似た意味を持つ「そのうち」と「いつか」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「そのうち」と「いつか」という言葉は、どちらも先のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「そのうち」と「いつか」の違い
「そのうち」と「いつか」の意味の違い
「そのうち」と「いつか」の違いを分かりやすく言うと、「そのうち」とは近い将来のこと、「いつか」とはいつになるか分からない遠い将来のことという違いです。
「そのうち」と「いつか」の使い方の違い
一つ目の「そのうち」を使った分かりやすい例としては、「そのうち北海道へ行きたいです」「そのうちまた飲み会でもやりましょう」「天気予報によるとそのうち雨が降ると言われている」「そのうち貴国を訪問したいと思います」などがあります。
二つ目の「いつか」を使った分かりやすい例としては、「グアムにはいつか行ってみたいです」「この漫画はいつか読んだことがあります」「いつかまたこのチームに戻ってきます」「いつか自分の会社を作ることが夢です」「これがいつかお話した本です」などがあります。
「そのうち」と「いつか」の使い分け方
「そのうち」と「いつか」はどちらも先のことを意味する言葉ですが、その先までの長さが異なっているというのが違いになります。
「そのうち」はそれが実現するまでにそれほど日時を要しないことを意味しており、つまり、近い将来を表現したい時に使います。一方、「いつか」は、いつになるか分からない遠い将来のことを表現したい時に使うと覚えておきましょう。
「そのうち」と「いつか」の英語表記の違い
「そのうち」を英語にすると「some time」「someday」「soon」となり、例えば上記の「そのうち貴国を訪問したいと思います」を英語にすると「 hope to visit your country sometime」となります。
一方、「いつか」を英語にすると「sometime」「someday」「before」となり、例えば上記の「これがいつかお話した本です」を英語にすると「This is the book I told you about the other day」となります。
「そのうち」の意味
「そのうち」とは
「そのうち」とは、それが実現するまでにそれほど日時を要しないことを意味しています。その他にも、その中でのことの意味も持っています。
「そのうち」の漢字表記
「そのうち」を漢字にすると、「其の内」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「そのうち」を使うようにしましょう。
表現方法は「そのうちね」「そのうちまた」「そのうちご飯行こう」
「そのうちね」「そのうちまた」「そのうちご飯行こう」などが、「そのうち」を使った一般的な言い回しです。
「そのうち」の使い方
「またそのうちお伺いします」「この件はそのうち対処しますので、もう少しお待ちください」などの文中で使われている「そのうち」は、「それが実現するまでにそれほど日時を要しないこと」の意味で使われています。
一方、「参加希望者は10人いたが、そのうち3人は女性でした」「合格者は3名いたが、彼もそのうちの一人です」などの文中で使われている「そのうち」は、「その中でのこと」の意味で使われています。
「そのうち」はそれが実現するまでにそれほど日時を要しないことと、その中でのことという二つの意味を持つ副詞です。
副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。「そのうち」以外の副詞は、「ちょっと」「とても」「ひたすら」「だいぶ」「かなり」「しばらく」「すぐに」などがあります。
「そのうち」の期間
「そのうち」はどれくらいの期間だろうと思う人がいると思いますが、明確な期間は決まっていません。ただし、「そのうち」はそれが実現するまでにそれほど日時を要しないことを意味してるため、そう遠くない近い将来と覚えておけば問題ないでしょう。
「そのうち」を使う上で注意しなければならないのは、ビジネスシーンにおいて相手から依頼や質問を受けた場合に、使うのは適していないという点です。なぜなら、「そのうち」は明確な期間が決まっていないので、トラブルの元になる可能性や相手にネガティブな印象を与えるからです。
「そのうち」の類語
「そのうち」の類語・類義語としては、近いうちのことを意味する「近日」、 あまり遠くない将来のことを意味する「いずれ」、あまり時間や日数がたたないうちにある事が起こることを意味する「やがて」などがあります。
「いつか」の意味
「いつか」とは
「いつか」とは、未来の不定を表すことを意味しています。その他にも、過去の不定を表すことや時が経つのに気がつかないこと意味も持っています。
「いつか」の漢字表記
「いつか」を漢字にすると、「何時か」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「いつか」を使うようにしましょう。
「いつか」の使い方
「あなたとはいつかお会いしたいですね」「オーストラリアにはいつか行ってみたい」などの文中で使われている「いつか」は、「未来の不定を表すこと」の意味で使われています。
一方、「昔のことなので覚えていないが、この場所はいつか来たことがある」「勉強していたらいつか日が暮れていた」などの文中で使われている「いつか」は、「過去の不定を表すことや時が経つのに気がつかないこと」の意味で使われています。
「いつか」は未来の不定を表すこと、過去の不定を表すこと、時が経つのに気がつかないことの三つの意味を持つ副詞です。
「いつか」の期間
「いつか」を未来の不定を表すことの意味で使う場合、どれくらいの期間だろうと思う人がいると思いますが、明確な期間は決まっていません。使い手によって期間が変わるとても曖昧な表現になります。
そのため、ビジネスシーンにおいて「いつか」を使うのは適していません。もし、具体的な日付を決められない場合は、後日や後ほどを使うようにしましょう。
「いつか」の類語
「いつか」の類語・類義語としては、過去の不定の時を表す場合の改まった言い方のことを意味する「いつぞや」、分からないうちにある状態になることを意味する「いつの間にか」、過去や未来の不定の時を表すことを意味する「いつしか」などがあります。
「そのうち」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、それが実現するまでにそれほど日時を要しないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、その中でのことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「そのうち」はそれが実現するまでにそれほど日時を要しないこと、例文4と例文5の「そのうち」はその中でのことの意味で使っています。
「いつか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、未来の不定を表すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、過去の不定を表すことや時が経つのに気がつかないことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「いつか」は未来の不定を表すこと、例文4の「いつか」は過去の不定を表すこと、例文5の「いつか」は時が経つのに気がつかないことの意味で使っています。
「そのうち」と「いつか」はどちらも先のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、近い将来のことを表現したい時は「そのうち」を、いつになるか分からない遠い将来のことを表現したい時は「いつか」を使うと覚えておきましょう。