似た意味を持つ「強い」(読み方:つよい)と「たくましい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「強い」と「たくましい」という言葉は、どちらも力や勢いがあり優れていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「強い」と「たくましい」の違い
「強い」と「たくましい」の意味の違い
「強い」と「たくましい」の違いを分かりやすく言うと、「強い」とは実際に強さがあること、「たくましい」とは強そうに見えるという身体的な様子を表すことという違いです。
「強い」と「たくましい」の使い方の違い
一つ目の「強い」を使った分かりやすい例としては、「彼はとても気が強い人です」「彼女は幼馴染に強い愛情を抱いている」「今日は風がとても強いの外出は控えよう」「彼女は責任感が強い人です」などがあります。
二つ目の「たくましい」を使った分かりやすい例としては、「私はたくましい男性が好みです」「社会の荒波に揉まれながらもたくましく生きています」「漫画家にはたくましい想像力が必要だ」「彼はたくましい若者に成長していました」などがあります。
「強い」と「たくましい」の使い分け方
「強い」と「たくましい」はどちらも力や勢いがあり優れていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「強い」は力が技が優れていて他に負けないことや物事に屈しない精神力があることを意味する言葉で、強そうという印象ではなく、「実際に強い」場合に使う言葉になります。
一方、「たくましい」は身体が丈夫で強そうに見えることや意気や勢いが満ちあふれていることを意味しており、強そうに見えるという身体的な様子を表す場合に使うというのが違いです。
ただし、「強い」と「たくましい」は意味が被ってる部分もあり、「強い」ことを「たくましい」と表現する場合もあります。前後の文章で意味を把握するようにしましょう。
「強い」と「たくましい」の英語表記の違い
「強い」を英語にすると「strong」「hard」「good」「heavy」となり、例えば上記の「彼女は責任感が強い人です」を英語にすると「She has a strong sense of responsibility」となります。
一方、「たくましい」を英語にすると「brawny」「heavyset」「strong」「robust」「indefatigable」となり、例えば上記の「彼はたくましい若者に成長していました」を英語にすると「He had grown up into a robust young man」となります。
「強い」の意味
「強い」とは
「強い」とは、力が技が優れていて他に負けないことを意味しています。
その他にも、健康であること、物事に屈しない精神力があること、環境や条件に屈しないこと、程度や度合いが大きいこと、緩みがないこと、断固としていること、はっきりとしていること、得意とすることの意味も持っています。
「強い」は「つよい」の他に「こわい」とも読むことができますが、別の意味を持つ言葉なので間違えないように注意しましょう。
表現方法は「強い意志」「ネットに強い」「強い気持ち」
「強い意志」「ネットに強い」「強い気持ち」「強い人」などが、「強い」を使った一般的な言い回しになります。
「強い」の使い方
「今年のチームはとても強いです」の文中で使われている「強い」は、「力が技が優れていて他に負けないこと」の意味で、「強い子に育ってくれて母は嬉しいです」の文中で使われている「強い」は、「健康であること」の意味で使っています。
また、「彼は見かけより芯が強い人だ」の文中で使われている「強い」は、「物事に屈しない精神力があること」の意味で、「この商品は熱に強い素材を利用しています」の文中で使われている「強い」は、「環境や条件に屈しないこと」の意味で使っています。
その他にも、「強い風が吹いて帽子が飛んでいってしまった」の文中で使われている「強い」は、「程度や度合いが大きいこと」の意味で、「彼女ん手を強く握る」の文中で使われている「強い」は、「緩みがないこと」の意味で使っています。
さらに、「息子を強い口調で叱る」の文中で使われている「強い」は、「断固としていること」の意味で、「彼は数字に強い」の文中で使われている「強い」は、「得意とすること」の意味で使っています。
「強い」は上記の例文のように複数の意味を持っており、様々な場面で使うことができるとても便利な言葉です。そのため、馴染みがある人も多いででしょう。
また、「強い」は強そうなどの印象で使うのではなく、「実際に強い」場合に使うというのが特徴です。
「強い」の対義語
「強い」の対義語・反対語としては、力や技が劣っていることを意味する「弱い」があります。
「強い」の類語
「強い」の類語・類義語としては、力や作用が強いことを意味する「強力」、強くて大きいことを意味する「強大」、極めて力が強く頑丈なことを意味する「屈強」、非常に強くて敵対するものがないことを意味する「無敵」などがあります。
「たくましい」の意味
「たくましい」とは
「たくましい」とは、身体が丈夫で強そうに見えることを意味しています。その他にも、意志が強く多少のことではくじけないこと、意気や勢いが満ちあふれていることの意味も持っています。
「たくましい」の漢字表記
「たくましい」を漢字にすると、「逞しい」と表記することができます。
表現方法は「たくましい心」「たくましい女性」「たくましい人」
「たくましい心」「たくましい女性」「たくましい人」「たくましい性格」などが、「たくましい」を使った一般的な言い回しになります。
「たくましい」の使い方
「たくましい肉体を持った人が私の好みです」「彼はたくましい精神の持ち主だ」などの文中で使われている「たくましい」は、「身体が丈夫で強そうに見えることや意志が強く多少のことではくじけないこと」の意味で使われています。
一方、「野生動物のたくましい生命力に感動しました」「息子はたくましい食欲でぐんぐん成長していきました」などの文中で使われている「たくましい」は、「意気や勢いが満ちあふれていること」の意味で使われています。
「たくましい」は力に満ちて勢いが盛んな様子や、体が丈夫でがっしりしている人に対して使う言葉になります。したがって、基本的にプラスのイメージで使う言葉です。
また、「たくましい」は身体のような外面的だけではなく、精神のような内面に対しても使うことができるというのが特徴です。
「たくましい」の類語
「たくましい」の類語・類義語としては、しなやかで強いことを意味する「強靭」、強い体力と不屈な精神力を備えていることを意味する「タフ」、どんな困難にもくじけないことを意味する「不死身」などがあります。
「強い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、力が技が優れていて他に負けないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、環境や条件に屈しないこと、程度や度合いが大きいこと、はっきりとしていること、得意とすることを表現したい時にも使います。
例文1の「強い」は力が技が優れていて他に負けないこと、例文2の「強い」は環境や条件に屈しないこと、例文3の「強い」は程度や度合いが大きいこと、例文4の「強い」ははっきりとしていること、例文5の「強い」は、得意とすることの意味で使っています。
「たくましい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、身体が丈夫で強そうに見えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、意志が強く多少のことではくじけないこと、意気や勢いが満ちあふれていることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「たくましい」は身体が丈夫で強そうに見えること、例文3の「たくましい」は意志が強く多少のことではくじけないこと、例文4と例文5の「たくましい」は意気や勢いが満ちあふれていることの意味で使っています。
「強い」と「たくましい」はどちらも力や勢いがあり優れていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、実際に強さがあることを表現したい時は「強い」を、は強そうに見えるという身体的な様子を表すことを表現したい時は「たくましい」を使うと覚えておきましょう。