【安直】と【安易】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「安直」(読み方:あんちょく)と「安易」(読み方:あんい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「安直」と「安易」という言葉は、どちらも簡単でいい加減なさまを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使用する傾向があります。

安直と安易の違い

安直と安易の違いを分かりやすく言うと、安直には価格が安いことの意味もあるという違いです。

一つ目の安直を使った分かりやすい例としては、「安直な考えで進めてしまった」「迷った末に安直に結論づける」「安直な方法では乗り切れないだろう」「物事はそう安直ではない」「安直な酒を飲む」「安直な娯楽を楽しむ」などがあります。

二つ目の安易を使った分かりやすい例としては、「安易な考えが気にいらない」「安易な行動に走ってしまった」「安易な決断はしないように」「安易な行動にはしわ寄せが伴う」「そのような考えは少々安易ではありませんか」などがあります。

安直と安易という言葉は、簡単でいい加減なさまを意味する言葉なのですが、さらに安直には価格が安いことの意味もあります。これが安直と安易の明確な違いになります。

簡単でいい加減という意味で使う場合も厳格に言えば少し違いがあります。安直は手段として、安易は態度として、簡単でいい加減というニュアンスがあります。例えば、「安直に問題を処理する」「安易な気持ちで入会した」のような違いです。

安直も安易も英語にすると「easy」となり、例えば上記の「安易な考え」を英語にすると「Easy thinking」となります。

安直の意味

安直とは、簡単でいい加減なさまを意味しています。

他にも、価格が安いことの意味も持っています。

「安直な実験方法」「安直な発想はやめたほうがいい」「安直なネーミング」「それは安直な方法だ」「安直すぎると批判された」「安直なやり方で失敗する」「安直な手段」などの文中で使われている安直は「簡単でいい加減なさま」の意味で使われています。

一方、「日用雑貨は安直なものしか買わない」「近くに安直なショップがあって助かる」「安直な遊びで楽しむ」などの文中で使われている安直は「価格が安いこと」の意味で使われています。

安直の由来は、その漢字の意味からと言われています。安は家の中で女性が平穏に過ごしていることを表し、安らかであることや穏やかであることを意味します。直は曲がっていないこと、まっすぐであることや正しいことを意味します。

安直が変化してできた言葉に「あんちょこ」があります。あんちょことは、教科書を解説したガイド書で、予習する時にいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことです。俗に虎の巻とも呼ばれます。

安直の類義語としては、時間や手数がかからないことを意味する「簡単」、心静かに落ち着いていることを意味する「安穏」、しっかりした考えがないことを意味する「たわいない」、値段の安いことを意味する「安価」などがあります。

直の字を使った別の言葉としては、まっすぐに進むことを意味する「直進」、正しくて嘘や偽りのないことを意味する「正直」、間に他のものをはさまないで接することを意味する「直接」、日直や宿直にあたることを意味する「当直」などがあります。

安易の意味

安易とは、気楽でいい加減なことを意味しています。

また、簡単にできることも意味します。

「安易な考えを後悔した」「安易すぎる人事」「安易な決断はしない」「安易に認められない」「安易にリツイートしないように」「安易な気持ちでやってしまった」などの文中で使われている安易は「気楽でいい加減なこと」の意味で使われています。

一方、「安易な問題から片付ける」「安易な対策で間に合う」「達成することは安易ではない」などの文中で使われている安易は「簡単にできること」の意味で使われています。

安易という言葉は、様々な場面で使うことができます。日常生活とビジネスシーンどちらでも頻繁に使うため、とても馴染みのある言葉でしょう。安易は、深く考えがなくいい加減な態度で対応する意味で、マイナスのイメージで使われることが多くあります。

「安易な考え」や「安易な気持ち」という表現は、「いい加減な考え」や「単純すぎる気持ち」といった「考えが不足していた」を言う意味で使わることが多くあります。この場合、「不足」という点を強調している表現になります。

安易の類義語としては、たやすいことを意味する「容易」、手間がかからないことを意味する「造作無い」、単純でわかりやすいことを意味する「単簡」、簡単でたやすいことを意味する「生やさしい」などがあります。

易の字を使った別の言葉としては、たやすく理解できることを意味する「平易」(読み方:へいい)、簡単で手軽なことを意味する「簡易」、 ひどく迷惑してうんざりすることを意味する「辟易」(読み方:へきえき)などがあります。

安直の例文と使い方

1.国内の市場で売れたものを海外に売り出すという安直な方法では失敗するだろう。
2.体重を減らしたいからと言って、食べる量を減らすだけの安直なダイエットはリバウンドしやすい。
3.英語の勉強をしたいという安直な理由で文学部英文学科に入ったが、イメージと違っていた。
4.私は仕事がたまると安直な温泉宿を探して、宿の一室に閉じこもり仕事を片付ける。
5.彼はお気に入りの安直な居酒屋があり、仕事帰りによく立ち寄っている。

この言葉がよく使われる場面としては、いい加減なさまや安価なことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から3で使われる安直は、簡単でいい加減なさまの意味で使われています。例文4や5で使われている安直は、価格が安いさまの意味で使われています。安価には異なる意味が二つあることを覚えておきましょう。

安易の例文と使い方

1.富士山登頂に成功したから槍ヶ岳にも容易に登れると安易に考えてはいけない。
2.安易な気持ちでスポーツジムに入会したが、仕事が忙しくてなかなか行けない。
3.感染症が流行っているからといって、家に閉じこもってさえすればよいという考えは安易すぎる。
4.この暴行事件における犯行動機は、安易に想像できます。
5.今月の売り上げ目標は先月と同じであるが、メンバーが少なくなったので達成は容易ではないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、いい加減なことや簡単なことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3で使われる安易は、気楽でいい加減なさまの意味で使われています。例文4や5で使われている安易は簡単なことの意味で使われています。微妙に意味が違うことを覚えておいて、正しく理解しましょう。

安直や安易という言葉はどちらも人生の中ので数えきれないほど、使ったり聞いたりする言葉なはずです。どちらも簡単でいい加減なさまという共通する意味がある一方、安直には価格が安いことの意味を持つことも覚えておくとよいでしょう。