【用例】と【用法】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「用例」(読み方:ようれい)と「用法」(読み方:ようほう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「用例」と「用法」という言葉は、言語の使い方を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




用例と用法の違い

用例と用法の意味の違い

用例と用法の違いを分かりやすく言うと、用例は応用された使用例を表現する時に使い、用法は基礎的な使用方法を表現する時に使うという違いです。

用例と用法の使い方の違い

一つ目の用例を使った分かりやすい例としては、「簡単な用例を示して説明する」「手引に書かれていた用例と一般的な使われ方が大きく異なっている」「一つ用例が記載されているより三つある方がより理解が深まる」などがあります。

二つ目の用法を使った分かりやすい例としては、「新しく覚えた現代英語の用法を復習する」「英単語には様々な用法があるものも多く、なかなか覚えられない」「処方された薬の用法用量を確認する」などがあります。

用例と用法の使い分け方

用例と用法のどちらも、言語の使い方を意味する言葉ですが、若干示すものが異なります。

用例は、例という漢字が同じような事柄や参照するべき事柄を意味することから、使い方の例を表す言葉として使われますが、実際に使用してある例を指す場合にも使われます。

一方の用法は、使用方法のみを表す言葉で、言語だけではなく薬品に対しても使われることが多く、機械製品など代替が利くものに関しては「使用法」「使い方」という表現が使われています。

つまり、用例は使用例を表し、用法は使用法を表す言葉として使われます。そのため、前者は応用された使い方も含みますが、後者は基礎的な使い方を表現するという違いがあります。

用例と用法の英語表記の違い

用例を英語にすると「example」となり、例えば上記の「簡単な用例」を英語にすると「simple usage example」となります。

一方、用法を英語にすると「use」「usage」となり、例えば上記の「現代英語の用法」を英語にすると「modern English usage」となります。

用例の意味

用例とは

用例とは、実際に使用されている例を意味しています。

用例の使い方

用例を使った分かりやすい例としては、「用例カードには出典も明記されている」「様々な解釈こそあれど用例を見れば何となく正しいとされている考えが見えるだろう」「実体験に基づいて用例をしたためる」などがあります。

一方、「その辞書には用例がいくつか記載されている」「具体的な用例を示して貰えたから理解できた」「助詞の用例を覚えたところで使いこなせなければ意味がない」などの文中で使われている用例は、「使い方の例」の意味で使われています。

用例は、例という漢字が同じような事柄や参照するべき事柄を意味することから、実際に使用してある例を表す言葉として使われますが、使い方の例を指す場合にも使われます。

「用例カード」の意味

上記例文の「用例カード」とは、選んだ言葉が新聞や書籍などで実際にどう使われているのかを書き留めたり、切り抜きを集めて記録した紙片を指し、「用例採取カード」とも呼ばれます。

このように言語に関して使われることがほとんどで、その他のものに対しては「使用例」「実用例」「運用例」などの言葉が使われています。

用例の類語

用例の類語・類義語としては、実際にあった事例を意味する「実例」、例をあげて証明することを意味する「例証」、具体的な実例を意味する「事例」、これまでにあった同類の例を意味する「先例」などがあります。

用法の意味

用法とは

用法とは、使用方法を意味しています。

用法の使い方

用法を使った分かりやすい例としては、「用法用量を守らなければ悪い影響が出る」「用法に関する書類を処方箋の中に入れてもらった」「様々な用法を持つようになった言葉は専門的な意味と一般的な意味の間で差がある」などがあります。

その他にも、「その言葉が実際の用法とは異なっており気になってしまう」「英語における不定詞の三つの用法を覚えなければいけない」「一日数回服用する用法の薬が手元に多い」「期限内に正しい用法で使えない場合には廃棄する他ない」などがあります。

用法は、使用方法を表す言葉ですが、具体的には医薬品や言語の使い方に対して多く使われています。これら以外のものに対しては「使用法」という言葉が使われることが多く、さらに効果的に使う方法と意味を限定する場合には「活用法」が使われます。

「用法用量」の意味

上記例文の「用法用量」とは、病院や薬局で使う処方箋に記載されている医薬品の使用方法や使用量を指す言葉です。「用法・用量」という表記である場合もあります。

用法は、上記のように医薬品の使用法と言語の使用法以外の代替が利くものに使うことはあまりなく、「テレビの用法」「スマートフォンの用法」などの表現はしません。この場合には、「使用法」「使用方法」「使い方」などを使います。

用法の類語

用法の類語・類義語としては、あることを実現させるために取る方法を意味する「手段」、物事をする方法を意味する「仕方」、実際の効用を意味する「実利」、物や金銭などの使い道を意味する「用途」などがあります。

用例の例文

1.国語辞典を作るには用例採集をする必要があり、その中で集めた言葉は多くの人が使用しているか否か、長く使われるか否かなどで掲載が決まるらしい。
2.単語の意味を知るだけでなく、用例集を見てどのようにその言葉が使われているのかを見ることでより理解が深まることだろう。
3.用例に基づいて翻訳された文章には非常に面白いものもあり、どうしてそのような訳がついたのかとSNSで話題になることもある。
4.ユーザーが単語や用例を登録して使いやすくなるのはもちろん、その情報を提供することで今後の自分も楽になるだろう。
5.諸外国語を学習する際に単語と用例を一緒に紹介してくれる教本に出会えただけで、自分で例文を作りやすくなった気がする。
6.役所の広報誌を編集する部署に配属されたが、語彙力にまったく自信がないのでとりあえず漢字検定の問題集と用語用例辞典を買った。
7.外国語を学ぶ時は特に、言葉の意味を知っているだけでは片手落ちで、実際の使い方を知っていることが大切なので、用例が多く載っている辞書の方が役に立つ。
8.外国人の英語教師が、日本の英和辞典に書かれている用例は表現が古いものもあり、実際に使う人が少ないと言いました。
9.この用例集は同じ意味で別の表現ができるものを集めたユニークな辞書であり、何か文章を書く時にはとても重宝している。
10.その単語は辞書に書いてある用例だけでは不十分なので、インターネット上に書かれたものを参考にしてみるのもいいと思いました。

この言葉がよく使われる場面としては、実際に使用されている例などが挙げられます。

例文1の「用例採集」とは、雑誌や新聞などで特定の言葉が実際にどう使われているのかを書き留めたり、切り抜きを集めて記録することを表す言葉です。

用法の例文

1.過去に用法が生まれ今でも使われている言葉は意味が徐々に変わっているものもあり、過去の文献を読むと今と使い方が異なる言葉に出会うだろう。
2.日本では緑色を青の一部とする用法が信号機の青信号などに見られ、その他にも多く残っているとされている。
3.中学英語ではまず不定詞の3用法の学習でつまづく可能性があるため、ゆっくり一つずつ理解できるよう説明をする必要がある。
4.自分が日本人であっても文法のすべて、言葉の意味や用法などを知っているわけではないので、活字を読むことで知識として取り込む努力を惜しまない。
5.「that」という英単語には単なる代名詞だけではなく、接続詞や同格などの用法があり、英語を学ぶ学生の混乱を招くことも少なくない。
6.娘は英語の不定詞で、用法がいくつもあって難しいとつまづいてしまった。でも重要構文なのでちゃんと理解したいとたくさん例題を解いて努力している。
7.輸入された化粧品などでは、たまに成分や用法など一部日本語表記がないものがあり、かなり自己流の使い方になっている。
8.父親は老眼で説明文を読まないために薬の用法用量がいい加減なので、何らかの悪影響が出ないかとても心配している。
9.ジェネリック医薬品とは特許が切れた医薬品のことで、有効成分はそのままに、用法・用量もオリジナルのものと変わらない。
10.薬剤師さんから薬の用法に関する説明を聞いたはずなのだが、いざ薬を飲む段になるとすっかり忘れてしまっているものだ。

この言葉がよく使われる場面としては、使用方法などが挙げられます。

上記例文のように言語の使い方に対して使われることが多く、これ以外では薬の服用方法を表す言葉として使われています。

そのため、機械やその他便利グッズなどの使い方などを表す場合には、用法ではなく「使い方」や「使用法」などの使い方をします。

用例と用法は、どちらも「言語の使い方」を表します。どちらを使うか迷った場合は、応用された使用例を表す場合は「用例」を、基礎的な使用方法を表す場合は「用法」を使うと覚えておけば間違いありません。

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