似た意味を持つ「ブルジョワ」と「ブルジョワジー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ブルジョワ」と「ブルジョワジー」という言葉は、「資本を持つ人」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ブルジョワとブルジョワジーの違い
ブルジョワとブルジョワジーの意味の違い
ブルジョワとブルジョワジーの違いを分かりやすく言うと、ブルジョワは個人を表現する時に使い、ブルジョワジーは集団や階級を表現する時に使うという違いです。
ブルジョワとブルジョワジーの使い方の違い
一つ目のブルジョワを使った分かりやすい例としては、「ブルジョワの生活を夢見ることもある」「ブルジョワは皮肉でもあるため使いどころに注意が必要だ」「実際ブルジョワ男性と海外で過ごす場合日本に定期的に戻ってこなければならない」などがあります。
二つ目のブルジョワジーを使った分かりやすい例としては、「貴族とブルジョワジーは過去同じ階級を表す言葉ではなかった」「ブルジョワジーによる革命が様々な国で起きた」「ブルジョワジーのおかげで資本社会が進展した」などがあります。
ブルジョワとブルジョワジーの使い分け方
ブルジョワとブルジョワジーはどちらも、資本を持つ人を意味し、日本ではお金持ちと同じ言葉として使われていますが、使い方が若干異なります。
ブルジョワは、フランス語で市民や町の人という意味で使われていた言葉で、後に有産者階級に属する人を指すようになりました。日本ではお金持ちを表す言葉としても使われています。
一方のブルジョワジーは、市民階級や有産者階級そのものを指す言葉で、ブルジョワの集合名詞や複数形とされています。そのため、社会層など複数人をまとめて表す言葉として使われています。
つまり、ブルジョワは個人の富裕者を表すのに対して、ブルジョワジーは富裕層や富裕階級を表すという違いがあります。
日本では、純粋なお金持ちや資本家を表す言葉として使われることがほとんどですが、ブルジョワは個人を、ブルジョワジーは階級や社会層を表すという区別方法は変わっていません。
ブルジョワとブルジョワジーの英語表記の違い
ブルジョワを英語にすると「bourgeois」となり、例えば上記の「ブルジョワの生活」を英語にすると「bourgeois lives」となります。
一方、ブルジョワジーを英語にすると「bourgeoisie」となり、例えば上記の「貴族やブルジョワジー」を英語にすると「the nobility and the bourgeoisie」となります。
ブルジョワの意味
ブルジョワとは
ブルジョワとは、資本者階級に属する人を意味しています。
その他にも、金持ちや財産家という意味で使われています。
ブルジョワの使い方
「ブルジョワ革命は市民革命とも呼ばれている」「ブルジョワ階級によって社会が大きく変わった」「ブルジョワ女性たちは元々普通の市民だった」などの文中で使われているブルジョワは、「中産階級の人」の意味で使われています。
一方、「ブルジョワだからきっと羽振りがいいのだろう」「ブルジョワな生活は本で読んだ知識しか知らない」「彼はブルジョワだからと嫌煙されることもあった」などの文中で使われているブルジョワは、「資本家やお金持ち」の意味で使われています。
ブルジョワは英語で「bourgeois」と表記されますが、もとはフランス語で中産階級の人を表す言葉です。「ブルジョア」と表記されることもあります。
今日では、死語と見なされるほどではありませんが使われる頻度は少なくなり、皮肉として使われていたこともあり、そういった意図がない限りは金持ちやセレブなど別の言葉が使われています。
「ブルジョワ革命」の意味
上記例文の「ブルジョワ革命」とは、フランスでは領主が支配するシステムを打ち破ることを目的として起きた革命で、他国でも似たような革命が起きましたが、どれも市民社会を形成するために政治的な平等を目指すために引き起こされました。
ブルジョワの対義語
ブルジョワの対義語・反対語としては、賃金労働者を意味する「プロレタリア」があります。
ブルジョワの類語
ブルジョワの類語・類義語としては、有名人や裕福な人を意味する「セレブ」、突然金持ちになった人を意味する「成金」、莫大な財産を持っている人を意味する「富豪」などがあります。
ブルジョワジーの意味
ブルジョワジーとは
ブルジョワジーとは、富裕な商工業者や財産所有者で構成されている社会層を意味しています。
ブルジョワジーの使い方
ブルジョワジーを使った分かりやすい例としては、「ブルジョワジーには金銭だけでなく不動産などの資産を持つ人たちもいる」「ブルジョワジーのおかげで権利章典や独立宣言などが実現できた」「ブルジョワジーの経済への影響力は大きかった」などがあります。
その他にも、「その映画はブルジョワジーに対する嫌悪を表現しているかのようだった」「ブルジョワジーと対立した人たちも多かった」「ブルジョワジーに対する批判が19世紀頃は絶えなかった話を聞いた」などがあります。
ブルジョワジーは英語で「bourgeoisie」と表記されますが、こちらもブルジョワ同様、フランス語で中産階級や資本者階級を表す言葉です。「ブルジョアジー」と表記されることもあります。
中世フランスでは商工業が盛んになり始めたことで、貴族でもなく農民でもない人たちが出現し、市民らを「ブルジョワジー」と呼び始めたことに由来します。大航海時代には資産の蓄積を始める者もいたことから社会的に地位を向上させていきます。
19世紀には産業革命も起きたことから、ブルジョワジーの中でも産業資本を有する者が増えたため、ブルジョワジーという言葉は資産階級を指すようになりますが、20世紀には贅沢な生活を送るブルジョワジーが敵視され、蔑称として使われるようになりました。
今日でも、純粋なお金持ちや以前からの使い方で富裕層を指し示す言葉として使われていますが、贅沢さや富裕さを批判したり、皮肉の意味が込められているのに変わりはないようです。
ブルジョワジーの対義語
ブルジョワジーの対義語・反対語としては、無産階級や賃金労働者階級を意味する「プロレタリアート」があります。
ブルジョワジーの類語
ブルジョワジーの類語・類義語としては、中程度の社会的地位や経済力などがある階級を意味する「中流階級」、上下のどちらにも属さずに中間的な部分を構成する階層を意味する「中間層」などがあります。
ブルジョワの例文
この言葉がよく使われる場面としては、資本者階級に属する人を意味する時などが挙げられます。
例文4のように、ブルジョワという言葉は皮肉や批判のニュアンスを伴う場合があるため、他者に対して使う場合は注意が必要です。
ブルジョワジーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、富裕な商工業者や財産所有者で構成されている社会層を意味する時などが挙げられます。
どのブルジョワジーという言葉も、一人ではなく、集団やその階級そのものを指す言葉として使われています。
ブルジョワとブルジョワジーは、どちらも「資本を持つ人」を表します。どちらを使うか迷った場合は、個人を表す場合は「ブルジョワ」を、集団や階級を表す場合は「ブルジョワジー」を使うと覚えておけば間違いありません。