似た意味を持つ「整数」(読み方:せいすう)と「自然数」(読み方:しぜんすう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「整数」と「自然数」という言葉は、どちらも「数の概念」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
整数と自然数の違い
整数と自然数の意味の違い
整数と自然数の違いを分かりやすく言うと、整数とは小数と分数以外の0やマイナスを含めた数、自然数とは小数と分数以外の0やマイナスを含めない数という違いです。
整数と自然数の使い方の違い
一つ目の整数を使った分かりやすい例としては、「1から10までの整数を英語で書きなさい」「整数論の基礎をわかりやすく解説します」「ガウス記号はある値を超えない最も大きな整数を表す」などがあります。
二つ目の自然数を使った分かりやすい例としては、「最小自然数と最大自然数の求め方を教えてください」「中学校の数学で自然数は正の整数だと習いました」「自然数は小数でも分数でもありません」などがあります。
整数と自然数の使い分け方
整数と自然数という言葉は、どちらも数学用語であり数の概念を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
整数とは、0および0に次々に1を足したり、0から次々に1を引いたりして得られる数の概念を意味します。少数と分数を除いた-3、-2、-1、0、1、2、3などの数字のことであり、0より小さい整数は「負の整数」、0より大きい整数は「正の整数」と呼びます。
自然数とは、物の個数や順番を表す数のことであり、1から始まり、順次そこに1を加えていく数の概念です。自然数は、前述した「正の整数」のことであり、0や負の整数また分数や小数は自然数に含まれません。
つまり、-3、-2、-1、0は整数ですが自然数ではありません。一方、1、2、3は整数であり自然数でもあります。自然数は正の整数であり、整数の一部であることを覚えておきましょう。
整数と自然数の英語表記の違い
整数を英語にすると「integer」「integral number」「whole number」となり、例えば上記の「1から10までの整数」を英語にすると「an integral number from one to ten」となります。
一方、自然数を英語にすると「natural number」「counting number」となり、例えば上記の「最小の自然数」を英語にすると「the smallest natural number」となります。
整数の意味
整数とは
整数とは、零、自然数、および自然数に対応する負数の総称を意味しています。
表現方法は「正の整数」「負の整数」「整数の範囲」
「正の整数」「負の整数」「整数の範囲」などが、整数を使った一般的な言い回しです。
整数の使い方
整数を使った分かりやすい例としては、「0は整数に含まれますか」「整数と小数のしくみを理解する」「娘は整数と小数で苦戦しているようです」「知っておくべき整数の性質をまとめました」などがあります。
その他にも、「2x+5y=1の整数解をすべて求めよ」「大学入試で整数問題が頻繁に出題されています」「スプレッドシートの列記号を整数に変換する」「1次不定方程式の整数解の求め方を解説します」などがあります。
整数とは、零から順に一ずつ増すか減らすかすることによってできる数のことです。したがって整数は、1、2、3、4…の「正の整数」、-1、-2、-3、-4…といった「負の整数」、そして「0」に分類することができます。整数に分数や小数は含まれません。
「整数論」の意味
整数を用いた日本語には「整数論」があります。整数論とは、整数についての研究を対象とする数学の学問領域のことです。単に「数論」とも言い、不定方程式論・代数的整数論・解析的整数論などの部門があります。
整数の対義語
整数の対義語・反対語としては、 整数でない実数を小数点を用いて十進法で表した数を意味する「小数」などがあります。
整数の類語
整数の類語・類義語としては、 物の順序を表す数を意味する「序数」、零より小さいマイナスの数を意味する「負数」、数学で零より大きい実数を意味する「正数」、二で割り切れない整数を意味する「奇数」、二で割り切れる正数を意味する「偶数」などがあります。
自然数の意味
自然数とは
自然数とは、1から順に1ずつ増して2、3、4…と得られる数の総称、正の整数を意味しています。
表現方法は「自然数の平方」「自然数の和」「自然数を求める」
「自然数の平方」「自然数の和」「自然数を求める」などが、自然数を使った一般的な言い回しです。
自然数の使い方
自然数を使った分かりやすい例としては、「自然数とは0を含まない正の整数のことです」「マイナスの数は自然数とは言えません」「分数や小数は自然数ではありません」「自然数とはどんな数のことですか」などがあります。
その他にも、「自然数の2乗をつくる方法がわかりません」「自然数の謎はどこまで解明されたのだろう」「あなたは自然数とは何かを説明できますか」「整数となる自然数nのうち最も小さい数を求めなさい」などがあります。
自然数とは、1、2、3、4…のように、物を数えたり順序を示したりするのに使われる数のことです。自然数は、0を含めず、1から始めて1を次々に加えていって構成されます。よって、自然数は限りなく存在するものであり、「正の整数」と言いいます。
数学において、自然数は「n」という記号で表されることが一般的です。英語で「自然数」は「natural number」と表記しますが、この単語のイニシャルに由来するものです。
自然数の対義語
自然数の対義語・反対語としては、実数でない複素数を意味する「虚数」などがあります。
自然数の類語
自然数の類語・類義語としては、1以上で小数や分数でない数を意味する「正の整数」、1とその数以外に約数がない1を除く正の整数を意味する「素数」、実際の数を意味する「実数」、個数を表わすものと考えた場合の自然数を意味する「基数」などがあります。
整数の例文
この言葉がよく使われる場面としては、正の整数と0および負の整数を合わせた数を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「整数演算」とは、CPUの機能のひとつで、整数を使って処理を行う演算を意味します。
自然数の例文
この言葉がよく使われる場面としては、個数もしくは順番を表す一群の数を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、自然数という言葉は、数学用語や数の捉え方やとして用いられることがほとんどです。
整数と自然数という言葉は、どちらも「数の概念」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、小数と分数以外の0を含めた数を表現したい時は「整数」を、物の数や順番となる正の整数を表現したい時は「自然数」を使うようにしましょう。