似た意味を持つ「余すことなく」(読み方:あますことなく)と「余すところなく」(読み方:あますところなく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「余すことなく」と「余すところなく」という言葉は、どちらも残らず全てのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「余すことなく」と「余すところなく」の違い
「余すことなく」と「余すところなく」の意味の違い
「余すことなく」と「余すところなく」の違いを分かりやすく言うと、「余すことなく」は辞書に載っていない表現、「余すところなく」は辞書に載っている表現という違いです。
「余すことなく」と「余すところなく」の使い方の違い
一つ目の「余すことなく」を使った分かりやすい例としては、「この研究を成功させるには余すことなく取り組む必要があるだろう」「今回は余すことなく成果を出すことができました」「今日の試合は余すことなく力を発揮することができました」などがあります。
二つ目の「余すところなく」を使った分かりやすい例としては、「練習の成果を余すところなく発揮することができました」「今回の旅行は余すところなく楽しむことができました」「余すところなくみんなで分けてほしいです」などがあります。
「余すことなく」と「余すところなく」の使い分け方
「余すことなく」と「余すところなく」はどちらも残らず全てのことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「余すことなく」は辞書に載っていない表現なのに対して、「余すところなく」は辞書に載っている表現というのが違いです。
では「余すことなく」が間違った表現なわけではなく、「余す」に否定形の「ない」が合わさった言葉なので、辞書に載っていないだけの言葉になります。そのため、「余すところなく」と同じで使用しても問題ないと覚えておきましょう。
「余すことなく」と「余すところなく」の英語表記の違い
「余すことなく」も「余すところなく」も英語にすると「fully」「exhaustively」となり、例えば上記の「余すところなくみんなで分けてほしいです」を英語にすると「I want everyone to share it fully」となります。
「余すことなく」の意味
「余すことなく」とは
「余すことなく」とは、残らず全てのことを意味しています。
表現方法は「余すことなく味わう」「余すことなく楽しむ」「余すことなく伝える」
「余すことなく味わう」「余すことなく楽しむ」「余すことなく伝える」などが、「余すことなく」を使った一般的な言い回しになります。
「余すことなく」の使い方
「余すことなく」を使った分かりやすい例としては、「全身を余すことなく使ったバッティングホームは美しいです」「彼のスポーツ哲学を余すことなく語ってもらいました」「食材を余すことなく使用した料理を紹介します」などがあります。
「余すことなく」は限度に達するまでの余地を残すことを意味する「余す」に、何事もないことを意味する「ことなく」が合わさり、残らず全てのことを意味する言葉です。
「余すことなく」は何かをする際に手を抜かずに最後までやり遂げるというプラスのイメージでよく使われています。また、ビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、「余すことなく」自体は敬語表現ではないので、前後に敬語表現を使用するようにしましょう。
「余すことなく」は辞書に載っていない言葉
「余すことなく」は辞書に載っていない言葉なので間違った言葉であると主張する人もいますが、間違った言葉ではなくただ単純に載っていない否定の表現になります。
例えば、「できる」という言葉は辞書に載っているのに対して「できない」という言葉は辞書に載っていません。また、「辛い」という言葉は辞書に載っているに対して「辛くない」は辞書に載っていません。これらの言葉と同じとイメージしていれば問題ないでしょう。
「余すことなく」の類語
「余すことなく」の類語・類義語としては、全てのことを意味する「残らず」、残したり隠したりせず全てを出すことを意味する「洗いざらい」、隅から隅までのことを意味する「くまなく」、余さず全てすることを意味する「根こそぎ」などがあります。
「余すところなく」の意味
「余すところなく」とは
「余すところなく」とは、残らず全てのことを意味しています。
表現方法は「余すところなく食べる」「余すところなく楽しむ」
「余すところなく食べる」「余すところなく楽しむ」などが、「余すところなく」を使った一般的な言い回しになります。
「余すところなく」の使い方
「余すところなく」を使った分かりやすい例としては、「彼に余すところなく話してもらうことにしました」「日本代表の試合は余すところなく放送いたします」「この分野だけは余すところなく学びました」「余すところなく使いきるのを心がけています」などがあります。
「余すところなく」は残らず全てのことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「余すところなく」の特徴
「余すところなく」は手を抜かず全力で取り組むというプラスのイメージで使われている言葉です。また、ビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、「余すところなく」自体は敬語表現ではないので、前後に敬語表現を使用するようにしましょう。
「余すところなく」はビジネスシーンだけではなく、日常生活やスポーツシーンなどの様々な場面において使うことができる言葉です。
「余すところなく」の類語
「余すところなく」の類語・類義語としては、問題にしているもの全部のことを意味する「ことごとく」、残るもののないことを意味する「すっかり」、行き渡らないところがないことを意味する「満遍なく」などがあります。
「余すことなく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、残らず全てのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「余すことなく」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「余すところなく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、残らず全てのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「余すところなく」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「余すことなく」と「余すところなく」はどちらもを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、辞書に載っていない表現なのが「余すことなく」、辞書に載っている表現なのが「余すところなく」と覚えておきましょう。