【帯同】と【同伴】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「帯同」(読み方:たいどう)と「同伴」(読み方:どうはん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「帯同」と「同伴」という言葉は、どちらも「一緒に行くこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




帯同と同伴の違い

帯同と同伴の意味の違い

帯同と同伴の違いを分かりやすく言うと、帯同とは誰かを連れて一緒に行くことを表し、同伴とは親密な人と一緒に行くことを表すという違いです。

帯同と同伴の使い方の違い

一つ目の帯同を使った分かりやすい例としては、「家族帯同で海外駐在していました」「家族帯同ビザがないと日本人学校に入学できません」「ミニバス帯同審判員の資格を取得しました」「帯同キャディがトラブルを起こしてしまった」などがあります。

二つ目の同伴を使った分かりやすい例としては、「子どもの予防接種は保護者同伴が原則です」「会員カード1枚につき同伴者は1名まで入場可能です」「同伴出勤のキャバ嬢の服装も楽しみの一つです」などがあります。

帯同と同伴の使い分け方

帯同と同伴という言葉は、どちらも一緒に連れだって行くことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

帯同とは、一緒に連れて行くことを意味します。「家族を帯同する」のような使い方で、自分が行動のメインとなり誰かを連れて行く場合や、「部下を帯同する」のような使い方で、目下の者を一緒に連れて行く場合に用いられています。

同伴とは、一緒に連れ立って行くことを意味し、特に家族や恋人など親密な関係の者同士が一緒に行くことを表す時に用いられています。同伴という言葉には帯同のような立場の上下はなく、同伴する側も同伴される側も同等の立場にあります。この点が、帯同と同伴という言葉も明確な違いになります。

帯同と同伴の英語表記の違い

帯同を英語にする「taking along」となり、例えば上記の「家族帯同」を英語にすると「taking along family」となります。一方、同伴を英語にすると「accompanying」「going with」となり、例えば上記の「同伴者」を英語にすると「a companion」となります。

帯同の意味

帯同とは

帯同とは、一緒に連れて行くことを意味しています。

表現方法は「帯同させる」「帯同する」「帯同する家族」

「帯同させる」「帯同する」「帯同する家族」などが、帯同を使った一般的な言い回しです。

帯同の使い方

帯同を使った分かりやすい例としては、「海外赴任に帯同し英語が話せるようになりました」「家族を帯同するかしないか迷っています」「上司に帯同する家族を紹介しました」「選手帯同者についても申請が必要です」などがあります。

その他にも、「帯同審判員を同行して大会に参加する」「チームに帯同いただく場合は交通費は支給いたします」「プロアスリート帯同トレーナーが体の使い方を教えてくれました」「帯同馬もレースに出走することがあります」などがあります。

帯同という言葉の「帯」はすぐ近くのところに伴うことを表し、「同」は共に同じことをすることを表します。帯同とは、一緒に連れて行くことを意味する言葉であり、自分がメインで行く所に誰かが付いてくるというニュアンスで用いられています。話し言葉ではあまり使われない文章語です。

帯同とは、一緒に連れて行くことであり、付いて行くことではないことに注意する必要があります。例えば、上司が自分を連れて営業に行く場合、「上司に帯同する」と表現することは間違いになります。正しい表現は「上司が自分を帯同する」または「自分は上司に同行する」などと言います。

また、帯同という言葉は、敬語表現が難しい言葉です。ビジネスシーンで自分がメインとなって得意先に上司を連れて行く時に、「部長を帯同する」などと言ってしまうと失礼な表現になります。「部長に同行していただく」と言い換えるとよいでしょう、

「帯同馬」の意味

帯同を用いた日本語には「帯同馬」があります。競走馬が長距離遠征を行う際に、競走馬の付き添いとして共に遠征をする競走馬のことです。あくまでも競走馬のリラックス効果が目的ですが、帯同馬が遠征先でレースに出走するケースもあります。

帯同の対義語

帯同の対義語・反対語としては、所帯持ちが家族を置いて一人で任地におもむくことを意味する「単身赴任」などがあります。

帯同の類語

帯同の類語・類義語としては、連れ立って行くことや連れて行くことを意味する「同道」、連れて行くことを意味する「引き連れる」、従えて行くことや引き連れて行くことを意味する「率いる」、一緒に行動することや連れて行くことを意味する「相伴う」などがあります。

同伴の意味

同伴とは

同伴とは、一緒に連れ立って行くこと、特に男女が連れ立つことを意味しています。

表現方法は「保護者同伴」「同伴料金」「ペット同伴」

「保護者同伴」「同伴料金」「ペット同伴」などが、同伴を使った一般的な言い回しです。

同伴の使い方

同伴を使った分かりやすい例としては、「子供同伴で通える英語教室を探しています」「ペット同伴で食事が楽しめるレストランを見つけました」「週末に行くゴルフの同伴者登録をしなくては」「ラウンジにより同伴者料金が設定されています」「御同伴者の人数をご記入ください」などがあります。

その他にも、「スナックの同伴料金はいくらぐらいですか」「先輩にスマートな同伴の誘い方を教えてもらいました」「同伴出勤で食事に行く時に特別なマナーはありますか」「同伴やアフターの上手な断り方が知りたいです」などがあります。

同伴という言葉の「伴」は訓読みで「ともなう」と読み、付き従うことや連れて行くことを表します。同伴とは、一緒に連れ立って行くことを意味し、一緒に行く者同士の関係が、恋人や家族などのように親密な場合に多く使われています。また、人数が少ない時に用いられることが多い言葉です。

「同伴出勤」の意味

上記の例文にある「同伴出勤」とは、キャバクラやスナックなどに勤めるキャバ嬢やホステスが、男性客と店外で会ってから一緒にお店に入るという水商売ならではの営業方法です。一方、お店が終わったあとに、キャバ嬢やホステスが男性客と飲みに行くことを「アフター」と言います。

同伴の対義語

同伴の対義語・反対語としては、自分ひとりだけで行くことを意味する「独行」、一人または一組織だけでする行動を意味する「単独行動」などがあります。

同伴の類語

同伴の類語・類義語としては、一緒に連れ立って行くことや人に付き従って行くことを意味する「同行」、お供としてつき従うことや一緒に連れていくことを意味する「随伴」、人に付き添っていくことや男性が女性を送り届けることを意味する「エスコート」などがあります。

帯同の例文

1.持ち家がある場合、転勤先に単身赴任するか家族帯同にするか迷う人は多いでしょう。
2.子どもの将来を考えると、海外赴任に帯同させることがプラスになるとは思いました。
3.配偶者または子が同行する場合の家族帯同ビザについて、大使館に問い合せました。
4.競技大会にトレーナーとして帯同した実績のある先生に、ストレッチポールの使い方を教えてもらいました。
5.本大会には随行審判員を各チーム1名帯同させてください。チームスタッフが兼ねても構いません。
6.先日のグループ会社懇親会で仲良くなった人の会社へ営業に行くことになったが、実は相手は社長だったので上司に帯同してもらうことにした。
7.出張先の通訳があまりにいい加減だったので、今回の海外出張では日本から通訳を帯同することにした。
8.海外支社に駐在していたときは単身ではなく家族帯同でしたので、子供は現地の日本人学校に通わせました。
9.今通っている整体の先生はアスリート帯同トレーナーだったこともあって、負担の少ない体の使い方を熟知していました。
10.家族帯同ビザとは在留資格をもった外国人の扶養家族に発行されるビザで、扶養者には夫や妻、子供などが当てはまります。

この言葉がよく使われる場面としては、一緒に連れて行くことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「家族帯同」の意味は、転勤にともなって家族も一緒に連れていくことです。例文3の文中にある「帯同」と「同行」の違いは、誰をメインにしているかです。帯同は自分がメインで誰かを連れていく時、同行は他者がメインで自分が付き添う時に用いる言葉です。

同伴の例文

1.私どものネイルサロンでは揮発性の高い薬剤を扱っており、危険なため子供の同伴はお断りしております。
2.ビジネスメンバーカード1枚につき、非会員の同伴者2名まで入場可能です。
3.キャバクラの同伴料金の相場は2,000円~5,000円ですが、お店にもよるので確認した方がいいです。
4.キャバ嬢を同伴した男性側には、一体どんなメリットがあるのでしょうか。
5.スナックやキャバクラと違って、ガールズバーにはシステムとしての同伴はありません。
6.転職した会社に出勤したら犬がいるので驚いたが、こちらの会社はペット同伴出勤を認めているそうで、社員のストレス解消になっていて好評らしい。
7.入社式に保護者を同伴させる新入社員がいると聞き、言われるままについてくる親も親だと思った。
8.友人は愛犬家でもあるので、食事するならペット同伴で食事が楽しめるレストランがないかと相談があったのです。
9.コンサートは会員限定であったが、同伴者が一人だけ入場可能ということで、友人を誘うことにしました。
10.昔の会社では家族同伴の社員旅行をするのが恒例となっていたところもあったが、今ではそういうこともなくなってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、一緒に連れ立って行くこと、その仲間、特に男女や夫婦が二人で連れだつことを表現したい時などが挙げられます。

例文2の文中にある「同伴者」とは、同伴する人のことであり、一緒に連れだって行く人を意味します。似た言葉に「同行者」がありますが、同伴者は家族など親密な関係の人を連れて行く時に用いられ、同行者は仕事上の上司や部下など事務的な関係の人を引き連れていく時に用いられます。

帯同と同伴という言葉は、どちらも「一緒に行くこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分がメインで行く所に誰かを連れて行くことを表現したい時は「帯同」を、親密な者同士で一緒に行くことを表現したい時は「同伴」を使うようにしましょう。

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