似た意味を持つ「売上」(読み方:うりあげ)と「利益」(読み方:りえき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「売上」と「利益」という言葉は、どちらも会計や経理で用いられる言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
売上と利益の違い
売上と利益の意味の違い
売上と利益の違いを分かりやすく言うと、売上とは事業活動で得られた代金の総額、利益とは事業活動で得られた儲けという違いです。
売上と利益の使い方の違い
一つ目の売上を使った分かりやすい例としては、「今日のフリマの売上を集計する」「損益計算書の売上高について確認する」「売上原価をできるだけ抑えたい」「ネットショップの売上が落ちた」などがあります。
二つ目の利益を使った分かりやすい例としては、「株で莫大な利益をあげることが出来た」「利益率計算を簡易にしたい」「利益供与の禁止が定められています」「利益率の出し方が間違っている」などがあります。
売上と利益の使い分け方
売上と利益という言葉は、どちらもビジネス上の会計や経理で用いられ、どちらも事業活動により得られる金銭を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
売上とは商品などを売って得た代金の総額を意味し、利益とは事業などをして得る儲けを意味します。例えば、リンゴを70円で仕入れて100円で売ると、儲けは30円となります。この場合、売上はリンゴの代金である100円、利益は儲け分の30円です。
つまり、売上は事業活動で得られた代金であり、利益は売上から費用を差し引いて残った儲けのことなのです。
売上と利益の英語表記の違い
売上を英語にすると「sales」「sales volume」「」となり、例えば上記の「今日の売上を集計する」を英語にすると「total up today’s sale」となります。
一方、利益を英語にすると「profit」「gain」「benefit」となり、例えば上記の「莫大な利益」を英語にすると「copious profits」となります。
売上の意味
売上とは
売上とは、商品などを売って得た代金の総額を意味しています。
表現方法は「売上が高い」「売上が立つ」「売上が大きい」
「売上が高い」「売上が立つ」「売上が大きい」などが、売上を使った一般的な言い回しです。
売上の使い方
売上を使った分かりやすい例としては、「売上台帳の書き方を教えてもらう」「売上高の計算方法について会計士から指摘を受けた」「不況で売上が落ちる」「売上アップの戦略を立てる」「売上債権には売掛金や受取手形があります」などがあります。
その他にも、「今月も売上目標に届かなそうだ」「売上総利益とは一般に粗利とも言う」「セールストークを変えると売上が伸びる」「今日の売上高は少ない」「売上原価の計算方法を確認して下さい」「売上高営業利益率を分析して経営を見直す」などがあります。
売上の言い換え語は「売上高」「売上金」「売上金額」
売上とは、商品やサービスを販売することによって得る代金の総額のことを意味し、「売上高」「売上金」「売上金額」とも言います。また、販売することを売り上げると表現します。
「売上目標」の意味
上記の例文になる「売上目標」とは、会社や組織が営業活動によって、特定の期間内に達成するべき売上げ金額や販売数量などを決めた数字を意味します。
「売上台帳」の意味
売上という言葉を用いた日本語には「売上台帳」があります。売上台帳とは簡単に言えば、売上を管理するための帳簿のことです。一般に、売り上げの日付、品目、数量、金額などの明細を記録します。
売上の対義語
売上の対義語・反対語としては、商品や原料を買い入れることを意味する「仕入れ」、ある目的のために自分の所有する金銭や物品を支払うことを意味する「支出」などがあります。
売上の類語
売上の類語・類義語としては、売れた商品の数量やその金額を意味する「売れ高」、商売などの売り上げや稼ぎ高を意味する「水揚げ」、収入や売上高を意味する「上がり高」などがあります。
利益の意味
利益とは
利益とは、事業などをして得る儲け、利潤を意味しています。
その他にも、得になることや益になることの意味も持っています。
表現方法は「利益が多い」「利益が出る」「利益を上げる」
「利益が多い」「利益が出る」「利益を上げる」などが、利益を使った一般的な言い回しです。
利益の使い方
「利益余剰金がマイナスになってしまった」「利益率の求め方を解説します」「取締役による利益相反取引があった」「利益準備金はいくらぐらいが適切なのだろう」などの文中で使われている利益は、「事業などをして得るもうけ」の意味で使われています。
一方、「国民の利益をはかる政策が必要だ」「君にとって利益のある話を持ってきたよ」「公共の利益を大事にしたい」「利益にならないことはしたくない」「利益原則に則った判決だった」などの文中で使われている利益は、「得になることや益になること」の意味で使われています。
利益という言葉は、上記の例文にあるように二つの意味があります。事業活動による儲けの意味での利益は会計上で多く用いられ、売上から費用を差し引いて残った金額のことを指します。この利益には、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益、税引前当期純利益の5種類があります。
「利益原則」の意味
利益という言葉を用いた日本語には「利益原則」があります。刑事裁判において、検察官が被告人の犯罪事実を立証できない場合は、被告人の利益になるように判決を下すという考え方を意味します。この言葉の利益は「得になることや益になること」の意味です。
利益の対義語
利益の対義語・反対語としては、利益にならないことや損になることを意味する「不利益」、利益を失わせることや失うことを意味する「損害」、財産や利益などを失うことを意味する「損失」などがあります。
利益の類語
利益の類語・類義語としては、得をすることや思いがけない良い目をみることを意味する「儲け」、事業などによって利益を得ることを意味する「収益」、都合がよく利益のあることを意味する「便益」、利益があることや役立つことを意味する「ため」などがあります。
売上の例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品やサービスを販売することによって得る代金の総額を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「売上原価」とは、商品の仕入れや製造にかかった費用のことです。売上総利益を計算するために必要となり、売上総利益は売上高から売上原価を差し引くと計算できます。
利益の例文
この言葉がよく使われる場面としては、経済活動によって会計上で生じた儲け、ためになることや益になることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある利益は、経済活動によって会計上で生じた儲けの意味で、例文5の利益は益になることの意味で使われています。例文3にある「純利益」は、売上金から製造や販売にかかった費用、税金などを差し引いた企業の最終的な儲けを意味します。
売上と利益という言葉は、どちらも会計や経理で用いられる言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、商品などを売って得た代金の総額を表現したい時は「売上」を、事業などをして得る儲けを表現したい時は「利益」を使うようにしましょう。