似た意味を持つ「茶化す」(読み方:ちゃかす)と「からかう」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「茶化す」と「からかう」という言葉は、どちらも相手を怒らせたり困らせたりするようなことを言って面白がることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「茶化す」と「からかう」の違い
「茶化す」と「からかう」の意味の違い
「茶化す」と「からかう」の違いを分かりやすく言うと、「茶化す」は人にしか使えない、「からかう」は人以外でも使えるという違いです。
「茶化す」と「からかう」の使い方の違い
一つ目の「茶化す」を使った分かりやすい例としては、「茶化さないで先生の話を真面目に聞きなさい」「結婚式のスピーチを茶化すの恥ずべき行為だと思います」「私はすぐ茶化す男性が苦手です」「人が真面目に話してるのに茶化さないで」などがあります。
二つ目の「からかう」を使った分かりやすい例としては、「男性が女性をからかうのは好きの裏返しだとも言われている」「大人をからかうなんて生意気な子供だ」「彼女がのろいからといってからかってはいけません」などがあります。
「茶化す」と「からかう」の使い分け方
「茶化す」と「からかう」はどちらも相手を怒らせたり困らせたりするようなことを言って面白がることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「茶化す」は「友達を茶化す」「彼女を茶化す」などのように、人に対してしか使うことができません。一方「からかう」は、「友達をからかう」「飼い犬をからかう」などのように、動物などの人以外に対しても使うことができます。
つまり、「茶化す」は人にしか使えないのに対して、「からかう」は人に以外に対しても使えるというのが違いになります。
また、「茶化す」は言葉による行為であるのに対して、「からかう」は言葉だけでなく態度による行為でも示されるというのも、違いの一つです。
「茶化す」と「からかう」の英語表記の違い
「茶化す」を英語にすると「make fun of」「poke fun at」となり、例えば上記の「人が真面目に話してるのに茶化さないで」を英語にすると「There’s nothing to make fun of in what I’m saying」となります。
一方、「からかう」を英語にすると「make fun of」「banter」「tease」「kid」「chaff」となり、例えば上記の「彼女がのろいからといってからかってはいけません」を英語にすると「You must not make fun of her just because she is slow」となります。
「茶化す」の意味
「茶化す」とは
「茶化す」とは、真面目な話を冗談めかしてしまうことを意味しています。
「茶化す」はひらがなで「ちゃかす」と表記しても問題ありません。
「茶化す」の使い方
「茶化す」を使った分かりやすい例としては、「大事な話をしているのに茶化すのは失礼だろう」「上司の話を茶化したら叱られてしまいました」「茶化されることが多いので、自分の生い立ちはあまり語らない」などがあります。
「茶化す」は真面目な話を冗談めかしてしまうことを意味する動詞です。また、「茶化す」は方言のように聞こえますが、辞書にも載っている共通語になります。そのため、日常生活やビジネスシーンにおいて使うことが可能です。
「茶化す」の特徴は人に対してのみ使えるという点になります。したがって、動物などには使えないと覚えておきましょう。また、真面目な状況で相手を怒らせたり困らせたりするようなことを言って面白がる言葉なので、基本的にマイナスなイメージで使います。
「茶化す」の語源
「茶化す」の語源はお茶です。かつてお茶は高級品で、大切な人をもてなす時に出していました。つまり、お茶を出された人は大切に扱われていると思い安心できたのです。
それを逆手にとって、大切でなくてもとりあえずお茶を出しておけばごまかせるだろうと考える人が増え始めました。このごまかす行為が転じて、真面目な話を冗談めかしてしまうことを「茶化す」と言うようになりました。
また、「茶化す」は当て字になります。
「茶化す」の類語
「茶化す」の類語・類義語としては、相手が困ったり恥ずかしがったりするような言葉をかけてからかうことを意味する「冷やかす」、ふざけた態度で不真面目に応対することを意味する「おちゃらかす」などがあります。
「からかう」の意味
「からかう」とは
「からかう」とは、相手が困ったり怒ったりするようなことをして面白がることを意味しています。
「からかう」の漢字表記
「からかう」を漢字にすると、「揶揄う」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「からかう」を使うようにしましょう。
「からかう」の使い方
「からかう」を使った分かりやすい例としては、「他人をからかうのはほどほどにしなさい」「彼女が太っているからといってからかうのは良くないです」「からかい半分で言っただけだから許してくれ」「息子をからかっていたら妻に叱られた」などがあります。
「からかう」は相手が困ったり怒ったりするようなことをして面白がることを意味する動詞です。してがって、マイナスなイメージで使う言葉になります。
「からかう」の特徴は「友人をからかう」「妻をからかう」などのように人だけではなく、「子犬をからかう」「子猫をからかう」などのように、動物などに対しても使えるという点です。また、言葉だけではなく、態度や行為でも示すことができます。
「からかう」の語源
「からかう」の語源は古語の「からかふ」です。「からかふ」は負けまいと張り合うことや争うことを意味しています。この「からかふ」が転じて、「からかう」になったのですが、なぜ意味が変化したのかは正確な理由は判明していません。
「からかう」の類語
「からかう」の類語・類義語としては、冷やかすことを意味する「おひゃらかす」、人を馬鹿にすることを意味する「おちょくる」、人を馬鹿にして笑うことを意味する「嘲笑う」、からかって馬鹿にすることを意味する「嬲る」などがあります。
「茶化す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、真面目な話を冗談めかしてしまうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「茶化す」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「からかう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手が困ったり怒ったりするようなことをして面白がることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「からかう」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「茶化す」と「からかう」はどちらも相手を怒らせたり困らせたりするようなことを言って面白がることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人にしか使えないのが「茶化す」、人以外にも使えるのが「からかう」と覚えておきましょう。