似た意味を持つ「デフォルメ」と「デフォルト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「デフォルメ」と「デフォルト」という言葉は、読み方に共通する部分があり、本来の意味は大きく異なりますが混同して使われる傾向があります。
デフォルメとデフォルトの違い
デフォルメとデフォルトの意味の違い
デフォルメとデフォルトの違いを分かりやすく言うと、デフォルメは変形することを表現する時に使い、デフォルトは標準状態を表現する時に使うという違いです。
デフォルメとデフォルトの使い方の違い
一つ目のデフォルメを使った分かりやすい例としては、「デフォルメ地図がなければたどり着かなかっただろう」「デフォルメされたキャラは大きな特徴のみを残す方がいい」「デフォルメイラストグッズは売り切れていた」などがあります。
二つ目のデフォルトを使った分かりやすい例としては、「デフォルトの設定から一度も変えていない」「デフォルトサイズのまま印刷したら文字が小さかった」「彼女の態度はデフォルトなので諦めた方がいい」などがあります。
デフォルメとデフォルトの使い分け方
デフォルメとデフォルトはどちらも末尾に異なるカタカナを使っているだけで読み方が共通していますが、意味や使い方は大きく異なります。
デフォルメは、美術作品に使われる技法で変形や歪曲を施すことを意味するフランス語です。本来の姿に忠実に描くのではなく、強調や変形を用いて表現することを指します。
一方のデフォルトは、コンピュータなどの設定が出荷状態や初期状態であることを意味する言葉で、これが転じて、上記例文の「態度はデフォルト」などのように標準であることに対して使われるようになりました。
つまり、デフォルメは変形することを表し、デフォルトは初期の状態を表すという明確な違いがあります。
デフォルメとデフォルトの英語表記の違い
デフォルメを英語にすると「deformation」となり、例えば上記の「デフォルメ地図」を英語にすると「deformation map」となります。
一方、デフォルトを英語にすると「default」となり、例えば上記の「デフォルトの設定」を英語にすると「the default setup」となります。
デフォルメの意味
デフォルメとは
デフォルメとは、対象を変形することを意味しています。
その他にも、誇張することや簡略化することも意味します。
デフォルメの使い方
「デフォルメを施すことで一部を強調する表現にもなる」「デフォルメ表現が使われる風刺画で当時の情勢を知る」「美の追求のためにデフォルメが用いられることもあった」などの文中で使われているデフォルメは、「変形すること」の意味で使われています。
一方、「デフォルメイラストがあしらわれたポーチを購入する」「デフォルメキャラのグッズはファンに人気だ」「デフォルメを描く時は特徴を捉える必要がある」などの文中で使われているデフォルメは、「簡略化することやされたもの」の意味で使われています。
デフォルメは英語で「deformation」と表記され、形のくずれや不格好、変形を意味する言葉ですが、もとはフランス語の「déformer」を語源としており、日本語としてもフランス語の発音をカタカナ表記したものが使われています。
絵画や彫刻に対して使われる表現手法の一つで、日本では誇張することや簡略化したものという意味で使われることが多く、イラストだけでなくビジネスシーンでも使われていますが、本来誇張や省略といった意味はありません。
デフォルメの対義語
デフォルメの対義語・反対語としては、事実の通りそのまま写すことを意味する「写実」があります。
デフォルメの類語
デフォルメの類語・類義語としては、ある基準に合わせて整えることを意味する「調整」、既存のものに加工を施して形状を変えることを意味する「変造」などがあります。
デフォルトの意味
デフォルトとは
デフォルトとは、初期状態や標準設定を意味しています。
その他にも、債務不履行の状態も意味する言葉です。
表現方法は「デフォルト表示」「デフォルトにする」「デフォルトで開く」
「デフォルト表示」「デフォルトにする」「デフォルトで開く」などが、デフォルトを使った一般的な言い回しです。
デフォルトの使い方
「デフォルトアプリだけで間に合うことが多く助かっている」「デフォルト表示を変更したら非常に見やすくなった」「デフォルトの設定から何を変えたらいいのか分からない」などの文中で使われているデフォルトは、「標準設定」の意味で使われています。
一方、「近隣国がデフォルトになった場合どうなるのだろうか」「戦争によってデフォルトとなれば国民の負担が大きくなるだろう」「デフォルトリスクを考えて資産運用をする」などの文中で使われているデフォルトは、「債務不履行」の意味で使われています。
デフォルトは英語で「default」と表記され、不履行や怠慢、欠席、欠場を意味する言葉で、日本語でも債務不履行という意味で使われています。ただし、金融用語として使われるのみで日常会話で使われるデフォルトとは異なります。
本来のデフォルトという言葉が持つ怠慢や欠場などの意味が転じて、何もしていない状態、つまり初期の状態や標準として設定されている状態を表すようになり、この意味で使われていることがほとんどで、「デフォ」と略されることもあります。
デフォルトの対義語
デフォルトの対義語・反対語としては、必要に応じて仕様を変更することを意味する「カスタム」があります。
デフォルトの類語
デフォルトの類語・類義語としては、税金や料金などをまだ納めていないことを意味する「未納」、定められた期間内に金銭や物品を納めないことを意味する「滞納」、特に変わっていないことを意味する「普通」などがあります。
デフォルメの例文
この言葉がよく使われる場面としては、対象を変形することを意味する時などが挙げられます。
例文3から例文5のデフォルメのように、簡略化されたものや簡略化することを意味する言葉としても使われています。
デフォルトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、初期状態や標準設定を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、債務不履行に対して使われることもあります。
デフォルメとデフォルトのどちらを使うか迷った場合は、変形することを表す場合は「デフォルメ」を、標準状態を表す場合は「デフォルト」を使うと覚えておけば間違いありません。