似た意味を持つ「コロン」と「セミコロン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「コロン」と「セミコロン」という言葉は、「欧文の句読点」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
コロンとセミコロンの違い
コロンとセミコロンの意味の違い
コロンとセミコロンの違いを分かりやすく言うと、コロンは引用や言い換えをする時に使い、セミコロンは独立した文章に繋がりを持たせる時に使うという違いです。
コロンとセミコロンの使い方の違い
一つ目のコロンを使った分かりやすい例としては、「コロンの後ろの文章はその直前の文章にも注目する必要がある」「4:3の動画を16:9に変更することはできるが左右に黒い枠のようなものが表れる」「12:30に集合してお昼を食べに行こう」などがあります。
二つ目のセミコロンを使った分かりやすい例としては、「セミコロンは顔文字の目としてよく使われている」「開催地の欄には横浜,東京;大阪,神戸と書かれていた」「句読点としてではなくプログラミング言語としてセミコロンはよく見る」などがあります。
コロンとセミコロンの使い分け方
コロンとセミコロンはどちらも英語の文章内で使われる句読点で、基本的にはどちらの記号も音読されることはありません、働きが大きく異なります。
コロンは、欧文においてコロン直前の文章と直後の文章が引用や言い換え、具体例などの関係を持つことを示す記号で、「:」と表記されます。日本語では、比率を表す場合や時間を表す場合に使われることがほとんどです。
一方のセミコロンは、欧文においてセミコロン前後の独立した文章をつなげるための記号で、「;」と表記されます。日本語では、上記例文の「横浜,東京;大阪,神戸」のようにカンマの代わりとなり、大きな枠組みを読者に示すために使われることがあります。
つまり、コロンは前後の文章が言い換えや引用、具体例といった関係性を持つことを示すのに対して、セミコロンは前後の文章が原因と結果の関係であるなど繋がりがあることを示すという明確な違いがあります。
また、コロンは比率や時間を表す記号としても使われていますが、セミコロンにはこういった接続詞のように使う句読点としての働きしかありません。
コロンとセミコロンの英語表記の違い
コロンを英語にすると「colon」となりますが、基本的に記号が用いられるため、例えば「寿司、味噌汁やカレーといった日本食が好きだ」を英語にすると「I like Japanese food: sushi,miso soup ,curry.」となります。
一方、セミコロンを英語にすると「semicolon」となり、コロン同様記号が用いられるため、「夜更かしをしたから寝坊した」を英語にすると「I stayed up late; I slept in this morning.」となります。
コロンの意味
コロンとは
コロンとは、引用や言い換え、話者の変更の際に区切るための句読点を意味しています。
その他にも、比を表す記号として数学用語としても使われています。
コロンの使い方
「コロンの前の文章は完成された文章である必要がある」「本日の議題:お小遣いと書かれた紙が黒板に貼り出された」「パンフレットには開始時間:13時と記載されていた」などの文中で使われているコロンは、「区切るための記号」として使われています。
一方、「1:4の割合でジュースを作る」「3倍希釈のめんつゆでスープをたくさん作りたいからと2:4になるようにした」「4:3や16:9といった画面比率は動画作成で必ず目にする」などの文中で使われているコロンは、「比を表す記号」として使われています。
コロンは記号で「:」、英語で「colon」と表記される句読点です。ラテン語に由来した言葉ですが、ギリシャ語においては記号ではなく、文章の一節を表す言葉として使われていました。
後に、「:」は話者の変更を読者に示すための記号として使われ、1600年頃に導入されるようになり、今日では具体的な例や言い換えた文章をすぐ後ろに記す場合や、引用文を記す場合に接続詞の代わりに使われていますが、コロンと読むことはありません。
日本語で「:」という記号を文章内でそのまま使うことはありませんが、上記例文の「17:00」などの時間や、「1:4」「2:4」などの比率を表す場合に使われます。前者はコロンを「時」と読み、後者は「対」と読み、こちらもコロンと読むことはありません。
また、コロンという言葉は、通常の香水よりも持続時間が短い芳香品を指す「オーデコロン」の略称としても使われています。この場合の英語表記は「cologne」となるため、句読点としてのコロンとは全く別の言葉です。
コロンの類語
コロンの類語・類義語としては、語句と語句の間に入れる記号を指す「ダッシュ」、横書きの文章における読点を指す「コンマ」などがあります。
セミコロンの意味
セミコロンとは
セミコロンとは、ちょっとした切れ目や文章を一応区切るための句読点を意味しています。
セミコロンの使い方
セミコロンを使った分かりやすい例としては、「セミコロンは接続詞と共に使われた文章を見た」「関係代名詞の勉強をした時にセミコロンのことも学んだ」「和文でセミコロンを見たことがない」「論文内でセミコロンを見た覚えがある」などがあります。
その他にも、「赤,黄;青,緑の規則性に最初は気が付かなかった」「福岡,長崎;香川,徳島,愛媛などの旅行先候補が上がった」「お茶,コーヒー,紅茶;オレンジジュース,リンゴジュースの中から一つ好きなものを選べるらしい」などがあります。
セミコロンは記号で「;」、英語で「semicolon」と表記される句読点です。縦書きの文章に用いられる「、」と横書きの文章に用いられる「,」の読み方を組み合わせた「テンコンマ」という呼び方がされることもあります。
ピリオドとカンマの間の意味を持つような15世紀に出版された印刷物に初めて使われ、1880年代には文の区切りとして使われていました。
今日でも、関連する短い二つの文章を繋げるために、コンマではなくセミコロンを使いますが、日本語ではセミコロンに関する用法が定着していないため、欧文に見られる表現です。
まれに、「赤,黄;青,緑」など対等なものとして並べられている中でも、記号より前の色は暖色系、記号より後ろの色は寒色系というように区分を作るためにセミコロンが使われることがありますが、コンマがそのまま用いられることもあります。
セミコロンの類語
セミコロンの類語・類義語としては、読点よりも大きな区切りを表す記号として用いられた記号を指す「白ゴマ点」、文章の終わりに打つ記号を指す「ピリオド」などがあります。
コロンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、引用や言い換え、話者の変更の際に区切るための句読点を意味する時などが挙げられます。
日本語では例文1のように話者を明確にするために使われますが、英語のように完全な文章がコロンの前に来る必要があるわけではありません。
また、例文3のように具体的な内容を、例文4のように比率を、例文5のように時間を示すなどの使い方もされています。
セミコロンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ちょっとした切れ目や文章を一応区切るための句読点を意味する時などが挙げられます。
コロンのように和文で「;」という記号を用いることはほとんどありませんが、例文5の「ティッシュ,ハンカチ;着替え」などのように物事を並列にしつつも別の区分の表現を行うこともまれにあります。
コロンとセミコロンは、どちらも「欧文の句読点」を表します。どちらを使うか迷った場合は、引用や言い換えをする場合は「コロン」を、独立した文章に繋がりを持たせる場合は「セミコロン」を使うと覚えておけば間違いありません。