【ケレン味】と【外連味】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「けれんみ」という読み方の「ケレン味」と「外連味」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ケレン味」と「外連味」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「ケレン味」と「外連味」の違い

「ケレン味」と「外連味」の意味の違い

「ケレン味」と「外連味」の違いを分かりやすく言うと、「ケレン味」は一般的に使われている、「外連味」は一般的に使われていないという違いです。

「ケレン味」と「外連味」の使い方の違い

一つ目の「ケレン味」を使った分かりやすい例としては、「ケレン味たっぷりの芝居は面白いです」「このレポートはケレン味のない文章です」「この舞台はケレン味溢れる演出でした」「彼女はケレン味たっぷりな人です」などがあります。

二つ目の「外連味」を使った分かりやすい例としては、「外連味のない彼女の演技に引き込まれました」「この映画は外連味の欠けた平凡な作品だった」「外連味の効いた舞台はとても面白いです」などがあります。

「ケレン味」と「外連味」の使い分け方

「ケレン味」と「外連味」は表記の仕方が違うだけで、意味は全く同じ言葉になります。では、あえて違いを挙げるならば、「ケレン味」は一般的に使われているのに対して、「外連味」は一般的に使われていないという点です。

したがって、「ケレン味」と「外連味」は基本的に好きな方を使っても問題ないと覚えておきましょう。

「ケレン味」と「外連味」の英語表記の違い

「ケレン味」も「外連味」も英語にすると「show-off」「unique」「originality」となり、例えば上記の「彼女はケレン味たっぷりな人です」を英語にすると「She is quite a show-off」となります。

「ケレン味」の意味

「ケレン味」とは

「ケレン味」とは、はったりを利かせたりごまかしたりすることを意味しています。

「ケレン味」の読み方

「ケレン味」の読み方は「けれんみ」です。誤って「けれんあじ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「ケレン味がある」「ケレン味がない」「ケレン味たっぷりの演技」

「ケレン味がある」「ケレン味がない」「ケレン味たっぷりの演技」などが、「ケレン味」を使った一般的な言い回しになります。

「ケレン味」の使い方

「ケレン味」を使った分かりやすい例としては、「私はケレン味のない正統派な作品が好きです」「彼はケレン味溢れる素晴らしい役者です」「ケレン味を盛り込み過ぎた作品はあまり好きではありません」などがあります。

「ケレン味」はプラスのイメージとマイナスのイメージどちらでも使うことができるのが特徴です。少しややこしいですが、「ケレン味のある」という表現でもプラスとマイナスのどちらのイメージを持っており、「ケレン味のない」でもプラスとマイナスのどちらのイメージを持っています。

例えば「この映画はケレン味のある作品です」をプラスのイメージで表現すると、誇張表現されていたり、粋な演出である素晴らしい作品となります。

しかし、王道な作品を好む人にとっては誇張表現や粋な演出は好ましくなく、「この映画はケレン味のある作品です」とするとマイナスなイメージになるのです。

また、「この映画はケレン味のない作品です」をプラスのイメージで表現すると邪道な表現がない王道で素晴らしい作品となります。

しかし、邪道な作品を好む人にとっては、誇張表現や粋な演出がある作品の方が面白いと感じるので、「この映画はケレン味のない作品です」はマイナスなイメージになります。

これらが、「ケレン味」がプラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる理由です。

「ケレン味」の語源

「ケレン味」の「ケレン」とは 歌舞伎や人形浄瑠璃で見た目本位の奇抜さを狙った演出のことを意味する演劇用語でした。それにそういう性質や状態ことを意味する「味」が合わさり、はったりを利かせたりごまかしたりすることの意味で使われるようになりました。

「ケレン味」は演劇や映画の評論で使われることが多いですが、芸術、小説や論文などの文学に対しても使うことができます。したがって、「ケレン味」は手を加えて人を楽しませたり驚かさせたりするテクニックというニュアンスで使うことが多いです。

「ケレン味」の類語

「ケレン味」の類語・類義語としては、相手を威圧するために大げさな言動をしたり強気な態度をとったりすることを意味する「はったり」、面白く思われることを狙ってやることを意味する「ウケ狙い」などがあります。

「外連味」の意味

「外連味」とは

「外連味」とは、はったりを利かせたりごまかしたりすることを意味しています。

「外連味」の読み方

「外連味」の読み方は「けれんみ」です。誤って「げれんみ」「けれんあじ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「外連味がある」「外連味がない」「外連味たっぷりの演技」

「外連味がある」「外連味がない」「外連味たっぷりの演技」などが、「外連味」を使った一般的な言い回しになります。

「外連味」の使い方

「外連味」を使った分かりやすい例としては、「論文においては外連味のない文章が好まれている」「芸術には外連味が必要だと思っています」「期待して視聴してみたものの外連味のない作品でつまらなかったです」などがあります。

「外連味」は一般的に使われている言葉である「ケレン味」を漢字にした表現になります。「外連」という漢字はただの当て字なので、深い意味はありません。また、「ケレン味」を漢字表記にしただけなので、意味は同じ言葉です。

「外連味」は演劇や映画の評論で使われることが多いですが、芸術、小説や論文などの文学に対しても使うことができます。

また、「外連味」はプラスのイメージとマイナスのイメージどちらでも使うことができるのが特徴です。少しややこしいですが、「外連味のある」という表現でもプラスとマイナスのどちらのイメージを持っており、「外連味のない」でもプラスとマイナスのどちらのイメージを持っています。

「外連味」の類語

「外連味」の類語・類義語としては、でまかせを言って真実を隠すことを意味する「ごまかし」、自分の学識や才能行為などを誇って言葉や行動にちらつかせることを意味する「衒う」(読み方:てらう)などがあります。

「ケレン味」の例文

1.彼が監督を務める作品はケレン味溢れる演出が多く、どれも面白いです。
2.彼女のケレン味のない真っ直ぐな演技を観て、私の引退作の主演をお願いすることにしました。
3.大学のレポートにおいては、ケレン味のない文章にするのが一般的だろう。
4.話題の小説を読んでみたが、ケレン味に欠けており退屈な作品でした。
5.本日公開の映画を観に行ったが、ケレン味を盛り込み過ぎており、正直期待外れでした。
6.彼女はデビュー以来シンプルなアレンジが特徴だったが、新作はなんというか音数が多いケレン味あふれるアレンジでイメージがいい意味で変わった。
7.私はケレン味のない正統派の作品が好きだが、最近世に出回るものは正統派が少ないので非常に寂しい限りである。
8.彼はまだ若いがケレン味あふれる素晴らしい演技をする俳優で、今後に期待を寄せている俳優の一人でもある。
9.この歴史小説はケレン味というかちょっと嫌味なところを感じるので、私個人としてはあまり好きではない。
10.今日観たサスペンス映画はケレン味やアクの強さが際立った作品で、最後の最後までハラハラさせられました。

この言葉がよく使われる場面としては、はったりを利かせたりごまかしたりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の「ケレン味」はプラスのイメージで使っており、例文4と例文5の「ケレン味」はマイナスのイメージで使っています。

「外連味」の例文

1.先生から提出するレポートは、外連味のない文章にするように言われました。
2.本日公開の演劇を観に行ったが、外連味が盛り込まれていてとても面白い作品でした。
3.話題のアニメを視聴してみたが、外連味のあるエンターテインメントな作品でした。
4.彼女の演技は外連味がないので、この作品の主役には向いていません。
5.今話題の映画を観に行ったが、外連味に欠けており個人的に好きではなかったです。
6.このアニメ映画は、アニメ特有の外連味を排したより実写的な表現を追求した作品で、海外からの評価も高い。
7.その動画クリエイターは外連味のある映像表現をするために、様々な特殊効果を屈指して刺激的な演出をしました。
8.いくらフィクションだからといって外連味の強い演技は、視聴者をしらけさせることもあるのでほどほどにするのが肝要だ。
9.幼稚園児たちは私達に向かって外連味たっぷりにお辞儀をしていて、思わず「可愛い!」と言葉が漏れてしまいます。
10.私の好きな文豪の特徴は基本的には外連味のない文体で、頭にスッと入ってくるものが多いことに気がつきました。

この言葉がよく使われる場面としては、はったりを利かせたりごまかしたりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の「外連味」はプラスのイメージで使っており、例文4と例文5の「外連味」はマイナスのイメージで使っています。

「ケレン味」と「外連味」はどちらもはったりを利かせたりごまかしたりすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われているのが「ケレン味」、一般的に使われていないのが「外連味」と覚えておきましょう。

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