似た意味を持つ「ご都合主義」(読み方:ごつごうしゅぎ)と「日和見主義」(読み方:ひよりみしゅぎ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご都合主義」と「日和見主義」という言葉は、どちらも周囲の状況を見て自分の都合のいいように行動することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご都合主義」と「日和見主義」の違い
「ご都合主義」と「日和見主義」の意味の違い
「ご都合主義」と「日和見主義」の違いを分かりやすく言うと、「ご都合主義」は一般的に使われている、「日和見主義」は一般的に使われていないという違いです。
「ご都合主義」と「日和見主義」の使い方の違い
一つ目の「ご都合主義」を使った分かりやすい例としては、「彼女のご都合主義な態度には呆れている」「ご都合主義なドラマは観ていてもつまらないです」「彼女のようなご都合主義では議長は務まらない」などがあります。
二つ目の「日和見主義」を使った分かりやすい例としては、「出世したいのであれば日和見主義に走るのがいいだろう」「彼は日和見主義で一貫した態度が見られません」「日和見主義な人と一緒に行動すると疲れてしまう」などがあります。
「ご都合主義」と「日和見主義」の使い分け方
「ご都合主義」と「日和見主義」はどちらも周囲の状況を見て自分の都合のいいように行動することを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「ご都合主義」は一般的に使われているのに対して、「日和見主義」は一般的に使われていないという点です。
また、「ご都合主義」は漫画、アニメ、映画、ドラマ、小説などで、作者に都合よく進む強引や安易なストーリー展開のことの意味で使うこともあります。
「ご都合主義」と「日和見主義」の英語表記の違い
「ご都合主義」も「日和見主義」も英語にすると「opportunism」となり、例えば上記の「彼女のようなご都合主義では議長は務まらない」を英語にすると「Her opportunism won’t help her as a chairman」となります。
「ご都合主義」の意味
「ご都合主義」とは
「ご都合主義」とは、その場の都合や成り行きでどのようにでも態度を変えることを意味しています。
「ご都合主義」の漢字表記
「ご都合主義」を漢字にすると「御都合主義」と表記することができます。
表現方法は「ご都合主義な人」「ご都合主義なアニメ」「ご都合主義な漫画」
「ご都合主義な人」「ご都合主義なアニメ」「ご都合主義な漫画」などが、「ご都合主義」を使った一般的な言い回しになります。
「ご都合主義」の使い方
「ご都合主義」を使った分かりやすい例としては、「このアニメはご都合主義ばかりでとてもつまらないです」「部長の発言はご都合主義ばかりで建設的な意見が全くありません」「ご都合主義な政治家にはうんざりです」などがあります。
「ご都合主義」はその場の都合や成り行きでどのようにでも態度を変える人のことを意味する言葉です。自分の都合のいいように態度を変える人に対して使うため、基本的にはマイナスなイメージを伴っています。
また、漫画、アニメ、映画、ドラマ、小説などで、作者に都合よく進む強引や安易なストーリー展開のことの意味で使うこともあります。こちらの場合もつまらないというマイナスなイメージが伴っているのが一般的です。
漫画、アニメ、映画、ドラマ、小説などのご都合主義の例を挙げると、危険な目にあっても主要人物が絶対に死なない、怪我をしてもすぐ治る、展開に困ったら夢オチ設定、ピンチの際に前置きもなく新兵器や新技が登場するなどがあります。
「ご都合主義」の類語
「ご都合主義」の類語・類義語としては、自分の思いどおりに振る舞うことを意味する「わがまま」、定見をもたず大勢に追随して立場を変えることを意味する「オポチュニズム」、自分の思うままに振る舞う心のことを意味する「恣意」などがあります。
「日和見主義」の意味
「日和見主義」とは
「日和見主義」とは、周囲の情勢をうかがって自分の利益になる方をとることを意味しています。
「日和見主義」の読み方
「日和見主義」の読み方は「ひよりみしゅぎ」です。誤って「にちわみしゅぎ」「ひわみしゅぎ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「日和見主義な人」「日和見主義なリーダー」
「日和見主義な人」「日和見主義なリーダー」などが、「日和見主義」を使った一般的な言い回しになります。
「日和見主義」の使い方
「日和見主義」を使った分かりやすい例としては、「彼は社内で一番の日和見主義と言われています」「彼女は日和見主義なので非難されて当然だろう」「損をしたくないので日和見主義に徹することにしました」などがあります。
「日和見主義」は周囲の情勢をうかがって自分の利益になる方をとること、つまり、普段は一見すると中立を装った言動や立場に終始しているが、状況が変化すると優勢な勢力を支持する人に対して使う言葉です。
そのため、基本的にマイナスなイメージを伴っています。また、「日和見主義」はあまり一般的に使われていない言葉ですが、ビジネスシーンや政治シーンで使うことがあると覚えておきましょう。
「日和見主義」の由来
「日和見主義」の由来は日和見です。日和見とは江戸時代頃の日本の天気観察のことで、現代のデータに基づく気象観測とは異なっており、専門家が経験や勘から予想するものでした。
これが転じて、周囲の情勢をうかがっ自分の利益になる方をとることを「日和見主義」と言うようになったのです。
「日和見主義」の類語
「日和見主義」の類語・類義語としては、有利な方に付こうと様子をうかがうことを意味する「日和る」、社会や他人のことを考えず自分の利益や快楽だけを追求する考え方のことを意味する「利己主義」などがあります。
「ご都合主義」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その場の都合や成り行きでどのようにでも態度を変えることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご都合主義」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「日和見主義」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、周囲の情勢をうかがって自分の利益になる方をとることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「日和見主義」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「ご都合主義」と「日和見主義」はどちらも周囲の状況を見て自分の都合のいいように行動することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われているのが「ご都合主義」、一般的に使われていないのが「日和見主義」と覚えておきましょう。