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【問題】と【課題】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「問題」(読み方:もんだい)と「課題」(読み方:かだい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「問題」と「課題」という言葉は、どちらも「解決すべき事柄」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




問題と課題の違い

問題と課題の意味の違い

問題と課題の違いを分かりやすく言うと、問題とは解決するべき事柄を表し、課題とは解決するためにやるべき事柄を表すという違いです。

問題と課題の使い方の違い

一つ目の問題を使った分かりやすい例としては、「嘘がバレるのは時間の問題だ」「問題点を洗い出す」「問題解決スキルの乏しいビジネスマンだ」「学校の問題児たちが家にやって来た」「全然問題ないです」「英語の問題が解けなかった」などがあります。

二つ目の課題を使った分かりやすい例としては、「山積している課題を整理する」「子どもの貧困の現状と課題をレポートします」「アドラー心理学の課題の分離はビジネスにも応用できます」「エクセルで課題管理表を作成する」などがあります。

問題と課題の使い分け方

問題と課題という言葉は、どちらも解決する必要のある事柄を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

問題とは、複数の意味を持つ言葉ですが、「問題点を洗い出す」のような使われ方で、解決しなければならない事柄の意味合いが強い言葉です。問題点とは、問題において対処しなければならないポイントのことです。

課題とは、課題とは解決するためにやるべき事を意味します。対処が必要な事柄に対して具体的に何をすべきか、何かやるか決めたことです。「課題管理表」とは、プロジェクトを達成するために解決すべき課題を具体的に書き出し、進捗状況を体系的に管理するツールのことです。

つまり、問題は解決する必要のある対象そのものを表しますが、課題は解決するために具体的なやるべき事柄を表します。この点が、二つの言葉の明確な違いになります。

問題と課題の英語表記の違い

問題を英語にすると「problem」「question」「matter」となり、例えば上記の「時間の問題」を英語にすると「a matter of time」となります。

一方、課題を英語にすると「problem」「subject」「task」となり、例えば上記の「課題を整理する」を英語にすると「sort tasks」となります。

問題の意味

問題とは

問題とは、解答を求める問い、試験などの問いを意味しています。

その他にも、「批判・論争・研究などの対象となる事柄、解決すべき事柄」「困った事柄、厄介な事件」「世間が関心をよせている話題」の意味も持っています。

表現方法は「問題を解く」「問題を解決する」「問題を抱える」

「問題を解く」「問題を解決する」「問題を抱える」などが、問題を使った一般的な言い回しです。

問題の使い方

「英語の問題集を買いに行く」「試しに入試問題を解いてみる」などの文中で使われている問題は「解答を求める問い」の意味で、「議論は新入社員の問題提起から始まった」「接客に問題のあるレストランだった」などの文中で使われている問題は「解決すべき事柄」の意味で使われています。

一方、「当方は問題ございません」「両日とも問題ありません」などの文中で使われている問題は「困った事柄」の意味で、「問題の選手は出場停止になりました」「賛否両論を引き起こした推理小説の問題作を読む」などの文中で使われている問題は「世間の話題」の意味で使われています。

問題とは、上記の例文にあるように複数の意味があり、それぞれの意味で使われているので文脈により捉える必要があります。問題という言葉の「問」は問いただすこと、「題」は解決を求められている事柄を表します。

問題という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで幅広い場面で用いられています。上記の「問題ございません」は、「問題ない」「問題ありません」の丁寧語で、改まった場面やビジネスの場でよく使われています。「問題ございません」は正しい敬語になるので、目上の人にも使える言葉です。

「問題提起」の意味

問題を用いた日本語には「問題提起」があります。「問題提起」とは、問題や課題を解決すべき事項として投げかけることや、議論を行うためのたたき台として疑問を投じることです。また、論述の冒頭などでも用いられる言葉です。

問題の対義語

問題の対義語・反対語としては、問題を解いて答えを出すことを意味する「解答」、問題を解くことを意味する「解題」、ある事柄や状況に合わせて適当な処置をとることを意味する「対処」などがあります。

問題の類語

問題の類語・類義語としては、審議しなければならない事柄を意味する「案件」、問題を作って出すことを意味する「設問」、問題になっている事柄を意味する「事案」、問題を出すことを意味する「出題」などがあります。

課題の意味

課題とは

課題とは、与える、または与えられる題目や主題を意味しています。

その他にも、「解決しなければならない問題、果たすべき仕事」の意味も持っています。

表現方法は「課題を克服する」「課題を解決する」「課題に取り組む」

「課題を克服する」「課題を解決する」「課題に取り組む」などが、課題を使った一般的な言い回しです。

課題の使い方

「土壌調査を課題研究テーマにする」「英語の課題を出します」「2022年度の課題図書は何だろう」「2022年の合唱コン課題曲は難易度が高い」「課題研究テーマが決まらない高校生は焦っていることでしょう」などの文中で使われている課題は、「与える、与えられる題目」の意味で使われています。

一方、「課題解決力はビジネスに必要なスキルです」「課題分析の結果をもとにケアプランを立てる」「課題整理総括表をダウンロードする」などの文中で使われている課題は、「解決しなければならない問題」の意味で使われています。

課題という言葉の「課」は、義務として割り当てることを表し、「題」は、解答を求める問いやテーマを表します。課題とは、特定の問題を与えることや与えられること、解決しなければならない問題の二つの意味を持つ言葉です。

「課題解決力」の意味

上記の例文にある「課題解決力」とは、課題を解決する能力のことであり、課題があった時に、その本質を見極めて、解決までのアクションプランを計画実行していける力のことを意味します。ビジネスをするうえで重要なスキルとされています。

「課題を課す」は二重表現ではない

注意点としては「課題を課す」という言い回しです。「課題を課す」は二重表現のように見えますが、「課題」は与えた特定の題や問題、「課す」は負担すべきものとして引き受けさせる、よって「課題を課す」は与えた特定の題や問題を負担すべきものとして引き受けさせるという意味なので、「課題を課す」は二重表現にはなりません。

課題の対義語

課題の対義語・反対語としては、問題のある事柄や困難な事件などを上手く処理することを意味する「解決」、物事にきまりがついて落ち着くことを意味する「落着」、物事のきまりがついて終わりになることを意味する「結着」などがあります。

課題の類語

課題の類語・類義語としては、課せられた仕事や職務を意味する「タスク」、責任をもって果たすべきつとめを意味する「任務」、与えられた重大な務めを意味する「使命」、教師が生徒に課する学習上の課題を意味する「宿題」などがあります。

問題の例文

1.お楽しみ会でみんなが盛り上がるような、なぞなぞのひっかけ問題を集めています。
2.頭の柔軟さが問われるクイズ問題はひらめきが大切なので、大人よりも子供の方が得意なものです。
3.お隣の息子さんは先取り学習をしていて、小学生なのに中学生の問題集に取り組んでいるらしい。
4.日本が抱える社会問題には、少子高齢化、インフラ老朽化、教育格差などがあります。
5.娘のクラスの問題児は、先生に対して暴言を吐いたり、クラスメイトに暴力をふるっていたりするようです。
6.初めて勤めた会社で、常に問題意識を持てと上司に言われ続けたおかげで、今は些末なことさえ問題視する重箱の隅を突く様な人間になってしまった。
7.著名人の問題発言が発端となり炎上するケースは少なくないが、それが売名行為や再生数を稼ぐためのものなのかは判断が難しい。
8.今度の社長は性差別や蔑視ともとれる問題発言が多く、しかも何が問題なのかわかっていないので、若手社員は呆れて表情をなくしている。
9.政府は少子化対策の問題を長年にわたり先送りしたことで、出生率の低下に歯止めがかからなくなった。
10.この集まりの意図は、環境問題に対して問題提起をし、一般市民を巻き込んで議論することにあります。

この言葉がよく使われる場面としては、解答や教えを要求する問い、批判や論争または研究の対象となる事柄、面倒な事柄、世間で注目を集めている事柄を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「社会問題」とは、社会生活に支障をきたすような、社会の欠陥や矛盾から生じる各種の問題のことです。例文5の「問題児」とは、教育上の配慮を必要とし、特に性格や行動の面で問題をもつ児童を表す言葉です。

課題の例文

1.限りある時間をどのように充実させるか、時間の使い方は人生を通した課題だと思います。
2.データ分析に入る前の段階で大切なことは、仮説を立てることと具体的な課題定義です。
3.情報セキュリティ対策の課題について、中小企業を対象としたセミナーが開催されました。
4.社会問題の解消につながるソーシャルビジネスの課題とは何か、大学のゼミで議論しました。
5.留学先で役立つ英語での論文やレポート課題の書き方について、私の体験談を交えながらお話します。
6.課題の提出が間に合わず単位がもらえないというのはよくある話だが、提出したにも関わらず教授に忘れ去られ単位がもらえなったのは私くらいではないだろうか。
7.改善した方がいい点を自由に書いて提出してくれと言われたが思い浮かばず、私は課題を与えられてそれについて考察する方が向いていると感じた。
8.読書感想文コンクールの応募することになったが、課題図書がどれも気に入らなかったのであまり乗り気ではなかった。
9.業務上の課題を解決するために様々なフレームワークに当てはめて考えてみたが、いまいちいいアイデアは浮かばなかった。
10.先代から引き継いだ会社を立て直すと言っても課題は山積で、どれから手をつければいいのかといった感じである。

この言葉がよく使われる場面としては、特定のテーマや問題を与えること、解決すべき事柄を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある課題は、特定のテーマや問題を与えることの意味で用いられています。一方、例文5の課題は、解決すべき事柄の意味で用いられています。

問題と課題という言葉は、どちらも「解決すべき事柄」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、解決するべき事柄を表現したい時は「問題」を、解決するためにやるべき事を表現したい時は「課題」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
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