似た意味を持つ「私ども」(読み方:わたくしども)と「私たち」(読み方:わたくしたち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「私ども」と「私たち」という言葉は、どちらも一人称の人代名詞を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「私ども」と「私たち」の違い
「私ども」と「私たち」の意味の違い
「私ども」と「私たち」の違いを分かりやすく言うと、「私ども」は目上の人に使える、「私たち」は目上の人に使えないという違いです。
「私ども」と「私たち」の使い方の違い
一つ目の「私ども」を使った分かりやすい例としては、「私どもは土日は営業しておりません」「その件は私どものミスでございます」「私どもがお役に立てることがあれば何なりとお申し付けくださいませ」「私どもは責任を持って報告を管理しています」などがあります。
二つ目の「私たち」を使った分かりやすい例としては、「私たちはみんな元気に暮らしていますよ」「私たちは駅まで彼を見送りにいきました」「私たちの出会いはまったくの偶然でした」「私たちは高校の頃の同級生です」などがあります。
「私ども」と「私たち」の使い分け方
「私ども」と「私たち」はどちらも一人称の人代名詞のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「私ども」は自分たちを謙った表現なので、目上の人に対して使うことができます。一方、「私たち」は謙った表現がない言葉なので、目上の人に対して使うことができないというのが違いです。
また、ビジネスシーンで一般に用いられるのは「私ども」で、「私たち」はビジネスシーンではほとんど使わない言葉と覚えておきましょう。
「私ども」と「私たち」の英語表記の違い
「私ども」も「私たち」も英語にすると「we」となり、例えば上記の「私どもは責任を持って報告を管理しています」を英語にすると「We are managing the report responsibly」となります。
「私ども」の意味
「私ども」とは
「私ども」とは、一人称の人代名詞で自分や集団などを謙って言うことを意味しています。
「私ども」の漢字表記
「私ども」を漢字にすると、「私共」と表記することができます。公用文においては「私ども」とした方がいいでしょう。なぜなら公用文では、複数の人を表す接尾語は原則として仮名で書くとされているからです。
「私ども」の読み方
「私ども」の読み方は「わたくしども」です。誤って「わたしども」と読まないようにしましょう。
表現方法は「私どもとしましても」「私どもといたしましては」
「私どもとしましても」「私どもといたしましては」などが、「私ども」を使った一般的な言い回しになります。
「私ども」の使い方
「私ども」を使った分かりやすい例としては、「私どもは多くの国と取引を行なっています」「私どもはこの技術を活かして多くのユーザーに快適なサービスをお届けいたします」「申し訳ございませんが私どもはそのような予約を承っておりません」などがあります。
「私ども」は自分や集団などを謙って言うことを意味する一人称の人代名詞です。一人称の人代名詞とは、話し手自身を指す代名詞のことを意味しています。
「私ども」以外の一人称の人代名詞を挙げると、「儂」、「俺」「僕」「麻呂」「吾輩」「拙者」「某」、「小生」、「自分」「当方」、「此方」、「ウチ」などがあります。
「私ども」は目上の人に使える
「私ども」は自分や集団などを謙って使う言葉なので、謙譲語表現になります。謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。
「私ども」は敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて目上の人に対して使うことが可能です。
例えば、記者会見などで自分の所属する会社のことを「私ども」と言うこともよくあり、「私どもの不手際によりご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」のような使い方はよくされています。
また、結婚式のスピーチにおいて、「本日はご多用の中、私どものためにお集まりいただき、ありがとうございました」のような使い方もされています。
したがって、「私ども」はかしこまった場面において、ビジネスシーンと日常生活のどちらでも使うことができると覚えておきましょう。
「私ども」の類語
「私ども」の類語・類義語としては、自分の会社を謙って言うことを意味する「弊社」、商人たちが謙って自分のことを言うことを意味する「手前ども」などがあります。
「私たち」の意味
「私たち」とは
「私たち」とは、一人称の人代名詞で私の複数形のことを意味しています。
「私たち」の漢字表記
「私たち」を漢字にすると、「私達」と表記することができますが、公用文においては「私たち」とした方がいいでしょう。なぜなら公用文では、複数の人を表す接尾語は原則として仮名で書くとされているからです。
「私たち」の読み方
「私たち」の読み方は「わたくしたち」です。誤って「わたしたち」と読まないようにしましょう。
「私たち」の使い方
「私たち」を使った分かりやすい例としては、「私たちは長期休暇を利用して旅行へ行きました」「私たちは彼らに援助を求めました」「友達に見えるが私たちは母娘です」「私たちは彼のことをとても尊敬しています」などがあります。
「私たち」は私の複数形のことを意味する一人称の人代名詞です。
「私たち」はややカジュアルな表現なので、日常生活などの一般的な会話において使われている言葉になります。
「私たち」の注意点
「私たち」を使う上で注意しなければならないのは、目上の人に対してあまり使用されていない言葉なので、ビジネスシーンにおいてほとんど使われていないという点です。
「私たち」の類語
「私たち」の類語・類義語としては、我の複数のことを意味する「我々」、自分を含む複数人数を指す人称のことを意味する「自分たち」、われわれのことを意味する「我ら」などがあります。
「私ども」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一人称の人代名詞で自分や集団などを謙って言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「私ども」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「私たち」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一人称の人代名詞で私の複数形のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「私たち」はビジネスシーンにおいてはあまり使われていない言葉です。
「私ども」と「私たち」はどちらも一人称の人代名詞を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に使えるのが「私ども」、目上の人に使えないのが「私たち」と覚えておきましょう。