【身震い】と【武者震い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「身震い」(読み方:みぶるい)と「武者震い」(読み方:むしゃぶるい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「身震い」と「武者震い」という言葉は、どちらも震えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「身震い」と「武者震い」の違い

「身震い」と「武者震い」の意味の違い

「身震い」と「武者震い」の違いを分かりやすく言うと、「身震い」とは寒さや恐怖で体が震えること、「武者震い」とは興奮して体が震えることという違いです。

「身震い」と「武者震い」の使い方の違い

一つ目の「身震い」を使った分かりやすい例としては、「見てはいけないものを見つけて身震いせずにはいられませんでした」「彼はかすかに身震いをしました」「血を見て身震いがした」などがあります。

二つ目の「武者震い」を使った分かりやすい例としては、「大事なプレゼンの前に武者震いしました」「スタートラインに立って思わず武者震いをする」「彼はこれからの戦いに期待して武者震いをしました」などがあります。

「身震い」と「武者震い」の使い分け方

「身震い」と「武者震い」はどちらも震えることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「身震い」は「恐ろしいものを見て身震いした」「朝の寒気で身震いしてしまった」などのように、寒さや恐怖で体が震えた場合に使う言葉になります。

一方、「武者震い」は「県大会決勝戦の前に思わず武者震いしてしまった」「大切な商談前に武者震いをする」などように、興奮して体が震えた場合に使うというのが違いです。

つまり、「身震い」と「武者震い」は震える原因が異なっているのが違いと覚えておきましょう。

「身震い」と「武者震い」の英語表記の違い

「身震い」を英語にすると「shudder」「shiver」「tremble」となり、例えば上記の「血を見て身震いがした」を英語にすると「I shuddered at the sight of the blood」となります。

一方、「武者震い」を英語にすると「tremble」「quiver」「trembling with excitement」となり、例えば上記の「彼はこれからの戦いに期待して武者震いをしました」を英語にすると「He tremble with excitement in anticipation of a battle」となります。

「身震い」の意味

「身震い」とは

「身震い」とは、寒さや恐ろしさなどで体が震えることを意味しています。その他にも、体を振り振り動かすことを表現したい時にも使います。

「身震い」は「身振るい」とも表記可能

「身震い」を別の漢字にすると、「身振るい」と表記することができます。

表現方法は「身震いした」「身震いするほど嫌い」

「身震いした」「身震いするほど嫌い」などが、「身震い」を使った一般的な言い回しになります。

「身震い」の使い方

「戸外の冷気に接し身震いしました」「私はそう考えただけで身震いしてしまいました」などの文中で使われている「身震い」は、「寒さや恐ろしさなどで体が震えること」の意味で使われています。

一方、「犬が身震いして立ち上がりました」「飼い猫が身震いしている」などの文中で使われている「身震い」は、「体を振り振り動かすこと」の意味で使われています。

「身震い」は寒さや恐ろしさなどで体が震えることと、体を振り振り動かすことの二つの意味を持つ名詞で、どちらの意味でも使われています。

「身震い」はただ単純に体が震えるのではなく、寒さや恐ろしさなどが原因で体が震えた場合に使うのが特徴です。したがって、興奮して体が震えた場合には、「身震い」は使えないと覚えておきましょう。

「身震い」の類語

「身震い」の類語・類義語としては、寒さや恐怖のために震えることを意味する「震え」、恐ろしくてからだが震えることを意味する「戦慄」、驚いて震え上がることを意味する「震駭」(読み方:しんがい)などがあります。

「武者震い」の意味

「武者震い」とは

「武者震い」とは、戦いや重大な場面に臨んで興奮のために体が震えることを意味しています。

「武者震い」は「武者振るい」とも表記可能

「武者震い」を別の漢字にすると、「武者振るい」と表記することができます。

表現方法は「武者震いがする」「思わず武者震い」「武者震いが出る」

「武者震いがする」「思わず武者震い」「武者震いが出る」などが、「武者震い」を使った一般的な言い回しになります。

「武者震い」の使い方

「武者震い」を使った分かりやすい例としては、「次は決勝戦だと思うと武者震いしてしまった」「試験前に体が震えたが恐らく武者震いだろう」「戦いの前に武者震いが出る」「あまりにも興奮して武者震いが止まりません」などがあります。

「武者震い」は戦いや重大な場面に臨んで興奮のために体が震えること意味する言葉で、ポジティブなニュアンスやプラスのイメージで使うのが一般的です。そのため、恐怖で体が震えているという意味で使うのは、誤用なので間違えないように気をつけましょう。

また、「武者震い」はスポーツの試合などの戦いの前だけではなく、大事な仕事や試験など、幅広い場面で使うことができるというのが特徴です。

「武者震い」の語源

「武者震い」の語源は武者です。武者とは武芸に携わることを任務とする人のことを指しています。この武者が戦いに行く前に気持ちが高揚し震えている様子が転じて、戦いや重大な場面に臨んで興奮のために体が震えることを「武者震い」と言うようになりました。

また、武者と聞くと男性を連想させますが、「武者震い」は性別関係なく使える言葉と覚えておきましょう。

「武者震い」の類語

「武者震い」の類語・類義語としては、恐れや興奮のために体が震えることを意味する「胴震い」、寒さや激しい感情のために体が小刻みに動くことを意味する「震える」などがあります。

「身震い」の例文

1.今日の朝はあまりにも寒かったので、ブルブルッと身震いをしました。
2.彼のことが身震いするほど嫌いなので、二度と会いたくありません。
3.海外で飛行機墜落事故のニュースを見て、思わず身震いしてしまいました。
4.先週起きた大型地震のことを思い出すと、身震いしてしまいます。
5.プールで水遊びをして犬が、水を落とすために身震いしている。
6.高速を運転中、右車線の車が接触事故を起こし後続車3台が巻き込まれた。あと少し後を走っていたらと思うと身震いがした。
7.ベッドの横にストーカーからの手紙が置いてあったことで、私は事の重大さに気づき身震いしてしまいました。
8.先日見た舞台では悪女役の女優さんの妖艶な演技に魅了されつつ、思わず身震いをしました。
9.私達は肝試しでお屋敷の中に入ってみたが、急にぞっと身震いがして、これ以上入るのは危険だと察知した。
10.あのときは適当にやり過ごしたが、今思えば、大きなトラブルになってもおかしくなかったので、彼はぞっと身震いした。

この言葉がよく使われる場面としては、寒さや恐ろしさなどで体が震えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、体を振り振り動かすことの意味も持っています。

例文1から例文4の「身震い」は寒さや恐ろしさなどで体が震えること、例文5の「身震い」は体を振り振り動かすことの意味で使っています。

「武者震い」の例文

1.甲子園の決勝のマウンドに立った時、思わず武者震いをしてしまいました。
2.大事な案件のプロジェクトリーダーを任されて、喜びの武者震いが止まりませんでした。
3.試合開始までもう少しだが震えが止まらない、これが武者震いかと実感しました。
4.社運を左右するプレゼンの前に体が震えたが、おそらく武者震いだろう。
5.ワールドカップ決勝の試合前に気持ちが高まり、武者震いをしてしまいました。
6.長年ライバル視されてきた相手との対戦が今始まろうとしており、選手はぶるっと武者震いしてコートへと踏み出していった。
7.私はプレゼンには慣れていると思っていたが、今回の大事なプレゼンの前ににして思わず武者震いしてしまいました。
8.私はこの大会に出るために死ぬほど練習してきたので、いざスタートラインに立つと思わず武者震いをした。
9.本人たちは武者震いといっているが、本当は恐怖からの震えが強いのだろうと思っている。
10.戦いを前にあまりにも興奮して武者震いが止まらなかったので、仲間に平手打ちをしてもらうよう頼んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、戦いや重大な場面に臨んで興奮のために体が震えることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「武者震い」は興奮で体が震えた時に使用するプラスのイメージで使う言葉です。

「身震い」と「武者震い」はどちらも体が震えることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、寒さや恐怖で体が震えることを表現したい時は「身震い」を、興奮して体が震えることを表現したい時は「武者震い」を使うと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター