【姑息】と【卑怯】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「姑息」(読み方:こそく)と「卑怯」(読み方:ひきょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「姑息」と「卑怯」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




姑息と卑怯の違い

姑息と卑怯の意味の違い

姑息と卑怯の違いを分かりやすく言うと、姑息とはその場しのぎであることを意味し、卑怯とは物事に正しく取り組もうとしないことを意味するという違いです。

姑息と卑怯の使い方の違い

一つ目の姑息を使った分かりやすい例としては、「姑息な手段をとる」「姑息な嘘をつく」「因循姑息な対応なので心配だ」「姑息な策では解決しない」「姑息手術を選択する」などがあります。

二つ目の卑怯を使った分かりやすい例としては、「卑怯な振る舞いは許されない」「卑怯な技を使って勝った」「この裏技を卑怯とは言うまいな」「仲間を裏切るなんて卑怯者だ」などがあります。

姑息と卑怯という言葉は、同じ意味であると思われがちなのですが、二つの言葉の意味は異なります。姑息は一時逃れやその場しのぎを意味し、卑怯は物事に正しく取り組もうとしないことを意味します。姑息は卑怯と同じ意味で使わることがあるのですが、実は誤った使い方になります。

上記の例の「姑息な手段」とは、卑怯な手段の意味ではありません。物事を根本から解決しようとせずに場当たり的にしのげれば良いとする手段、というのが本来の意味です。ただし、誤用されている場合もあるので、どちらの意味で使われているのかは文脈から判断する必要があります。

姑息と卑怯の英語表記の違い

姑息を英語にすると「makeshift」「temporizing」となり、例えば上記の「姑息な手段」を英語にすると「temporizing measures」となります。

一方、卑怯を英語にすると「cowardice」「meanness」「unfair」となり、例えば上記の「卑怯な振る舞い」を英語にすると「act like a coward」となります。

姑息の意味

姑息とは

姑息とは、その場しのぎや、場当たり的に取りつくろって苦境を切り抜けることを意味しています。

表現方法は「姑息な真似」「姑息な手段」「姑息なやり方」

「姑息な真似」「姑息な手段」「姑息なやり方」「姑息なやつ」などが、姑息を使った一般的な表現方法です。

姑息の使い方

姑息を使った分かりやすい例としては、「姑息的治療で様子をみる」「姑息な暗記法で試験に臨む」「それは姑息な手段だと思う」「トンネルの姑息作業が終了する」「姑息な対処法でしのぐ」などがあります。

その他にも、「ごまかすなど姑息な真似をするな」「姑息で場当たり的な判断だった」「姑息な答弁はやめて欲しい」「姑息な手法を案出した」「忙しいので姑息な対応しかできない」などがあります。

姑息の語源

姑息という言葉は、本来、一時の間に合わせに物事をすることを意味します。「姑」は少しの間、「息」は休息を表します。しばらくの間、息をついて休むことから、「姑息」は「その場しのぎ」の意味になりました。

姑息の意味が「その場しのぎ」であることから、「正々堂々と取り組まないさま、卑怯なさま」の意で用いられることが多くありますが、誤った使い方になるので注意しましょう。

四字熟語「因循姑息」の意味

姑息という言葉を用いた四字熟語には「因循姑息」(読み方:いんじゅんこそく)があり、 古い習慣にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさまを意味します。「因循姑息な政策は時代に合わない失策だ」などと使います。

姑息の対義語

姑息の対義語・反対語としては、根本に立ち戻って是正するさまを意味する「抜本的」などがあります。

姑息の類語

姑息の類語・類義語としては、仮の措置としてとりあえず定めることを意味する「暫定」(読み方:ざんてい)、その場を切り抜けようとすることを意味する「当座逃れ」などがあります。

姑息の姑の字を使った別の言葉としては、夫または妻の母を意味する「姑」(読み方:しゅうとめ)、夫や妻の兄弟姉妹を意味する「小姑」(読み方:こじゅうと)などがあります。

卑怯の意味

卑怯とは

卑怯とは、勇気がなく、物事に正面から取り組もうとしないことを意味しています。

卑怯の使い方

卑怯を使った分かりやすい例としては、「元彼は卑怯な男だった」「背後から攻撃するなんて卑怯な奴だ」「彼はカンニングするような卑怯者ではない」「卑劣かつ卑怯な行為はやめなさい」などがあります。

その他にも、「卑怯極まりないことはするな」「フェイントは卑怯な技ではない」「卑怯未練な言い訳が多い」「卑怯なやり方に腹が立つ」「卑怯な手段のように思われた」などがあります。

「卑怯者」の意味

卑怯という言葉は、勇気がなく物事に正しく取り組もうとしないことを意味する、マイナスなイメージがある言葉です。上記の例の「卑怯者」とは、勇気がない者や、自分の利益を得るためにずるい行いをする者を意味します。

四字熟語「卑怯千万」の意味

卑怯という言葉を用いた四字熟語には「卑怯千万」(読み方:ひきょうせんばん)があり、行動や考えなどが非常にずるいことを意味します。卑怯はずるくて心がいやしいこと、千万は程度がこの上ないことを表します。

卑怯の対義語

卑怯の対義語・反対語としては、態度や手段が正しくりっぱなさまを意味する「正々堂々」などがあります。

卑怯の類語

卑怯の類語・類義語としては、人格的に低級であることことを意味する「卑劣」(読み方:ひれつ)、わざと人を困らせたりつらく当たったりすることを意味する「意地悪」などがあります。

卑怯の卑の字を使った別の言葉としては、いじけることを意味する「卑屈」、へりくだることを意味する「卑下」、地位や身分が低いことを意味する「卑賎」などがあります。

姑息の例文

1.テストの直しで答えを丸写ししたら「姑息な真似をしないように」と先生にたしなめられた。
2.高齢の祖母は、大掛かりな手術ではなく姑息的治療を続けることを希望した。
3.お風呂に入る時間がないときは、シャワーだけですますという姑息な手を使う。
4.親が子を甘やかし必要なしつけを行わないことを「姑息の愛」と表現した学者がいた。
5.評価が関わるテストで、こそこそとカンニングをするような姑息な奴にはなりたくない。
6.姑息な手を使う人を相手に正攻法で攻めていっても埒があかないだろう。
7.その企業はコンプライアンスの見直しを図るといったが、実態は姑息にもうわべだけの弥縫策をしたのみである。
8.彼はピンチに陥ると、いつも姑息な手段を使って困難な状況を切り抜けているが、今度ばかりは上手くいかないだろう。
9.英検の勉強は、一夜漬けなど姑息なやり方を使わず、毎日真面目に取り組むことが大切だ。
10.そのバラエティ番組は、姑息な手を使って視聴者を取り込もうと躍起だったが、視聴率は相変わらず伸び悩んでいた。

この言葉がよく使われる場面としては、一時の間に合わせに物事をすることを表現したい時などが挙げられます。

姑息という言葉は、本来「一時しのぎ」を意味します。例文2にある「姑息的治療」とは、根治を目的とせず症状を低減する目的で行われる治療のことです。例文4の「姑息の愛」とは、真の愛ではなく場当たり的な愛を表しています。

例文5で使われている姑息は、「ずるい」「卑怯な」の意味で使われており、誤った使い方です。姑息という言葉は、俗に卑怯と同じ意味で使われていますが誤用になります。

卑怯の例文

1.会津藩のおきてには、卑怯な振る舞いをしてはならぬと定められていた。
2.真面目な人間としては、卑怯な人間の末路は不幸せであって欲しい。
3.子供が小さい頃に、イソップ物語の「卑怯なコウモリ」をよく読み聞かせていた。
4.ドーピングは卑怯というイメージが強いが、わざと薬を使っている選手はごく一部である。
5.スポーツにおいて勝つことを優先した作戦なのに、卑怯な勝利と言われることがある。
6.同僚がパワハラ上司を失脚させるために、K部長不倫してるらしいよと噂を広めてしまい、さすがにそれは卑怯だろうと怖くなった。
7.会社の上司が、部下に対して卑怯な仕打ちをしたのにもかかわらず、他の社員はだんまりである。
8.自分の昇進のために、同僚の秘密を暴露するなんて、なんて卑怯な行為だ。
9.あの高校はフェアプレイの精神がない。 何かにつけて卑怯で汚いことをするのだ。
10.世の中は甘くないといって、自身の卑怯な行為を正当化するような大人になってはいけない。

この言葉がよく使われる場面としては、物事に正面から取り組もうとしないことを表現したい時などが挙げられます。

卑怯という言葉は、勇気がなく物事に正しく取り組もうとしないことを意味します。例文1の卑怯な振る舞いとは、物事に正々堂々と向き合う勇気がない態度を表します。例文4の卑怯は、「ずるい」「こすい」「不正」という意味で使われています。

姑息と卑怯いう言葉は、同じ意味であると思われがちなのですが、それぞれの意味は異なります。姑息はその場しのぎを意味し、卑怯は物事に正面から取り組もうとしないことを意味します。本来、姑息は卑怯と同じ意味ではないことを覚えておきましょう。

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