似た意味を持つ「同期」(読み方:どうき)と「同僚」(読み方:どうりょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「同期」と「同僚」という言葉は、どちらも「同じ会社の人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
同期と同僚の違い
同期と同僚の意味の違い
同期と同僚の違いを分かりやすく言うと、同期とは入社時期が同じ人を表し、同僚とは職場や地位が同じ人を表すという違いです。
同期と同僚の使い方の違い
一つ目の同期を使った分かりやすい例としては、「私の同期入社の一人が部長に昇格した」「会社の同期は仲良しです」「ライブラリに入れた音楽が同期される」「前年同期比で約2倍の成長を達成した」などがあります。
二つ目の同僚を使った分かりやすい例としては、「私の同僚はみな英語が得意です」「同僚との関係を良好に保ちたい」「同僚からパワハラの相談を受けた」「ビジネスでは同僚や上司を味方につけることが重要です」などがあります。
同期と同僚の使い分け方
同期と同僚という言葉は、どちらもビジネスシーンで使用され、同じ会社の人を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
同期とは、「同じ時期」を意味する言葉であり、同じタイミングで同じ会社に入社した人を指します。そのため、入社の時期が同じ人であれば、年齢や役職に関係なく「同期」と言い表すことができます。また、同期はIT用語で、内容や情報を一致させることを意味し、「同期を取る」などと表現します。
同僚とは、同じ職場で働いている人、あるいは、同じ会社のなかで地位や役職が同じ人を意味します。入社の時期や年齢が違っても、同じ会社に勤めていれば「同僚」と言えます。ただし、同僚を「役職が同じ人」と捉える人に対して、目上の人を「同僚」と表現すると失礼になるので注意しましょう。
つまり、職場における「同期」とは入社年度が同じである人のことであり、「同僚」とは職場や役職が同じ人を意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使い分けるようにしましょう。
同期と同僚の英語表記の違い
同期を英語にすると「same period」「same year」「synchronization」となり、例えば上記の「私の同期入社」を英語にすると「the same year’s intake as me」となります。
一方、同僚を英語にすると「co-worker」「colleague」「fellow worker」となり、例えば上記の「私の同僚」を英語にすると「my co-worker」となります。
同期の意味
同期とは
同期とは、同じ時期を意味しています。
その他にも、「入学・卒業・入社などの年度が同じであること」「作動の時間を一致させること、内容や情報を一致させること、シンクロナイズさせること」の意味も持っています。
表現方法は「スマホ同期」「アカウントの同期」「同期する」
「スマホ同期」「アカウントの同期」「同期する」「同期させる」などが、同期を使った一般的な言い回しです。
同期の使い方
「倒産は前年同期の3倍に急増した」「前年同期と比較すると改善がみられます」「前年同期比0.3増のほぼ横ばいだった」「前年同期の交通事故発生状況はどれぐらいでしたか」などの文中で使われている同期は、「同じ時期」の意味で使われています。
一方、「同期が退職するらしい」「彼女は同期で一番英語ができる」などの文中で使われている同期は「年度が同じであること」の意味で、「アカウントの同期ボタンを操作する」「androidデバイスの同期設定をした」などの文中で使われている同期は「一致させること」の意味で使われています。
同期とは、文字通り「同じ時期、同じ期間」を意味し、 学校などで入学または卒業の年度が同じであることや、会社などで入社または退社の年度が同じであることを指す言葉です。また、IT用語で、複数の異なる端末同士で指定したファイルやフォルダを同じ状態に保つことができる機能を意味します。
「同期発動機」の意味
同期を用いた日本語には「同期発動機」があります。同期発動機とは、三相交流による回転磁界と同期して回転する交流電動機のことです。速度が一定で力率がよい長所を利用し、送風機やポンプ等に使用されています。
「非同期」
同期の対義語・反対語としては、複数の主体がタイミングを合わせずに処理を行う方式を意味する「非同期」などがあります。
同期の類語
同期の類語・類義語としては、同じ年度に入学または卒業した学生を意味する「同期生」、同じ職場の友や仕事仲間を意味する「僚友」、同じ会社や結社に属している友人や仲間を意味する「社友」などがあります。
同僚の意味
同僚とは
同僚とは、職場が同じである人、また、地位や役目が同じである人を意味しています。
表現方法は「職場の同僚」「ご同僚」「同僚を褒める」
「職場の同僚」「ご同僚」「同僚を褒める」などが、同僚を使った一般的な言い回しです。
同僚の使い方
同僚を使った分かりやすい例としては、「同僚に誕生日プレゼントをもらった」「英語をひけらかす同僚がいます」「同僚になりすまし不正アクセスした」「友人は同僚に夫を奪われたらしい」「同僚の家族にお大事にと伝えました」などがあります。
その他にも、「同僚にどのくらいの金額の出産祝いをあげますか」「勤め先の同僚へ渡す香典の相場はいくらですか」「同僚へ贈る結婚祝いに悩んでいます」「退職する同僚にメッセージカードを渡しました」などがあります。
同僚の「僚」は訓読みで「とも」と読み、同じ仕事や役目を持つ仲間を表す漢字です。同様であるさまを表す「同」と結び付き、同僚とは、職場が同じである人、あるいは、会社の中で同じ役職や地位の人を意味する言葉です。
同僚という言葉を「職場が同じである人」の意味で使用する場合、上司や部下の役職に関係なく、同じ職場の人をまとめて「同僚」と言います。一方、「同じ役職や地位の人」の意味では、上司や部下は「同僚」に含まれません。意味の捉え方によって、指し示す範疇が変わることに注意が必要です。
同僚の対義語
同僚の対義語・反対語としては、その人より役職が上位の人を意味する「上司」、組織などである人の下に属している人を意味する「部下」などがあります。
同僚の類語
同僚の類語・類義語としては、地位や身分などが同じくらいの人を意味する「同輩」、同じ主人に仕えたりしている仲間を意味する「朋輩」、同じ身分のものや同じ位のものを意味する「等輩」などがあります。
同期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、時期が同じであること、入学や入社などの年度が同じであること、シンクロナイズさせることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「前年同期比」とは、今期に対し、前期の同じ時期の数字を比べた比率のことです。例文2の「同期」は、会社の入社年度が同じ人を指しています。例文3から例文5の「同期」は、シンクロナイズさせることの意味で用いられています。
同僚の例文
この言葉がよく使われる場面としては、職場または役職や地位などが同じであることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、同僚という言葉は、同じ職場の人や役職や地位などが同じ人のことを指します。どちらを指しているかは、文脈により捉える必要があります。
同期と同僚という言葉は、どちらも「同じ会社の人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、入社時期が同じ人を表現したい時は「同期」を、職場や地位などが同じ人を表現したい時は「同僚」を使うようにしましょう。