【自主的】と【自発的】と【主体的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「自主的」(読み方:じしゅてき)と「自発的」(読み方:じはつてき)と「主体的」(読み方:しゅたいてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「自主的」と「自発的」と「主体的」という言葉は、どれも自ら物事を判断したり行ったりすることを意味している共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




自主的と自発的と主体的の違い

自主的と自発的と主体的の意味の違い

自主的と自発的と主体的の違いを分かりやすく言うと、自主的は自分の考えを主軸に置いて周囲に干渉されずに判断することで、自発的は自分から声を発して進んで物事を行うことで、主体的は自らの意志に基づいて行動することを意味するという違いです。

自主的と自発的と主体的の使い分け方

自主的というのは、他者からの指図や干渉に頼ることなく、なすべきことを自分の思いや考えによって判断して行動することを意味しています。自分自身が主軸になって考えることを「自主的」と表現するのだと考えると分かりやすいでしょう。

自主的に行動する場合には、その行動の責任は自分自身にかかってくるものです。他者の意見ではなく自分の意思に基づいての行動であるため、失敗をした時などは自分で対応をしなくてはいけないものだと覚えておくようにしましょう。

次に自発的という言葉を考えます。自発的というのは、物事を自分から進んで行うことを意味しています。類語としては、積極的(読み方:せっきょくてき)や能動的(読み方:のうどうてき)などの言葉があります。

自発的というのは、自らが声を発して行うというような意味を持つものです。やるべき事がわかっている場合に、自分から進んで動いてなすべき事をやっていくことも自発的と表現しますし、誰かに呼びかけをして一緒に物事を行うのも自発的と表現します。

この場合、一人で物事を行った場合の責任は自分自身にありますが、誰かと一緒になって行動をした場合には、全員の責任になる場合もあります。自発的というのは、それぞれ個人が自ら進んで行動をすることで成り立つものだと考えるようにしましょう。

最後に主体的という言葉を考えます。主体的というのは、自分の強い意志や判断に基づいて行動をすることを意味しています。主体的な行動をするには、自分が何をしたいのか、何をしたくないのかという考えを明確に持っている必要があります。

主体的という言葉を使用する場合には、意志に基づいた判断なので、その行動や判断に至った明確な理由が必要です。こういう理由でこのように判断をしました、と説明が出来る場合に「主体的である」と表現することが出来ます。

自主的の意味

自主的とは

自主的とは、周囲や他からの指図や干渉に頼らず、自分がやるべきだと思ったことを、自分の考えに沿って行うことを意味しています。自主的というのは、「自分が主になる」という意味を持つ言葉であると考えると分かりやすいでしょう。

自主的というのは、自分の考えを主軸に置いて、周囲からの意見などに惑わされることなく物事を行うことを意味する言葉です。やるべきであると自分で思い、考えたことを実行することを「自主的な行動」と表現したりします。

自主的に行動するという言葉で表現される場合、個人的に行動している場合が多く、誰かを巻き込んで一緒に物事を起こすという意味はあまり含まれません。自分で考えて自分で行動することが自主的な行動であると言えます。

例えば、会社などの組織で仕事を行う際、それなりの勤務年数がある人は自主的に判断して仕事を行うことが可能かもしれませんが、職種によっては、独断で動くことは周囲の迷惑になる場合もあります。

このように、自主的に物事を行う際には、他者に迷惑がかからないことを前提として行わなくてはなりません。反対に、指示を待つより自主的に行動した方が良い場合もあります。状況をよく理解して、必要な場合に自主的な行動をするのが良いでしょう。

また、自主的に行動することによって生まれた責任は、いつでも自分にかかっていることを忘れてはいけません。自主的であるということは、同時に、全ての行動の責任も自分にあるということになります。

表現方法は「自主的に行動する」「自主的に取り組む」「自主的な取り組み」

「自主的に行動する」「自主的に取り組む」「自主的な取り組み」などが、自主的を使った一般的な言い回しです。

自主的の使い方

自主的を使った分かりやすい例としては、「上司の指示をただ待つだけでなく自主的に行動する意識が成長を促す」「子供には勉強を強制するのではなく自主的に取り組むような仕掛けを用意するのが親の役目だ」「一部の社員の自主的な取り組みによってこの制度が生まれた」などがあります。

自主的の類語

自主的の類語・類義語としては、自由に思いのままであることを意味する「随意的」、自分の意思を持って行動することを意味する「主体的」などがあります。

自主的の「主」という字を使った別の単語としては、主人と従者や主君と家来を意味する「主従」、中心となって会合や行事などを行うことを意味する「主催」、その人ひとりのものの見方を意味する「主観」などがあります。

自発的の意味

自発的とは

自発的とは、物事を自らが進んで行い、また自分から他者へと働きかけることを意味しています。自発的というのは、「自分が声を発して行う」という意味を持つ言葉であると考えると分かりやすいでしょう。

自発的というのは、自分が「発起人」(読み方:ほっきにん)つまり、思いたって事を始める人になって、物事を進めることを意味している言葉です。自らが声を発して、何かを行うことを「自発的」と表現しています。

自発的に物事を行う場合、自分一人で行うこともありますが、周りに声をかけて複数人で物事にあたる場合も多くあります。これは、自発的という言葉が、自分から他者へと働きかけるという意味を持っているからです。

思い立った人が中心となり、他者へ働きかけることで、その人からも同意を得て一緒に物事を行っていくという展開に広がっていくのが自発的ということです。

自発的に物事を行った場合、行った物事の責任は全員に分散されることが多いものです。発起人が一人で責任を取るものではなく、一緒になって物事を行った人にも責任があることになります。

もちろん、自分だけで行動に起こす場合もあり、そういった状態では自分の行いへの責任は自分で取ることになります。自分から進んで行った物事の責任は自分にあるものだと覚えておくようにしましょう。

表現方法は「自発的に取り組む」「自発的に行動する」「自発的な発言」

「自発的に取り組む」「自発的に行動する」「自発的な発言」などが、自発的を使った一般的な言い回しです。

自発的の使い方

自発的を使った分かりやすい例としては、「自発的に取り組むメンバーが少なければこの場所からは何も価値は生まれない」「自発的に行動する大人になってほしいので何事でも子供には自分で考えさせるようにしている」「部下の自発的な発言をしやすい環境を作るのが上司の役目だ」などがあります。

自発的の対義語

自発的の対義語・反対語としては、相手の意思を無視して無理にさせることを意味する「強制的」があります。

自発的の類語

自発的の類語・類義語としては、物事を進んで行うことを意味する「積極的」、自分から他に働きかけることを意味する「能動的」などがあります。

自発的の「発」という字を使った別の単語としては、物事の勢いなどが伸び広がって盛んになることを意味する「発展」、新しい考えや思いつきを得ることを意味する「発想」、ある案を最初に言い出すことを意味する「発案」などがあります。

主体的の意味

主体的とは

主体的とは、自分の中にある志や判断に基づいて行動をすることを意味しています。主体というのは、自覚や意志に基づいた行動のことを意味していて、自らの強い希望などが含まれる表現となります。

主体的という言葉を使う場合、その人自身の強い意志が働いている状態であると言えます。どうしても行いたいこと、またはどうしても行いたくないことを、自分の判断によってどうにかすることを主体的と表現します。

「主体的に行動する」の意味

例えば「主体的に行動する」という文章で表現されるのは、自分の意志や判断によって行動するという意味になります。自分の意志が中心となっている行動なので、主体的な動きには、理由が伴う場合が多くあります。

どういった理由があって物事を行うのかが重要になってくるのが主体的という言葉です。自分がこういう風にしたいという理由があるので、その意志に従って主体的な行動に移る、という段階を踏むものです。

「主体的に判断する」の意味

「主体的に判断する」などの言葉で表現されるのは、明らかな理由がある上で、自らが判断をしたということになります。直感で判断をしたり、独自の欲求によって判断をしているわけではないということです。

また、主体的に行動した場合の責任というのは、行動をした自分自身にかかってくるものです。理由があっての判断であっても、その判断を誤ることはあります。その際の責任については取らなくてはいけないものであると覚えておくようにしましょう。

表現方法は「主体的に取り組む」「主体的に動く」「主体的に捉える」

上記以外では「主体的に取り組む」「主体的に動く」「主体的に捉える」などが、主体的を使った一般的な言い回しです。

主体的の使い方

主体的を使った分かりやすい例としては、「主体的に取り組むためには何かしらのきっかけが必要である」「主体的に動いた方が後々の後悔が少なくなる」「様々な意見を主体的に捉えることで見えてくるものがある」などがあります。

主体的の類語

主体的の類語・類義語としては、他からの支配を受けずに自分自身の意思で行動することを意味する「自律的」、他から離れて別になっていることを意味する「独立的」などがあります。

主体的の「主」という字を使った別の単語としては、持ちつづけている考えや方針、態度などを意味する「主義」、全軍を指揮する大将を意味する「主将」、自分の意見や持論を他に認めさせようと強く言い張ることを意味する「主張」などがあります。

自主的の例文

1.あまりにも教室が汚かったので、自主的に掃除をした。
2.いざという時には、自主的に行動するようにと先生から言われている。
3.発表会本番までの間、みんなの足を引っ張らないように、自主的な練習に励んだ。
4.私が宿題をするよう言わなくなったら、息子は自主的にするようになった。
5.トレーニングを含め、活動を自主的に行う人の入部は大歓迎だ。
6.花壇への手入れや水やりは、毎日生徒一人一人が気にかけ自主的に行っているので、わざわざ係を決める必要がない。

この言葉がよく使われる場面としては、他からの指図や干渉に惑わされず、やるべきだと思うことを自分の意思で行うことを表現したい時などが挙げられます。自主的とは「自分を主軸にする」という意味を持つ言葉です。

自主的に物事を行う際には、個人的に行動する場合がほとんどです。他者を巻き込まずに自分だけで行うのが自主的な行動だと考えるようにしましょう。また、自主的に行った物事についての責任も自分にだけかかってくるものです。

自主的に何かを行う際には、周囲に迷惑が掛からないかどうかをよく考えて、最後まで自分で責任を取る覚悟を持って行うようにしましょう。

自発的の例文

1.夏祭りの後、私は自発的に、ゴミを持ち帰るよう周囲に呼び掛けた。
2.社会人になると、自発的な行動が求められる場面が多くなるよ。
3.会議の場で自発的に発言し、多数決で結論を出すことを提案した。
4.彼女のライブでは、ある時期から一部のファンが自発的にペンライトやサイリウムを用意してきて振るようになった。
5.実験の授業では、ただ受動的に見聞きしているのではなく、生徒達それぞれの自発的な参加が求められている。
6.最近は、ポット等の家電までが、自発的に人に話しかけてくるようになった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を自らが進んで行う様子や、自分から他者へと働きかけることなどを表現したい時などが挙げられます。自発的というのは「自分が声を発して物事を行う」という意味を持つ言葉です。

自発的という言葉は、積極的や能動的と同じような意味を持つものです。他者からの指示を待ったり、意見を待ったりするのではなく、自らが進んで物事にあたっていくことを意味しています。

また、自らが声を発することによって、他者からの同意を得て、誰かと一緒になにかを成していく場合にもこの言葉を使います。最初に声をあげた発起人について「自発的に動いた」と表現することが出来ます。

主体的の例文

1.言われた通りに動くのではなく、自分の判断による主体的な行動も必要だ。
2.主体的に行動するのには、まず自分の信念や志をはっきりさせておくのが重要だ。
3.周囲の人と意見が違ったとしても、私は主体的な判断をしたいと思っています。
4.学校の勉強も、自分の将来の夢や方向性と関連付け、興味や関心を持って主体的に学べば、後々必ず役に立つと思う。
5.面接官からの、大学生活四年間において主体的に取り組んだことは何かありますか、との質問に僕は何も答えられなかった。
6.どんなにつまらないと感じる仕事も、主体的に取り組むことで、達成感や喜び、満足感が得られるものだ。

この言葉がよく使われる場面としては、自分の意志や判断に基づいて何かの行動をすることなどを表現したい時などが挙げられます。行動に何かしらの強い理由がある場合に「主体的」という言葉を使います。

主体的という言葉は「主体的な行動」「主体的な判断」などのように使用されることの多いものです。これらは、強い意志や、行動や判断に至った明確な理由があってのものです。自らの欲求や他者の意見に従ったものではないと覚えておくようにしましょう。

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