似た意味を持つ「魚心あれば水心」(読み方:うおごころあればみずごころ)と「落花流水」(読み方:らっかりゅうすい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「魚心あれば水心」と「落花流水」という言葉は、どちらも相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「魚心あれば水心」と「落花流水」の違い
「魚心あれば水心」と「落花流水」の意味の違い
「魚心あれば水心」と「落花流水」の違いを分かりやすく言うと、「魚心あれば水心」は幅広い範囲で使える、「落花流水」は恋愛面でのみ使えるという違いです。
「魚心あれば水心」と「落花流水」の使い方の違い
一つ目の「魚心あれば水心」を使った分かりやすい例としては、「新入部員に対しては魚心あれば水心の気持ちで接する予定です」「私は常に魚心あれば水心の精神で行動しています」「この契約を結ぶかは魚心あれば水心という感じかな」などがあります。
二つ目の「落花流水」を使った分かりやすい例としては、「あの夫婦は仲が良いのできっと落花流水なのだろう」「今後もパートナーと落花流水を大切にしていきたいです」「落花流水の情がある夫婦に憧れています」などがあります。
「魚心あれば水心」と「落花流水」の使い分け方
「魚心あれば水心」と「落花流水」はどちらも相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「魚心あれば水心」は恋愛、日常、ビジネスシーンなどのとても幅広い範囲で使えるのに対して、「落花流水」は恋愛面でしか使えないというのが違いになります。
したがって、恋愛面においては「魚心あれば水心」と「落花流水」どちらを使っても問題がないので、基本的に置き換えることができます。それ以外の場面では「魚心あれば水心」しか使えないと覚えておきましょう。
また、「落花流水」は衰えて落ちぶれることの意味も持っているというのも違いの一つです。
「魚心あれば水心」と「落花流水」の英語表記の違い
「魚心あれば水心」を英語にすると「scratch my back and I will scratch yours」となります。一方、「落花流水」を英語にすると「time passes in vain so that a flower may fall and flow to water」「mutual love」「reciprocal love」となります。
「魚心あれば水心」の意味
「魚心あれば水心」とは
「魚心あれば水心」とは、相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを意味しています。
「魚心あれば水心」の読み方
「魚心あれば水心」の読み方は「うおごころあればみずごころ」です。誤って「さかなごころあればみずごころ」などと読まないようにしましょう。
「魚心あれば水心」の使い方
「魚心あれば水心」を使った分かりやすい例としては、「魚心あれば水心なので見返りを期待している自分がいる」「魚心あれば水心とも言いますしお手をお貸ししますよ」「魚心あれば水心なので今回の取引は条件を飲むことにしました」などがあります。
「魚心あれば水心」は相手が好意を示せば自分も相手に好意を示す気になること。つまり、相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを意味することわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。
「魚心あれば水心」は日常生活、ビジネスシーン、恋愛シーンなどの幅広い場面で使うことができるというのが特徴です。また、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができます。
例えば、「新入社員に対しては魚心あれば水心の気持ちで接する予定です」のように、お互いに心を通わせるというニュアンスで使う場合はプラスのイメージになります。
一方、「魚心あれば水心であればこの契約を結びますよ」のように、こちらがこれだけのことをするんだから当然見返りがありますよねというニュアンスで使う場合はマイナスのイメージになっています。
「魚心あれば水心」の由来
「魚心あれば水心」の由来は「魚に心あれば、水に心あり」です。元々は、「魚に心あれば、水に心あり」という言葉でしたが、時代が経つにつれて省略されるようになり、現代の「魚心あれば水心」になったと言われています。
「魚心あれば水心」の類語
「魚心あれば水心」の類語・類義語としては、無言のうちに心が通じ合うことを意味する「以心伝心」、君主が人民を愛しむ心があれば人民もまた君主を敬い慕うものであることを意味する「君心あれば民心あり」などがあります。
「落花流水」の意味
「落花流水」とは
「落花流水」とは、男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということを意味しています。その他にも、衰えて落ちぶれることの意味も持っています。
「落花流水」の読み方
「落下流水」の読み方は「らっかりゅうすい」です。誤って「らくはなりゅうすい」などと読まないようにしましょう。
「落花流水」の使い方
「恋に落花流水は大切だと思っています」「二人は落花流水のように惹かれ合い結婚しました」などの文中で使われている「落下流水」は、「男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということ」の意味で使われています。
一方、「落花流水の彼は見たくありません」「彼女の堕落っぷりをみると落花流水と言える」などの文中で使われている「落下流水」は、「衰えて落ちぶれること」の意味で使われています。
「落花流水」は男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということや、衰えて落ちぶれることを意味する四字熟語です。四字熟語とは、漢字4文字で構成される熟語のことを意味しています。
「落花流水」を使う上で注意しなければならいのが、男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということの意味で使う場合、恋愛シーンにおいてのみ使えるという点です。それ以外の場面では使うことはできないと覚えておきましょう。
また、「落花流水」は元々、花は散って水は流れ去るという意味で使われていた言葉でしたが、この様子が転じて、衰えて落ちぶれることの意味で使われるようになりました。
「落花流水」の類語
「落花流水」の類語・類義語としては、花びらがはらはらと乱れ散ることを意味する「落英繽紛」(読み方:らくえいひんぷん)、役人などが落ちぶれることを意味する「拓落失路」(読み方:たくらくしつろ)などがあります。
「魚心あれば水心」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「魚心あれば水心」は、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる言葉です。
「落花流水」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということを表現したい時などが挙げられます。その他にも、衰えて落ちぶれることを表現したい時にも使います。
例文1から例文の4「落花流水」は男に女を慕う心があれば女もまた情が生じて男を受け入れるということ、例文5の「落花流水」は衰えて落ちぶれることの意味で使っています。
「魚心あれば水心」と「落花流水」はどちらも相手の出方次第でこちらの応じ方が決まることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、幅広い範囲で使えるのが「魚心あれば水心」、恋愛面でのみ使えるのが「落花流水」と覚えておきましょう。