【食物】と【食品】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「食物」(読み方:しょくもつ)と「食品」(読み方:しょくひん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「食物」と「食品」という言葉は、どちらも「食べ物」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




食物と食品の違い

食物と食品の意味の違い

食物と食品の違いを分かりやすく言うと、食物とは人間の食べ物だけでなく動物の食べ物も表し、食品とは人間の食べ物のみを表すという違いです。

食物と食品の使い方の違い

一つ目の食物を使った分かりやすい例としては、「食物連鎖は生物間の捕食者と被食者の関係示しています」「飼い猫に食物繊維が豊富なキャットフードを与える」「野生動物は食物不足の危機にさらされている」などがあります。

二つ目の食品を使った分かりやすい例としては、「日本は食品ロスの削減対策に注力すべきです」「食品成分表から食材を選んで栄養を計算する」「食品表示法に基づいてアレルギー物質を表示する」「食品衛生管理者は食品衛生の管理を担う国家資格です」などがあります。

食物と食品の使い分け方

食物と食品という言葉は、どちらも生物が栄養を摂り入れるために食べる物を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

食物とは、食べ物のことであり、生物が食べてからだの栄養とするものを意味します。人間だけでなく動物が口にするものも表します。そのため、「野生動物は食物不足の危機にさらされている」と表現することができますが、「野生動物は食品不足の危機にさらされている」とは言いません。

食品とは、人が食べるものの総称であり、栄養分を含み食用に供されるものを意味します。基本的には人間が口にするものを指し、人間以外の生物が食べるものを表すことはありません。食品は、缶詰やお菓子などの加工食品や、野菜や肉などの生鮮食品に分類することができます。

つまり、食物とは人間や人間以外の生物が口にするものにも使われる言葉ですが、食品とは人間が口にするもののみに使用される言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

食物と食品の英語表記の違い

食物も食品も英語にすると「food」「foodstuffs」「diet」となり、例えば上記の「食物連鎖」を英語にすると「food chain」となります。

食物の意味

食物とは

食物とは、食べ物、生物が食べてからだの栄養とするものを意味しています。

食物の読み方

食物の読み方は「しょくもつ」の他に「くいもの」「しょくぶつ」とも読みますが、一般的には「しょくもつ」と読まれています。

食物の使い方

食物を使った分かりやすい例としては、「食物繊維の多い食べ物には何がありますか」「姉は大学で食物栄養学を専攻しています」「食物アレルギーの症状がおさまる時間は人それぞれです」「パンダは食物とすみかの両方を竹林に頼っています」などがあります。

その他にも、「食物繊維は野菜や果物などに多く含まれています」「食物アレルギー対応マニュアルを確認してください」「食物繊維はサプリメントで摂取しています」「1日あたりの食物繊維の摂取量の目安をご存知でしょうか」などがあります。

食物とは、文字通り「食べ物」のことであり、人や動物が生きるために食べる物を意味します。食品、食料、食糧などとほぼ同意語ですが、調理または加工してすぐ口に入れられるようにしたものをいう場合が多い言葉です。

表現方法は「食物繊維」

食物を用いた日本語には「食物繊維」があります。食物繊維とは、食物中に含まれる消化されない繊維のことです。水溶性のものと不溶性のものがあり、ペクチンに代表される水溶性食物繊維は、海藻やコンニャクなどに含まれます。セルロースなどの不溶性食物繊維は、野菜や芋に含まれています。

食物の類語

食物の類語・類義語としては、食用にする物や食べ物を意味する「食料」、料理の材料を意味する「食材」、食用とするかてを意味する「食糧」、食料とする品物を意味する「食料品」などがあります。

食品の意味

食品とは

食品とは、人が食用にする品物の総称、直接料理の材料としたり、そのまま食べたりすることができる食用の品、飲食品を意味しています。

食品の使い方

食品を使った分かりやすい例としては、「冷凍食品の値上げが気になります」「食品サンプル作りを体験しました」「食品ロスの原因の一つに食べ残しがあります」「食品表示基準に関するガイドラインを確認する」などがあります。

その他にも、「食品衛生責任者の資格を取得しました」「世界最大級の食品展示会に参加する予定です」「来年度に食品衛生法が改正される予定です」「食品添加物の危険性をランキング形式で紹介します」などがあります。

食品とは、人が食用にする品物を意味し、一般的には「有害物を含まず、栄養素を1種類以上含んでいる天然物あるいは人工的に加工したもので、食用に供されるもの」と定義されるものです。食品は、その材料となるものの種類や形態などによって分類することができます。

表現方法は「食品衛生管理者」

食品を用いた日本語には、「食品衛生管理者」があります。食品衛生管理者とは、食品衛生法において、食品や添加物の製造加工に携わる施設で衛生管理を担う上で必要とされる国家資格です。食品衛生管理者は食品衛生責任者の役目を果たすことができます。

食品の類語

食品の類語・類義語としては、栄養をとるために習慣的に毎日何度か物を食べることを意味する「食事」、備蓄や携行した食糧を意味する「糧食」、食べる物や食物を意味する「食い物」、他人を敬って飲食物を意味する「召し上り物」などがあります。

食物の例文

1.野生のコフラミンゴは、高タンパク質の食物を多く摂取しています。
2.外国人観光客向けに、メニュー表にある食物アレルギーの表示を英語で併記しています。
3.北京旅行に行く前に、食物アレルギーがあることを中国語で伝えられるようにしました。
4.食物連鎖において、植物は生産者として多くの命を支えています。
5.便秘が気になるのであれば、食物繊維が多い食品を食事に取り入れるようにしてください。

この言葉がよく使われる場面としては、食欲を満たし、生命を維持するために口から摂取するものを表現したい時などが挙げられます。

例文2や例文3にある「食物アレルギー」とは、食物を摂取して発症するアレルギーを意味します。食品アレルギーや食事性アレルギーとも言い、特定の食物を摂取することにより、アレルギー反応が生じ、皮膚や消化器、呼吸器などに病的反応を起こすものです。

食品の例文

1.食品ロス対策として、我が家では食べられる分だけ購入するようにしています。
2.体への影響を考えると、食品添加物が入った加工品はできる食べない方がいいだろう。
3.食品とは飲料品も含まれるという考えに納得がいかない人もいるようです。
4.食品衛生法における食品とは、医薬品等に該当しない飲食物のことです。
5.加工食品の種類を一覧にしてみると、我々は実にさまざまな飲食物を摂取していることがわかります。

この言葉がよく使われる場面としては、人が日常摂取する飲食物の総称を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「食品ロス」とは、まだ食べられるのに廃棄される食品を意味します。食品ロスの問題は、資源の無駄遣いや環境負荷などの問題につながるため深刻な課題として認識されています。

食物と食品という言葉は、どちらも「食べ物」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人間や動物が食べるものを表現したい時は「食物」を、人間が食べるものを表現したい時は「食品」を使うようにしましょう。

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