似た意味を持つ「バーチャル」と「リアル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「バーチャル」と「リアル」という言葉は、「空間に関する言葉」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
バーチャルとリアルの違い
バーチャルとリアルの意味の違い
バーチャルとリアルの違いを分かりやすく言うと、バーチャルは実体を伴わない時に使い、リアルは実体を伴う時にも使うという違いです。
バーチャルとリアルの使い方の違い
一つ目のバーチャルを使った分かりやすい例としては、「バーチャルリアリティを体験できる施設へ遊びに行く」「バーチャルYouTuberの配信を楽しみにしている」「バーチャル世界にオフィスを構えるという方法もあるようだ」などがあります。
二つ目のリアルを使った分かりやすい例としては、「映像を見てこんなにもリアルに感じるものなのかと不思議に思った」「彼女とは長いことネット上で話をしていたがついにリアルで会う予定が立った」「リアルタイムでの配信で事故があったら大変だ」などがあります。
バーチャルとリアルの使い分け方
バーチャルとリアルはどちらも、空間に関する言葉として使われていますが、意味や使い方が異なります。
バーチャルは、仮想的である様子を表します。実在しない空間や存在に対して使われる言葉であるため、本物のように見えたり、本物を体験したかのような感覚になることができます。
一方のリアルは、現実的である様子を表します。現実そのものや現実社会を表す言葉としても使われ、ネット上と対照的に使われることも多くあります。また、今の瞬間を指す言葉としても使われています。
つまり、バーチャルは実体を伴わないものに対して使われ、リアルは必ずしも実体を伴う必要がないものに対して使われるという違いがあります。実体の有無のみで言えば対義語と考えることができますが、それ以外は対義語として扱われることはありません。
リアルを現実的、写実的という意味で使う場合にはバーチャルとリアルは両立でき、「バーチャルリアリティ」、省略して「VR」と呼ばれています。仮想空間の中で疑似体験ができるとして人気を集めているコンテンツです。
バーチャルとリアルの英語表記の違い
バーチャルを英語にすると「virtual」となり、例えば上記の「バーチャルリアリティ」を英語にすると「virtual reality」となります。
一方、リアルを英語にすると「real」となり、例えば上記の「リアルに感じる」を英語にすると「feel quite real」となります。
バーチャルの意味
バーチャルとは
バーチャルとは、仮想的、擬似的である様子を意味しています。
バーチャルの使い方
バーチャルを使った分かりやすい例としては、「バーチャルアイドルに楽曲を歌わせる文化が根付き、有名なプロデューサーが何人も排出された」「声をかけたら話をしてくれるバーチャルアシスタントとしか最近会話していない」などがあります。
その他にも、「バーチャルYouTuberの配信を最近絶えず視聴している」「バーチャルオフィスであれば商業用として連絡先を記載することができる」「バーチャルな世界ばかりに没頭しているからと母に不安がられたことがある」「バーチャル世界でスポーツ体験をする」などがあります。
バーチャルは英語で「virtual」と表記され、「事実上の」「実質上の」「仮想の」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われ、「ヴァーチャル」と表記されることもあります。
「バーチャルオフィス」の意味
上記例文の「バーチャルオフィス」とは、住所や電話番号を借りるオフィスを指す言葉で、スペースや住居を借りることはしないオフィス形態です。
「バーチャルアイドル」「バーチャルアシスタント」の意味
今日ではインターネットや動画配信サイトの普及により、実在しない架空のアイドルを意味する「バーチャルアイドル」、ユーザーと対話することでタスクを実行するシステムである「バーチャルアシスタント」などが身近なものとなっています。
「バーチャルYouTuber」の意味
同様に「バーチャルYouTuber」も新しいクリエイターやエンターテイナーとして、「Vtuber」とも呼ばれ親しまれています。個人で配信などをクリエイティブな活動をする人もいれば、企業的に活躍させる方法もあり、一職業として扱われていることもあります。
バーチャルの類語
バーチャルの類語・類義語としては、仮想空間を意味する「メタバース」、現実にはあり得ないような事柄を想像することを意味する「空想」、俗界を離れた別世界や理想郷を意味する「桃源郷」などがあります。
リアルの意味
リアルとは
リアルとは、現実的である様子を意味しています。
その他にも、現実世界や実社会、今この瞬間を意味する言葉として使われています。
リアルの使い方
「リアルな画風よりコミック寄りのイラストを描きたい」「リアルさを追求して作られた映画は人気を集めていた」「まるでリアルに存在するような絵に触れたくなった」などの文中で使われているリアルは、「現実的である様子」の意味で使われています。
一方、「簡単にリアルで会おうだなんて言わない方がいい」などの文中で使われているリアルは「現実世界」の意味で使われ、「気象情報をリアルタイムで実況している」などの文中で使われているリアルは「今この瞬間」の意味で使われています。
リアルは英語で「real」と表記され、「実在する」「現実の」「本物の」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われ、インターネットが普及したことによってネット上と対になる言葉として使われることもあります。
その他にも、「リアルで会う」「リアルとチャット上」などのように「現実世界」を表したり、「リアルタイム」「リアル実況」などのように「現在時点」「今この瞬間」を表す言葉としても使われています。
「リアルな気持ちを伝える」「現場のリアルな意見」の意味
また、「リアルな気持ちを伝える」「現場のリアルな意見」などのように、「実際の」「本当の」といった意味で使われることもあります。
リアルの対義語
リアルの対義語・反対語としては、まやかしや偽物を意味する「フェイク」、事実に基づいておらず想像によって作り上げられた様子を意味する「架空」があります。
リアルの類語
リアルの類語・類義語としては、物事のあるがままの状態を意味する「実際」、物事の実際の事情を意味する「実情」、実際にその行動することを意味する「実地」、内部の実情を意味する「内実」などがあります。
バーチャルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、仮想的、擬似的である様子を意味する時などが挙げられます。
どの例文のバーチャルも、現実には実体が存在しないものに対して使われています。
リアルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、現実的である様子を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、現実世界や実社会、今この瞬間を意味する言葉としても使われています。
バーチャルとリアルは、どちらも「空間に関する言葉」として使われます。どちらを使うか迷った場合は、実体を伴わない場合は「バーチャル」を、実体を伴う場合は「リアル」を使うと覚えておけば間違いありません。