【時分】と【頃】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「時分」(読み方:じぶん)と「頃」(読み方:ころ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「時分」と「頃」という言葉は、どちらも「ある時期」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




時分と頃の違い

時分と頃の意味の違い

時分と頃の違いを分かりやすく言うと、時分とは古めかしい言い方、頃とは現代的な言い方という違いです。

時分と頃の使い方の違い

一つ目の時分を使った分かりやすい例としては、「もう会社に行く時分だ、急がないと」「お客様がいらっしゃる時分だ」「今時分に来ても遅いよ」「一品ずつ時分を見計らってお出しします」などがあります。

二つ目の頃を使った分かりやすい例としては、「頃合いを見てビジネスを拡大しようと考えています」「頃合いを見計らって出発します」「遊びたい年頃の娘がいます」「俺たちの若い頃はもっと大変だったよ」などがあります。

時分と頃の使い分け方

時分と頃という言葉は、どちらも幅をもった時を表し「ある時期」や「ちょうど良い時期」を意味します。二つの言葉はほぼ同じ意味を持ち、上記の例文にある「会社に行く時分」「今時分」「頃合いを見計らう」「若い頃」の時分と頃は、互いに置き換えて使うことができます。

あえて違いを挙げるならば、「時分」という言葉は「頃」よりも、古めかしい印象を与えることでしょう。時分と頃はほぼ同義の言葉ですが、現代的な言い方である「頃」を用いる方が違和感がない表現になります。

時分と頃の英語表記の違い

時分も頃も英語にすると「time」「season」「occasion」となり、例えば上記の「もう会社に行く時分だ」を英語にすると「It is time to go to work」となります。

時分の意味

時分とは

時分とは、おおよその時期や時刻を意味しています。

その他にも、「適当な時期、ちょうどよい頃合い」の意味も持っています。

時分の読み方

時分の読み方は「じぶん」です。誤って「じふん」と読まないようにしましょう。

表現方法は「若い時分」「中学生の時分」「学生の時分」

「若い時分」「中学生の時分」「学生の時分」などが、時分を使った一般的な言い回しです。

時分の使い方

「新入社員の時分はパソコンの使い方もわからなかった」「若い時分は遊んでいる暇がなかった」「時分割多重化はデジタル信号に適しています」「あの時分は私の黒歴史です」などの文中で使われている時分は、「おおよその時期や時刻」の意味で使われています。

一方、「時分を見計らってご連絡します」「時分を見極めて料理をお出しします」「昼下がりの時分にうたた寝をする」などの文中で使われている時分は、「ちょうどよい頃合い」の意味で使われています。

時分とは、文字通り「時を分けること」を表しており、時間の区切りを意味する言葉です。上記の例文にあるように二つの意味があり、それぞれの意味で使われているので文脈により捉える必要があります。

「時分の花を誠の花と知る心が、真実の花になほ遠ざかる心なり」の意味

時分を用いた有名な言葉には「時分の花を誠の花と知る心が、真実の花になほ遠ざかる心なり」があります。これは、室町時代の能役者である 世阿弥の名言であり、一時的な花を誠の花であるかのように思い込むと、真実の花になる道から遠ざかってしまうことを表しています。

時分の類語

時分の類語・類義語としては、何かをするのによい時機を意味する「時節」、物事を始めたり終えたりするのに適当な時機を意味する「潮時」、時期やシーズンを意味する「季節」物事をするのにちょうどよい機会を意味する「好機」などがあります。

頃の意味

頃とは

頃とは、あるきまった時期の前後を含めて大まかにさす語、時代、時分を意味しています。

その他にも、「しおどき、ちょうどよい時」「おおよその年齢」「ある期間」の意味も持っています。

頃の書き方は「比」とも表記しますが、一般的には「頃」と書かれています。

頃の読み方

頃の読み方は「ころ」の他に、「ごろ」「けい」とも読みます。「ごろ」と読む場合は、「三時頃」「手頃な値段」のようにあ名詞に付く接尾語になります。「けい」と読む場合は、「頃日」「頃刻」「万頃」など限られた熟語です。

頃の使い方

「英語を習い始めた頃」「ビジネスを立ち上げた頃」「その頃わたしは貧乏でした」などの文中で使われている頃は「ある時期を大まかにさす語」の意味で、「頃合いを見計らって電話をかける」「頃合いを見て味付けをする」などの文中で使われている頃は「ちょうどよい時」の意味で使われています。

一方、「年の頃は30歳ほどの男性でした」「年の頃は17、8の娘」などの文中で使われている頃は「おおよその年齢」の意味で、「暑さが厳しくなる頃」「寒さ厳しきこの頃」などの文中で使われている頃は「時節、季節」の意味で使われています。

頃とは、上記の例文にあるように複数の意味を持っており、それぞれの意味で使われているため、文脈により意味を捉える必要があります。「頃」という漢字は、このごろ、しばらくという幅のある時間を漠然と指します。

ことわざ「天災は忘れた頃にやって来る」の意味

頃を用いたことわざには「天災は忘れた頃にやって来る」があります。台風や地震など自然災害は、その被害の恐ろしさを忘れた頃に再び起こることを意味し、普段から油断せずに天災に備えておかなければいけないことを表しています。

頃の類語

頃の類語・類義語としては、その時分を意味する「頃おい」、ある幅をもった時や期間を意味する「時期」、、時の流れの上である一点またはある時期を意味する「時点」、事をするのに最も都合のよい時機を意味する「機会」、物事をするのによい機会を意味する「チャンス」などがあります。

時分の例文

1.私は小学生の時分、学校に行きたくない日に仮病を使うことがありました。
2.感染症が流行しているこのような時分に、旅行する人の気持ちが理解できません。
3.夏目漱石のこころに「花時分」と書いてあって、読み方と意味が分からなかったので先生に質問しました。
4.子供が大きくなってきたし、スマホの使い方を教えてもいい時分だろう。
5.時分を見計らって、英語を身に付けるために留学をしたいと親に相談するつもりです。
6.父は早くに両親を亡くし幼い時分から苦労したそうで、私にはいい教育を受けさせてやりたい、好きな道へ進みなさいといつも応援してくれる。
7.私は今ではうなぎの蒲焼が大好物なのだが、子供の時分にはどうしてもそれが食べられませんでした。
8.学生の時分は友達と徹夜で麻雀をして翌日の講義がキツかったものですが、今となってはいい思い出です。
9.私はアイスをもらいに急いでお祭り会場に行ったが、町内会のおじさんたちから今時分に来ても遅いよと言われてしまいました。
10.当時は一家に一台パソコンがあるわけではなかったから、新入社員の時分はパソコンの使い方もわからなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、大体の時、適当な時期を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3にある時分は、おおよその時期や大体の時の意味で用いられています。例文3の「花時分」は「はなじぶん」と読み、花が咲く季節を表現しています。例文4や例文5の時分は、適当な時期や良いタイミングの意味で用いらています。

頃の例文

1.この漢字は、自分が小学生の頃は3画目をはねると教わったはずだけど今は違うのかな。
2.娘も高学年になったのだから、そろそろ包丁の使い方を教えても良い頃だろう。
3.年末調整で受けられる還付金はいつ頃、どれくらいもらえるのだろうか。
4.生徒たちには、頃合いを見計らって常用漢字と常用外漢字の違いを説明しようと思います。
5.梅雨に入り暑さを感じ始める頃になったので、エアコン掃除をすることにしました。
6.あの頃に戻れたらと思う時代はいくつかあるが、結局は同じ選択をして今と同じ所に辿り着くと思う。
7.私がひとりで彼女の帰りを待っている、ちょうどその頃、彼女は浮気相手の男性と一緒にホテルにいたのでした。
8.ビジネスを立ち上げた頃は、右も左もわからなかったから、悪い大人に騙されたこともありました。
9.きっと彼は仕事中で家に帰っていないだろうから、頃合いを見計らって電話をかけることにしました。
10.英語を習い始めた頃は、何度も教科書を暗記するまで朗読していましたが、それが今の英語の基礎になっていると確信しています。

この言葉がよく使われる場面としては、ある時期の前後を含めて大まかにさす語、ちょうどよい時、おおよその年齢、ある期間、時節を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の頃は、ある時期を大まかに指しています。例文4の頃は何かをするの適している時、例文5の頃は時節や季節の意味で用いられています。

時分と頃という言葉は、どちらも「ある時期や適当な時期」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、古めかしい言い方をしたい時は「時分」を、現代的な言い方をしたい時は「頃」を使うようにしましょう。

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