【辛い(からい)】と【辛い(つらい)】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違い

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の意味の違い

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いを分かりやすく言うと、「辛い(からい)」とはトウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であること、「辛い(つらい)」とは精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいことという違いです。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の使い方の違い

一つ目の「辛い(からい)」を使った分かりやすい例としては、「私たちの先生は点が辛い(からい)です」「韓国料理は辛い(からい)ものが多いけど美味しいです」「彼は怠けている人には辛い(からい)対応をします」「このカレーライスは辛い(からい)」などがあります。

二つ目の「辛い(つらい)」を使った分かりやすい例としては、「私の人生は辛い(つらい)ことばかりでした」「長年付き合った彼女と別れるのは辛い(つらい)です」「どんなに辛い(つらい)時でも彼は愚痴をこぼしませんでした」「そのことは思い出すだけでも辛い(つらい)です」などがあります。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の使い分け方

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」はどちらも同じ漢字を使う言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意が必要です。

「辛い(からい)」はトウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であること、塩気が多いこと、甘みが少なくさっぱりとしていて引き締まっていること、評価の基準などが厳しいことの意味で使う言葉です。

一方、「辛い(つらい)」は精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいこと、他人に対して冷酷であること、困難であることの意味で使う言葉というのが違いになります。

また、公用文で「辛い」を書く場合は「辛い(からい)」と読むのが一般的になっています。なぜなら、常用漢字表で「辛い」は「辛い(からい)」と読むと記載されているからです。そのため、新聞や公用文などでは、「辛い(つらい)」はひらがなで書くようにしましょう。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の英語表記の違い

「辛い(からい)」を英語にすると「hot」「spicy」「peppery」「salty」となり、例えば上記の「このカレーライスは辛い(からい)」を英語にすると「This curry and rice is too hot」となります。

一方、「辛い(つらい)」を英語にすると「painful」「hard」「exhausting」となり、例えば上記の「そのことは思い出すだけでも辛い(つらい)です」を英語にすると「It pains me even to think of it」となります。

「辛い(からい)」の意味

「辛い(からい)」とは

「辛い(からい)」とは、トウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であることを意味しています。その他にも、塩気が多いこと、甘みが少なくさっぱりとしていて引き締まっていること、評価の基準などが厳しいことの意味も持っています。

「辛い(からい)」の使い方

「インド風の辛い(からい)料理を食べました」「辛い(からい)煮つけは美味しいです」などの文中で使われている「辛い(からい)」は、「トウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であることや塩気が多いこと」の意味で使われています。

一方、「ワインは辛い(からい)方が好みです」「あの先生の採点は辛い(からい)」などの文中で使われている「辛い(からい)」は、「甘みが少なくさっぱりとしていて引き締まっていることや評価の基準などが厳しいこと」の意味で使われています。

「辛い(からい)」は複数の意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。

「辛い(からい)」は公用文で使える

「辛い(からい)」は日常生活やビジネスシーンなどの様々な場面で使うことができる言葉です。また、「辛い(からい)」は常用漢字表にある読み方なので、公用文でも使うことができます。

「辛い(からい)」は基本的に味に対して使う言葉ですが、「採点が辛い(からい)」のように厳しい評価に対しても使うことができると覚えておきましょう。

「辛い(からい)」の対義語

「辛い(からい)」の対義語・反対語としては、砂糖や蜜のような味であることを意味する「甘い」があります。

「辛い(からい)」の類語

「辛い(からい)」の類語・類義語としては、知覚や感覚に強く影響を及ぼすことを意味する「刺激的」、厳格で少しのゆるみも許さないことを意味する「厳しい」などがあります。

「辛い(つらい)」の意味

「辛い(つらい)」とは

「辛い(つらい)」とは、精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいことを意味しています。その他にも、他人に対して冷酷であること、困難であることの意味も持っています。

「辛い(つらい)」の使い方

「練習が辛い(つらい)ので辞めたくなってしまいました」「いじめられて辛い(つらい)目に遭いました」などの文中で使われている「辛い(つらい)」は、「精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいこと」の意味で使われています。

一方、「彼はいつも辛い(つらい)当たり方をしてきます」「その話をされるととても辛い(つらい)です」などの文中で使われている「辛い(つらい)」は、「他人に対して冷酷であることや困難であること」の意味で使われています。

「辛い(つらい)」は精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいこと、他人に対して冷酷であること、困難であることの複数の意味を持つ形容詞です。

「辛い(つらい)」は苦しかったり困難である場合に使う言葉なので、基本的にマイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「辛い(つらい)」は公用文で使えない

「辛い(つらい)」を使う上で注意しなければならないのは、公用文では使えないという点です。なぜなら、「辛い(つらい)」という読み方がが常用漢字表に載っていないからです。

「辛い(つらい)」の類語

「辛い(つらい)」の類語・類義語としては、痛みや圧迫感で肉体的にがまんができないことを意味する「苦しい」、悲しさや恋しさで胸がしめつけられるようであることを意味する「切ない」などがあります。

「辛い(からい)」の例文

1.このラーメンはとても辛い(からい)ので、食べるのにとても時間がかかりました。
2.辛い(からい)ものが大好きですが、食べ過ぎるとお腹が痛くなるので困っています。
3.この味噌汁は少し辛い(からい)から、もう少し塩を足したほうがいいと思うよ。
4.この醤油は辛い(からい)味わいがあるので、刺身の旨みを引き立てています。
5.このコンテストの審査はとても辛い(からい)ので、合格者が出ることは滅多にありません。

この言葉がよく使われる場面としては、トウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であることを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、塩気が多いこと、甘みが少なくさっぱりとしていて引き締まっていること、評価の基準などが厳しいことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2はトウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であること、例文3は塩気が多いこと、例文4は甘みが少なくさっぱりとしていて引き締まっていること評価の基準などが厳しいことの意味で使っています。

「辛い(つらい)」の例文

1.仕事のストレスが溜まっていて、辛い(つらい)日々が続いています。
2.交通事故で足を怪我してしまい、肉体的に辛い(つらい)状態が続いています。
3.彼女との別れは辛い(つらい)が、お互いのことを考えると仕方がないことだと思っています。
4.あの上司は失敗した社員に対して辛い(つらい)言葉を浴びせることが多いので、みんなから嫌われています。
5.このまま一人暮らしするには経済的に厳しくて、今はとても辛い(つらい)状況です。

この言葉がよく使われる場面としては、精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、他人に対して冷酷であること、困難であることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいこと、例文4は他人に対して冷酷であること、例文5は困難であることの意味で使っています。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」は似た言葉ですが意味は全く異なっています。

どちらの言葉を使うか迷った場合、トウガラシやワサビなどのように舌やのどを強く刺激するような味であることを表現したい時は「辛い(からい)」を、精神的にも肉体的にも我慢できないくらい苦しいことを表現したい時は「辛い(つらい)」を使うと覚えておきましょう。

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