似た意味を持つ「手取り」(読み方:てどり)と「額面」(読み方:がくめん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「手取り」と「額面」という言葉は、どちらも給与に関することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「手取り」と「額面」の違い
「手取り」と「額面」の意味の違い
「手取り」と「額面」の違いを分かりやすく言うと、「手取り」は実際に手元に残るお金を表すこと、「額面」は引かれる前の合計金額を表すことという違いです。
「手取り」と「額面」の使い方の違い
一つ目の「手取り」を使った分かりやすい例としては、「手取りが思ったより少なくて今月は外食を控えることにした」「昇給しても手取りがほとんど変わらないのがつらいです」「毎月の手取りが少なくて貯金ができない」などがあります。
二つ目の「額面」を使った分かりやすい例としては、「転職先の額面が希望額に届いていて安心しました」「額面が高くても税金で引かれると痛いです」「額面を多く見せるために手当を増やす会社もあるらしい」「額面では30万円でも手取りはもっと少なくなります」などがあります。
「手取り」と「額面」の使い分け方
「手取り」と「額面」はどちらも給与に関することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「手取り」は「今月の手取りは思っていたより少なかった」のように、税金や社会保険料などを差し引いた後に実際に受け取れる金額を指す言葉になります。
一方、「額面」は「この会社の初任給は額面で25万円です」のように、税金や保険料が引かれる前の基本給や総支給額を指す言葉です。
つまり、実際に手元に残るお金を表すのが「手取り」、引かれる前の合計金額を表すのが「額面」と覚えておきましょう。
「手取り」と「額面」の英語表記の違い
「手取り」を英語にすると「take-home pay」「net income」となり、例えば上記の「毎月の手取りが少なくて貯金ができない」を英語にすると「My take-home pay is so low that I can’t save any money every month」となります。
一方、「額面」を英語にすると「gross income」「gross salary」となり、例えば上記の「額面では30万円でも手取りはもっと少なくなります」を英語にすると「Even if the gross salary is 300,000 yen, the take-home pay is much lower」となります。
「手取り」の意味
「手取り」とは
「手取り」とは、給与などから税金その他を差し引いた正味の受取金のことを意味しています。
「手取り」の使い方
「手取り」を使った分かりやすい例としては、「アルバイトの手取りが少なくて貯金がなかなかできない」「手取りで考えると月給だけでは将来が少し不安です」「手取りを増やすには残業をするしかない現状がつらい」「ボーナスも手取りで考えたら思ったより少なかった」などがあります。
「手取り」は給与や報酬として振り込まれる最終的に自分の手元に残る金額を表す言葉です。簡単に言うならば、会社から支払われる額面の給与から税金や保険料などの各種控除を引いた後、実際に受け取ることができるお金のことを指しています。
「手取り」の仕組み
「手取り」がどういう仕組みか解説すると、月給が30万円でも税金や社会保険料などが引かれ、実際に手元に残る金額が25万円前後になるといったケースです。また、ボーナスも額面で見ると大きく見えますが、実際の手取り額は控除後の金額となるため、思ったより少なく感じることもあります。
「手取り」を簡単に計算することは難しいですが、一般的には「額面」のおよそ75~85%といわれています。
「手取り」を増やすためには、控除額を見直したり副業をしたり、節税の方法を考えることが大切です。
「手取り」の類語
「手取り」の類語・類義語としては、振込額を意味する「実収入」などがあります。
「額面」の意味
「額面」とは
「額面」とは、額面金額の略のことを意味しています。
「額面」の使い方
「額面」を使った分かりやすい例としては、「額面で見ると高給だけ、手取りはそこまで多くないです」「新卒の額面は同じでも手取りには差が出るらしい」「額面通りにもらえるわけじゃないことを知って驚いた」「額面だけで比較すると転職先のほうが高いです」などがあります。
「額面」は給与や契約で示される、控除前の総支給金額を表す言葉です。簡単に言うならば、会社や雇用主から「この金額を支払います」と約束された、税金や社会保険料などが差し引かれる前の金額を指しています。
「額面」の特徴
「額面」は求人票や雇用契約書に書かれている月給30万円、年収400万円といった数字のことです。実際に振り込まれる手取り額と混同されがちですが、額面には必ず税金や保険料などの控除が含まれるため、全額が自分の口座に入るわけではありません。
「額面」は就職活動や転職活動の際に自分の年収を確認する時の目安として使われます。主な使い方としては、給与の交渉やローン申請の際に「額面年収」で書類に記載したり、企業側が提示する条件として掲示することが多いです。
「額面」の類語
「額面」の類語・類義語としては、総支給額を意味する「総額」などがあります。
「手取り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、給与などから税金その他を差し引いた正味の受取金のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「手取り」は給与に関することに対して使う言葉です。
「額面」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、額面金額の略のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「額面」は給与に関することに対して使う言葉です。
「手取り」と「額面」はどちら給与に関することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、実際に手元に残るお金を表すのが「手取り」、引かれる前の合計金額を表すのが「額面」と覚えておきましょう。