を持っているのですが、払拭と一掃は多少使い方が異なります。払拭は良くないものを綺麗に取り除いて何もない状態にすること、一掃は一度に全て取り除く使い方をします。

そのため、払拭は精神的不安や悪い評判など、抽象的な物事を取り除く時に使います。一方、一掃は抽象的な物事や具体的に存在する物事の両方に対して使えます。

払拭を英語にすると「wiping」となり、例えば上記の「払拭しない」を英語にすると「Do not wipe」となります。一掃を英語にすると「Wipe out」となり、例えば上記の「この街の犯罪者を一掃したい」を英語にすると「I want to wipe out criminals in this city」となります。

払拭の意味

払拭とは、汚れなどを綺麗に取り除くことを意味しています。汚れと言っても単純な汚れだけではなく、悪い評判や精神的な不安のことも含まれています。

払拭を使った分かりやすい例としては、「不安な気持ちを払拭する」「悪いイメージを払拭する」「悪い噂を払拭したい」「ドーピング疑惑を払拭した」「不信感は完全に払拭されなかった」「懸念は払拭されていないのである」などがあります。

その他にも、「払拭痕が認められない」「このワイパーは払拭範囲が広い」「彼が放った一言が暗い雰囲気を払拭してくれた」「長かったブランク期間を払拭したい」「5年前の悪夢を払拭する」「苦手意識が払拭された」などがあります。

払拭の読み方については二通りあります。一般的に多く使われている読み方が「ふっしょく」なのですが、「ふっしき」と読んでも決して間違いではありません。どちらの読み方を使うか迷った時は、「ふっしょく」を使いましょう。

払拭は日常生活でもビジネスシーンでも使われる言葉です。上記の例の「不安な気持ちを払拭する」「悪い噂を払拭したい」のように、悪い評判や精神的不安を取り除きたい時に、比喩的表現で使われることがほとんどです。

日常生活でこの言葉を目にするのはテレビでニュースを見ている時が多いはずです。芸能人や政治家が不祥事を起こした際に、「この悪いイメージを払拭したいです」とインタビューなどでよく言っています。

払拭の類義語としては、文章などの一部を削っていくことを意味する「削除」、水分や汚れを紙などでぬぐい取ることを意味する「拭き取る」、拭いて綺麗に取ることを意味する 「ぬぐい取る」、電気のスイッチを切ったりすることを意味する「消す」などがあります。

払拭の対義語としては、一定の空間がいっぱいに満ちることを意味する「充満」などがあります。

一掃の意味

一掃とは、一度に払い除けることを意味しています。

他にも、野球の試合で出塁中のランナーが全員ホームインすることも意味しています。

「悪い風習を一掃する」「不安な気持ちを一掃する」「不正行為する人々を一掃する試みをした」「無能な経営陣を一掃する」「在庫一掃のバーゲンが開催された」などの文中で使われている一掃は、「一度に払い除けること」の意味で使われています。

一度に払いのける意味の場合は、上記の例の「在庫一掃のバーゲンが開催された」のように、日常生活において物を一度に取り除く使い方と、「無能な経営陣を一掃する」のように、ビジネスにおいて要らない人々を取り除くという使い方があります。

一方、「走者一掃のタイムリー3ベースを放った」「走者一掃の満塁ホームランを打ちMVPに選ばれた」などの文中で使われている一掃は、「野球の試合で出塁中のランナーを全員ホームインさせること」の意味で使われています。

野球の試合で出塁中のランナーを全員ホームインさせたことの意味は、上記の例のように野球の試合でしか使わないため、とても限定的な意味合いになります。ただし、野球を観る人にとってはとても馴染みのある言葉でしょう。

一掃の類義語としては、すっかり滅ぼすことを意味する「掃滅」、追い払うことを意味する「駆逐」、その場所から追い払うことを意味する「放逐」、その人が属しているコミュニティから締め出して関係を断つことを意味する「追い出す」などがあります。

一掃の掃の字を使った別の言葉としては、ゴミや汚れなどを取り去ることを意味する「掃除」、機関銃などで薙ぎ払うように射撃していくことを意味する「掃射」、残らず払い去ることを意味する「掃討」、綺麗に掃除することを意味する「清掃」などがあります。

払拭の例文と使い方

1.第一印象で与えてしまった悪いイメージを払拭する方法はあるだろうか。
2.八百長試合しているという疑惑を払拭するようにお願いした。
3.ここ最近の不安を払拭出来る日は来るのだろうか。
4.払拭痕を探して、事件の原因を究明しようとしている。
5.mtgには払拭の光というカードがある。

この言葉がよく使われる場面としては、都合の悪い物事を完全に取り除きたいことを表現したい時などが挙げられます。

基本的には、例文1から例文3のような抽象的な物事に対して使います。悪いイメージや精神に抱えている不安を綺麗に除くような意味で使うと良いでしょう。

過去に八百長試合で話題になったのは、サッカー元日本代表監督のアギーレ氏です。彼は八百長試合をしたことを否定しています。そのため、「アギーレ氏は八百長試合疑惑を払拭したい」という例文が使えます。

例文4のように払拭痕という単語で払拭という言葉を使うこともあります。

一掃の例文と使い方

1.家の近くのデパートが、在庫一掃半額セールをやっているので買い物に行こう。
2.部屋のホコリを年内に一掃するために、新しい掃除機を購入した。
3.海沿いの不法投棄場所はまもなく一掃する予定だ。
4.ここ数年赤字が続いたため、役員を一掃するべきだ。
5.今年のオフに外国人助っ人が一掃されるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、一度に全部を取り除きたいことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3のように、具体的に存在する物事を全部取り除きたい時に使うことが多いです。また、例文4や例文5のように人事に対しても使える言葉です。

この中でも在庫一掃セールという言葉は多くの人にとって馴染みのある言葉なので、イメージしやすいでしょう。