【広報】と【広告】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「広報」(読み方:こうほう)と「広告」(読み方:こうこく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「広報」と「広告」という言葉は、どちらも「広く人々に知らせること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




広報と広告の違い

広報と広告の意味の違い

広報と広告の違いを分かりやすく言うと、広報とは良好な関係を築く目的で情報を発信すること、広告とは利益を得る目的で商品情報を宣伝することという違いです。

広報と広告の使い方の違い

一つ目の広報を使った分かりやすい例としては、「効果的な広報活動を行うべきです」「広報誌のデザインを一新しました」「広報の仕事内容を教えてください」「広報担当者向けのオンラインセミナーです」などがあります。

二つ目の広告を使った分かりやすい例としては、「インスタの広告収入で生活しています」「広告宣伝費として費用に計上する」「広告代理店の売上ランキングをチェックする」「iphoneの広告ブロックのやり方を知っていますか」などがあります。

広報と広告の使い分け方

広報と広告という言葉は、どちらも企業などの組織団体が事業や商品などの情報を世間に広く知らせることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

広報とは、企業や行政機関などの各種団体が、広く人々に向けて自らの考えや計画、実際の諸活動を知らせることを意味します。広報は、社会の人々との関係性を築く役割を担っており、企業であれば自社に対して良好なイメージを持たせたり自社商品の認知度向上などの目的があります。

広告とは、利益を得ることを目的として、商品やサービスなどの情報を積極的に世間に広く宣伝することを意味します。広告メディアには、新聞などの印刷媒体、テレビなどの電波媒体、ネオンサインなどの定置媒体などありましたが、近年はインターネットを媒体としたネット広告も利用されています。

つまり、広報と広告の違いは目的です。広報は人々と良好な関係を築くために情報を発信しますが、広告は営利を得るために商品情報を発信するものです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使い分けるようにしましょう。

広報と広告の英語表記の違い

広報を英語にすると「public relations」「public information」「publicity」となり、例えば上記の「広報活動」を英語にすると「publicity activities」となります。

一方、広告を英語にすると「advertising」「advertisement」となり、例えば上記の「広告収入」を英語にすると「advertising revenue」となります。

広報の意味

広報とは

広報とは、官公庁・企業・各種団体などが施策や業務内容などを広く一般の人に知らせること、その知らせを意味しています。

広報の漢字表記

広報は「弘報」とも書きますが、一般的には「広報」と表記されています。

広報の読み方

広報の読み方は「こうほう」です。同じ読み方をする熟語に「公報」「工法」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

広報の使い方

広報を使った分かりやすい例としては、「財務省が発行する政策広報誌を取り寄せる」「広報担当者に英語力は必要でしょうか」「広報に向いている人の特徴は何ですか」「私は広報の仕事に誇りを持っています」などがあります。

その他にも、「心理テストによると私は広報運動家タイプです」「広報運動家は人に嫌われる傾向があります」「広報運動家型の恋愛はどうですか」「広報活動家タイプは人付き合いが上手です」などがあります。

広報とは、文字通り「広く報じること」であり、行政機関や企業あるいは学校PTAなどの諸団体が、施策や活動内容などについて各種のメディアを通じて広く一般に知らせることを意味します。

広報活動の手段としては、報道機関への情報提供であるパブリシティー、マスコミ広告、ポスター、リーフレット、講演会、催事などがあります。広報活動は組織の内外に向けて行われるもので、それぞれ「社内広報」「社外広報」と呼ばれています。

「広報外交」の意味

広報を用いた日本語には「広報外交」があります。広報外交とは「パブリックディプロマシー」「広報文化外交」とも言い、政府と民間が連携しながら、広報や文化交流を通じて外国の国民や世論に働きかける外交を意味します。

広報の対義語

広報の対義語・反対語としては、他人に知られないようにすることを意味する「秘密」などがあります。

広報の類語

広報の類語・類義語としては、公共団体がある事項を広く一般に知らせることを意味する「公告」、告げ知らせることや報知を意味する「報道」、公の機関が一般の人に広く知らせるために発表することを意味する「公示」、放送によってや案内などを告げることを意味する「アナウンス」などがあります。

広告の意味

広告とは

広告とは、広く世間一般に告げ知らせることを意味しています。

その他にも、「商業上の目的で商品やサービスあるいは事業などの情報を積極的に世間に広く宣伝すること、また、そのための文書や放送など」の意味も持っています。

表現方法は「広告ブロック」「広告サイト」

「広告ブロック」「広告サイト」などが、広告を使った一般的な言い回しです。

広告の使い方

「自分の主義主張を広告する」「世間に広告しない理由は何ですか」「テレビやラジオを通じて広告する」などの文中で使われている広告は、「広く世間に告げ知らせること」の意味で使われています。

一方、「広告をみて英語教室の体験を申し込みました」「夫は広告代理店に勤めています」「私は広告ブロッカーを使用しています」「おすすめの広告ブロックアプリを教えてください」などの文中で使われている広告は、「商業上の目的で商品などの情報を宣伝すること」の意味で使われています。

広告とは、もともと「広く告げ知らせること」を意味しますが、多くは「商業上の目的で商品やサービスなどの情報を宣伝すること」の意味で使用されている言葉です。主な広告としては新聞折り込み広告、ラジオ広告、DMなどがありますが、近年はインターネット上でのウェブ広告が増えています。

「広告代理店」の意味

広告を用いた日本語には「広告代理店」があります。広告代理店とは、広告主の委託による広告活動の代行を業務とする企業のことです。業務内容は、新聞やテレビ放送などへ出す広告の仲介をはじめ、市場調査や広告企画の立案や製作など広範囲にわたります。

広告の対義語

広告の対義語・反対語としては、表沙汰にしないことや内緒を意味する「内密」などがあります。

広告の類語

広告の類語・類義語としては、商品に対する理解を求めて広く知らせることを意味する「宣伝」、望ましいイメージや事業内容を多くの人々に知らせて理解を求める組織的活動を意味する「PR」、民間放送などで番組の前後や途中に行う広告を意味する「コマーシャル」などがあります。

広報の例文

1.情報を発信する企業の広報活動には、社内広報と社外広報があります。
2.PTAの広報とは何をするのかも分からずに、学校の広報委員を気安く引き受けてしまいました。
3.広報誌の第一号では、外国人教師による英語の授業について取り上げる予定です。
4.仕事としての広報とは、社外に向けて商品やサービスをPRしたり、社内に向けてお知らせを作成したりすることです
5.広報担当に向いている人は、情報感度やコミュニケーション能力が高い人です。
6.一度でいいからと拝み倒され社外に配る広報誌を一度だけ発行したら、それ以降広報担当として扱われている。
7.市役所の広報課は、最近の新型コロナウイルス対策について、ホームページやSNSを活用して市民の皆さまに分かりやすく情報発信をしています。
8.この企業の広報誌は、毎月新商品の紹介や社内の動向を掲載しており、従業員の意識向上にも役立っています。
9.学校のPTA広報の仕事は大変ですが、保護者への重要な情報を発信できる良い機会だと感じています。
10.大学の広報チームは、受験生獲得のため、オープンキャンパスや進学相談会など、年間を通じて多彩な広報活動を展開している。

この言葉がよく使われる場面としては、企業や団体が自分の組織をよく理解してもらい繁栄させるために行う活動を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「広報誌」とは、企業や学校などの団体が、活動内容や運営方針などを周知するために情報をまとめた制作物を指します。「PR誌」とも言います。

広告の例文

1.エリアやターゲットが選べることはチラシ広告のメリットですが、印刷コストがかかるというデメリットがあります。
2.自社にあった広告の種類が何かわからず困っていたので、広告代理店に相談することにしました。
3.ただいま巷で話題となっている面白い広告を、まとめてご紹介いたします。
4.広告業界に関わる英語を専門的に学べる英会話スクールを探しています。
5.Webサイトの広告ブロックを設定したはずなのに、いまだに目障りな広告が表示されるのは何故だろう。
6.これからは、高い値段を払ってまで新聞に広告を載せようという会社はどんどん減っていくだろう。
7.新製品の発売に合わせて、テレビやラジオ、インターネットを駆使した大規模な広告キャンペーンを展開し、消費者の関心を引きつけることに成功した。
8.広告を打たずにどうやったら製品をもっと多くの人に知ってもらえるか、我々はもっと知恵を出し合う必要がある。
9.広告代理店に依頼して制作した新しい広告ビデオが、SNSでバイラルヒットし、予想以上の反響を呼んだ。
10.大手の広告代理店の女性社員が自殺した事件は、日本社会の労働を巡る大きな闇をえぐり出すことになったはずだ。

この言葉がよく使われる場面としては、世間に広く知らせること、商品や興行などを世間に知らせるために宣伝することを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「広告ブロック」とは、Webサイトを閲覧している際に自動的に表示される広告を非表示にすることです。広告をブロックする方法は、ブラウザの広告設定を変更したり、広告ブロック用のアプリをインストールするのが一般的です。

広報と広告という言葉は、どちらも「広く一般の人に知らせること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、良好な関係を築く目的で情報発信することを表現したい時は「広報」を、商業上の目的で商品情報などを宣伝することを表現したい時は「広告」を使うようにしましょう。

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