【汎用】と【凡庸】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た読み方を持つ「汎用」(読み方:はんよう)と「凡庸」(読み方:ぼんよう)の違いと使い方を分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「汎用」と「凡庸」という言葉は、どちらも機能性を表現するという共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使用される傾向があります。




汎用と凡庸の違い

汎用と凡庸の意味の違い

汎用と凡庸の違いを分かりやすく言うと、汎用というのは、様々な用途に使えることを意味していて、凡庸というのは、取り柄がないことを意味しているという違いです。

汎用と凡庸は、どちらも凡という形が含まれ、読み方が似ているので混同されますが、それぞれ意味は全く異なります。

汎用と凡庸の使い分け方

最初の汎用というのは、道具や材料などが色々な用途や場面に使える、ということを表現する言葉です。例えば「汎用性の高い商品」というのは、日常の様々なシーンで使う事の出来る便利なグッズという意味です。

身近にある汎用性の高い品物としては、まず第一にスマートフォンが挙げられます。連絡のために使うことも出来れば、情報収集のために使うことも出来ますし、また、ゲームなどをすることも出来ます。

また同じファスナーが色々なメーカーの服やバッグに使われていることに気付いたことのある人は多いと思います。そのファスナーは、色々なメーカーに採用されている汎用性の高い材料なのです。

次に凡庸というのは、これといった取り柄がないことを意味しています。例えば「凡庸な人」とは長所や特技のない人のことで、「凡庸な小説」とは独創性がなくありふれている作品を意味しています。この例から分かるように、凡庸は人にも物にも使える言葉です。

凡庸というのは、大抵の場合、悪い意味で使われます。「凡庸な人」という言葉には「あいつ何にも出来ない」という侮辱的な意味が込められています。似た意味の言葉の「平凡」(読み方:へいぼん)には、侮辱するような意味合いはありません。

汎用の意味

汎用とは

汎用とは、様々な用途に使うことができることを意味しています。

表現方法は「汎用する」「汎用できる」「汎用される」

「汎用する」「汎用できる」「汎用される」などが、汎用を使った一般的な言い回しです。

汎用の使い方

主に「汎用性がある/が高い」などの定型句的な表現で使われる言葉です。

汎用の汎という字には、「ひろい、あまねく」という意味があり、そこから汎用とは「広く使われる」という物事の性質を意味する言葉になりました。ここでいう「広い」とは、「様々な用途や場面」という意味です。

汎用性の高さが重要な問題になるのは、金属やプラスチック、繊維やガラスなど、材料産業においてです。「汎用」という言葉は、日常生活においてあまり使われる言葉ではありません。

どんな服にも合うアクセサリーは、汎用性が高いグッズだと言うことが出来ますが、日常的には「便利」の一言で終わることが大半です。同じことを「汎用性ある」と表現すると、少しおどけたようなニュアンスになります。

また、パソコンや携帯電話などで一般的になっている「USB」は、いくつかバリエーションはあるものの規格化・標準化されて、メーカーを問わず広く互換性があります。USBは、汎用性のあるものの好例です。

汎用の対義語

汎用の対義語・反対語としては、機能や目的などが限定的であることを意味する「特殊」、全体の中のそれぞれ一つ一つを意味する「個別」などがあります。

汎用の類語

汎用の類語・類義語としては、勢力が広く行き渡っている様子を意味する「広範」、目的が様々であることを意味する「多目的」、川などの水があふれ出ること、転じて、好ましくない物が社会に広く出回っていることを意味する「氾濫」などがあります。

汎用の汎の字を使った別の言葉としては、ある分野全体について広く論じることを意味する「汎論」、同類の物をひっくるめた名称を意味する「汎称」などがあります。

汎用の用の字を使った別の言葉としては、物を使うことを意味する「使用」、物を何か目的のために用いることを意味する「利用」、物を別の物に当てはめて使うこと、特に法律を実際に起きたことに当てはめて用いることを意味する「適用」などがあります。

凡庸の意味

凡庸とは

凡庸とは、取り柄がなく、秀でていないことを意味しています。

表現方法は「凡庸な人」「凡庸の才」「凡庸以下」

「凡庸な人」「凡庸の才」「凡庸以下」などが、凡庸を使った一般的な言い回しです。

凡庸の使い方

凡庸の凡という字は「ありふれた、つまらない」という意味で、庸という字は「かたよりがない」という意味を持ちます。「どの特徴も横並びでつまらない」ことを意味する言葉だと考えると、凡庸の意味が分かりやすくなります。

以上の説明から分かるように、凡庸という言葉は悪い意味で使われます。

あまりいい言葉ではありませんが「使えるやつ」「使えないやつ」や「有能」「無能」という言葉があります。凡庸という言葉は、「完全に無能ではないが、有能か無能かどちらかと言えば、若干だが無能寄り」という意味合いで使われる言葉です。

「凡庸な人」と言えば、「最低限はできる」程度の意味で、「凡庸な作品」と言えば、「一応ストーリーにはなっている」程度の意味です。

凡庸の対義語

凡庸の対義語・反対語としては、抜きんでて優れていることを意味する「卓越」「卓抜」、他の物よりも目立っていることを意味する「出色」、憎らしく思えるほど優れていることを意味する「心憎い」などがあります。

凡庸の類語

凡庸の類語・類義語としては、物などが目立った特徴もなく、身の回りにありふれていることを意味する「平凡」、他の物と比べてもありふれていて、新鮮味に欠けることを意味する「月並み」などがあります。

凡庸の凡の字を使った別の言葉としては、普通の人を意味する「凡人」、愚かな人を意味する「凡夫」、平凡ではないことを意味する「非凡」、平凡を重ねて強調した「平平凡凡」などがあります。

凡庸の庸の字を使った別の言葉としては、普通の才能を意味する「庸才」、偏りがなく、安定的、調和的であることを意味する「中庸」、人の性格などが平凡で愚かであることを意味する「庸愚」、凡庸な君主を意味する「庸君」などがあります。

汎用の例文

1.廉価な汎用品の充電器を買ったが、すぐ使えなくなった。
2.この会社のファスナーは様々なメーカーの衣服に用いられている汎用性の高いものです。
3.学校教育でも職業人としての汎用的能力を鍛える必要があるというのが、昨今の風潮だ。
4.一太郎がもはや汎用的に使えるソフトではないことに、祖父は寂しさを覚えているようだ。
5.僕の暗記方法が、いつのまにかクラス中で汎用されるようになった。
6.汎用計算機が誕生したお陰で、一つの目的だけのためにつかわれていたところから、プログラムを組めばいろいろな目的に使用できるようになったのです。
7.アンケート調査の結果、我が社の製品は高性能で使いやすそうではあったが、他社製品と比べて汎用性が低かったので買うのを控えたとの声が多数あった。
8.プロダクトデザインの授業では、身近にあるものを本来の目的以外に汎用してみようというカリキュラムがあり、それによりデザインの本質を捉える意図があるのだ。
9.パソコンや周辺機器は一番性能がよいものを買うようにしているが、ケーブルやインクなどの消耗品は節約のために廉価な汎用品を使うようにしている。
10.構造構成主義は汎用性がとても優れており、様々な分野の垣根を取り払うことが出来ることから、国際化の時代に対立を防ぐことが出来る思想として期待されている。
11.この洗剤は環境に優しいだけでなく、食器洗いで使用できたり、身体を洗ったり、頭を洗ったりすることも出来、汎用性の高い洗剤となっております。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物が様々な用途や場面で使われることを表現したい時などが挙げられます。汎用という言葉は日常生活ではあまり使う言葉ではなく、「汎用性」や「汎用品」などのように産業的な用語としては使われる傾向があります。

汎用品というのは、例えばメーカー毎に異なる「正規品」の携帯電話の充電器の対義語で、色々なメーカーの機種に使うことの出来る製品のことです。ただし、近年では、USBの規格化によって、正規品でもある程度の汎用性ないし互換性を持つようになってきています。

この言葉は日常ではあまり用いられないので、例えば例文5のような表現は、すこし面喰ってしまいます。この場合だと、日常語だと「流行」が使われる傾向が高いです。ただし、汎用という言葉を使うことで、若干ですがおどけたニュアンスを出すことが出来ます。

凡庸の例文

1.「凡庸な悪」という概念が思想史に浸透していくのに、さほど時間はかからなかった。
2.彼は基本的には何でも出来るけど、料理に関しては凡庸以下だ。
3.彼はよく言えば何でもそつなくこなすけれど、悪く言えば凡庸な人だ。
4.彼に比べたら、自分なんか凡庸なものに感じられる。
5.彼女のかつての作品に比べたら、ここ最近に発表したものはどれも凡庸の域を出ないものばかりだ。
6.ある評論家は、彼のイラスト作品は多くの人に愛されているが、それは多くの人にもわかりやすい凡庸な作品であるからだと論評していた。
7.彼は全国でもトップクラスの学力を持ち、皆からもちやほやされているが、内心そのような凡庸な感覚を持ったクラスメイトや教師たちに心底うんざりしていたのだった。
8.今付き合っている恋人は悪く言えば何の変哲もない凡庸な人なのだが、人当たりがよくて優しくて、なにより一緒にいるとわたしが自然体でいられるのがいいのだ。
9.企業はすぐに優秀な人材を集めたがるが、それはないものねだりであって、本来は凡庸な社員の集まりであっても生産性を上げる組織的な視点が必要なのだ。
10.新進気鋭なアーティストとして人気がある彼はわたしからすれば凡庸の才に過ぎず、インターネットを使ったマーケティングに長けているだけに過ぎないのだ。
11.今度入った新入社員は基本的な業務ができず、凡庸以下にもかからわず、プライドだけは一人前なのだから、私としても取り扱いに困っているのだよ。

この言葉がよく使われる場面としては、秀でた特徴を持たずに詰まらない人や物を表現したい時などが挙げられます。「凡庸」という言葉は、類義語の「平凡」や「月並み」よりも、貶す意味で使われることの多い言葉です。

例文1の「凡庸な悪」というのは、かのアイヒマンを形容して作られた造語です。アイヒマンは指示されたことしか出来ず、自分で善悪の判断を付けることが出来ないタイプの官僚でした。

凡庸という言葉には、能力が秀でていないという意味合いがあり、それに対して「平凡」や「月並み」特徴が秀でていないという意味合いが強い言葉です。凡庸という言葉を使うか迷った際には、能力を表現しようとしているか考えてみて下さい。

ただし、凡庸と言う言葉は悪口のようなものなので、慎重に使用して下さい。

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