似た意味を持つ「いらしてください」と「お越しください」(読み方:おこしください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「いらしてください」と「お越しください」という言葉は、どちらも来てくださいを丁寧に表現することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「いらしてください」と「お越しください」の違い
「いらしてください」と「お越しください」の意味の違い
「いらしてください」と「お越しください」の違いを分かりやすく言うと、「いらしてください」は社内の人に向けた表現、「お越しください」は社外の人に向けた表現という違いです。
「いらしてください」と「お越しください」の使い方の違い
一つ目の「いらしてください」を使った分かりやすい例としては、「明日の14時に会議室までいらしてください」「都合の良い日に私の家へ遊びにいらしてください」「お暇がありましたらぜひ一度いらしてください」などがあります。
二つ目の「お越しください」を使った分かりやすい例としては、「当日は18時までにお越しください「明後日は弊社までお越しください」「明日は雨の予報ですのでお気をつけてお越しください」「受付カウンターまでお越しください」などがあります。
「いらしてください」と「お越しください」の使い分け方
「いらしてください」と「お越しください」はどちらも来てくださいを丁寧に表現した言葉で大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、ビジネスシーンで使う際に、「いらしてください」は社内の人に向けた表現なのに対して、「お越しください」は社外の人に向けた表現という点です。
したがって、「いらしてください」を社外の人に使ったり、「お越しください」を社内の人に使わないよう気をつけましょう。
「いらしてください」と「お越しください」の英語表記の違い
「いらしてください」も「お越しください」も英語にすると「please come」「It would be great if you」となり、例えば上記の「受付カウンターまでお越しください」を英語にすると「Please come to the reception counter」となります。
「いらしてください」の意味
「いらしてください」とは
「いらしてください」とは、来てくださいを丁寧に表現することを意味しています。
「いらしてください」の漢字表記
「いらしてください」を漢字にすると「入らしてください」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「いらしてください」を使うようにしましょう。
「いらして下さい」は誤り
また、「ください」を漢字にして「いらして下さい」とするのは間違った表記なので、使わないよう注意が必要です。
表現方法は「遊びにいらしてください」「お元気でいらしてください」「ぜひいらしてください」
「遊びにいらしてください」「お元気でいらしてください」「ぜひいらしてください」などが、「いらしてください」を使った一般的な言い回しになります。
「いらしてください」の使い方
「いらしてください」を使った分かりやすい例としては、「駅前のカフェにいらしてください」「明日はどうぞお気をつけていらしてください」「11時までに私の部屋へいらしてください」「今度はぜひご家族みんなでいらしてください」などがあります。
「いらしてください」は来てくださいの敬語表現である「いらっしゃってください」を省略した表現です。この「いらっしゃって」という表現が長かったので、省略して「いらして」になったと言われています。
本来は省略した言葉は失礼に当たるとされているのですが、「いらしてください」は例外とされており、目上の人に対して使うことが可能です。ただし、ビジネスシーンにおいては社内の人に向けた表現なので、社外の人に対しては使用することはできないと覚えておきましょう。
もし、社外の人に対して使いたいのであれば、同じ意味を持つ「お越しください」を使うのが適しています。
「いらして下さい」の類語
「いらしてください」の類語・類義語としては、来るや行くを丁寧に表現した言葉を意味する「おいでください」来てくださいの敬語表現を意味する「いらっしゃってください」などがあります。
「お越しください」の意味
「お越しください」とは
「お越しください」とは、来てくださいを丁寧に表現することを意味しています。
「お越し下さい」は誤り
「お越しください」の「ください」を漢字にして「お越し下さい」とするのは間違った表記なので、使わないようにしましょう。
表現方法は「お気をつけてお越しください」「お越しくださいますようお願いいたします」
「お気をつけてお越しください」「お越しくださいますようお願いいたします」などが、「お越しください」を使った一般的な言い回しになります。
「お越しください」の使い方
「お越しください」を使った分かりやすい例としては、「ご来店の際はできるだけ余裕を持ってお越しください」「当日は14時までに弊社にお越しください」「お時間がございましたらぜひ一度お越しください」などがあります。
「お越しください」は「来てください」を敬語表現にした言葉です。「お越し」は行くや来るの尊敬語で、「ください」は「する」の尊敬語になります。
「お越しください」は二重敬語ではない
「お越しください」は同じ種類の敬語を重ねているので、二重敬語だと勘違いしやすいですが、正しい敬語になります。二重敬語とは「ご覧になられる」「お帰りになられる」などのように、一つの単語に同じ種類の敬語を重ねた場合を指します。
「お越しください」は正しい敬語表現であるため、ビジネスシーンで使うのことが可能です。また、目上の人に対しても使っても問題ありません。
ただし、「お越しください」は取引先や提携先などの社外の人などに対して使うのが一般的です。普段から話をする機会が多い直属の上司や同僚など対しては他人行儀な印象を与えるので、使うのはあまり適していないと覚えておきましょう。
「お越しください」の類語
「お越しください」の類語・類義語としては、何かのついで来てくださいということを意味する「お立ちよりください」、わざわざ来てくれたことに感謝すること意味する「ご足労をかけます」などがあります。
「いらしてください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、来てくださいを丁寧にを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いらしてください」はビジネスシーンで使うことができる言葉です。
「お越しください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、来てくださいを丁寧に表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「お越しください」はビジネスシーンで使うことができる言葉です。
「いらしてください」と「お越しください」はどちらも来てくださいを丁寧に表現することです。どちらの言葉を使うか迷った場合、「いらしてください」は社内の人に向けた表現、「お越しください」は社外の人に向けた表現と覚えておきましょう。