似た意味を持つ「万年」(読み方:まんねん)と「晩年」(読み方:ばんねん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「万年」と「晩年」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
万年と晩年の違い
万年と晩年の意味の違い
万年と晩年の違いを分かりやすく言うと、万年とは非常に長い年月を表し、晩年とは人生の終わりの時期を表すという違いです。
万年と晩年の使い方の違い
一つ目の万年を使った分かりやすい例としては、「万年雪は夏になっても残っています」「君子万年というから兄は長生きするだろう」「私はバスケ部で万年補欠でした」「万年の悩みを聞いてもらえますか」などがあります。
二つ目の晩年を使った分かりやすい例としては、「願わくば幸せな晩年を送りたい」「晩年とは何歳からを言いますか」「晩年お金に困らない手相である」「晩年落ちぶれる人にはなりたくない」などがあります。
万年と晩年の使い分け方
万年と晩年という言葉は、どちらも年月を表す「年」という漢字を含み、音の響きがよく似ていますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
万年とは、万という単位の年数のことであり、非常に長い年月を意味します。上記の例文にある「万年の悩み」とは、長年の悩みを意味します。また、「万年雪」「万年補欠」のような使い方で、いつまでも変わらず、その状態であることを表す接頭語になります。
晩年とは、人の一生の終わり頃を意味します。晩年という言葉は、その人が他界したのちに一生を振り返る際に用いることがほとんどです。なぜなら、一生がいつ終わるかは実際に人が亡くなってからでないと分からないからです。また、年老いてからの時期を漠然と指すこともあります。
つまり、万年とは長い年月や状態がずっと変わらないことを表し、晩年とは一生の終わりに近い時期を意味する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は大きく異なりますので、きちんと使い分けるようにしましょう。
万年と晩年の英語表記の違い
万年を英語にすると「ten thousand years」「eternity」「perpetual」となり、例えば上記の「万年雪」を英語にすると「perpetual snow 」となります。
一方、晩年を英語にすると「later life」「one’s later years」「final years」となり、例えば上記の「晩年を送る」を英語にすると「spend one’s final years」となります。
万年の意味
万年とは
万年とは、1万年、非常に長い年月、よろずよを意味しています。
その他にも、「名詞に付いて、いつまでも変わらず、その状態である」の意味も持っています。
万年の読み方
万年の読み方は「まんねん」です。ただし、例外的に「君子万年」は「くんしばんねん」、「万年青」は「おもと」と読みます。
表現方法は「万年の悩み」「万年金欠」「万年最下位」
「万年の悩み」「万年金欠」「万年最下位」などが、万年を使った一般的な言い回しです。
万年の使い方
「万年の疑問がやっと解決しました」「おすすめの万年筆はありますか」「万年塀の耐用年数はどれぐらいですか」「おしゃれな万年カレンダーをネットで買いました」などの文中で使われている万年は、「1万年、非常に長い年月」の意味で使われています。
一方、「万年床にしていたらカビが生えた」「万年青年のための予防医学があります」「ずっとだるい自分は万年思春期なのだろうか」などの文中で使われている万年は、「いつまでも変わらず、その状態である」の意味で使われています。
万年とは、文字通り「万の年数」を表し、非常に長い年月や限りなく長く続く世を意味します。転じて、「万年○○」のように接頭語として名詞に付き、いつまでも変わらずに同じ状態であることを意味する言葉です。
「万年床」の意味
上記の例文にある「万年床」とは、フローリングや畳の上に直接布団を敷いたままにしている状態を意味します。
四字熟語「君子万年」の意味
万年を用いた四字熟語には「君子万年」(読み方:くんしばんねん)があります。君子万年とは、徳のある立派な人は長生きであることを意味します。長寿を願う四字熟語です。
万年の対義語
万年の対義語・反対語としては、一度またたきをするほどの極めてわずかな時間を意味する「一瞬」、きわめて短い時間を意味する「刹那」などがあります。
万年の類語
万年の類語・類義語としては、長い年月を意味する「長年」、いつまでも続くことを意味する「とこしなえ」、いつまでも果てしなく続くことを意味する「永遠」、いつまでも限りなく続くことを意味する「永久」などがあります。
晩年の意味
晩年とは
晩年とは、一生の終わりに近い時期、年老いてからの時期を意味しています。
晩年の読み方
晩年の読み方は「ばんねん」です。誤って「ばんとし」「ばんとせ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「晩年を過ごす」「晩年を迎える」「晩年期」
「晩年を過ごす」「晩年を迎える」「晩年期」などが、晩年を使った一般的な言い回しです。
晩年の使い方
晩年を使った分かりやすい例としては、「晩年期とは何歳ごろのことですか」「晩年はいつからいつまでですか」「人ぞれぞれ晩年に想うことがあります」「占い師に、晩年運が良い人だと言われました」などがあります。
その他にも、「晩年、父は太宰治の小説を読みふけっていました」「晩年の子どもの気持ちを想像する」「寝たきりで晩年を過ごす」「晩年期の運勢が気になります」「母は晩年幸せになる手相の持ち主です」などがあります。
晩年の「晩」は、訓読みで「おそい」と読み、時刻や時節が遅いこと、終わりに近いことを表します。時間の単位や年齢を表す「年」と組み合わさり、晩年とは、一生の終わりに近い時期を意味します。
晩年とは何歳を指すのか
晩年という言葉は、いつからいつまで、あるいは何歳ごろといった年齢の定義はありません。その人が亡くなってから使う表現であり、年齢とは関係なく亡くなった歳から逆算して使用します。何年さかのぼるかはケースによって違いますが、亡くなる2、3年前とすることが多いようです。
晩年の対義語
晩年の対義語・反対語としては、幼い年齢を意味する「幼年」、人の一生のうち幼年の時期を意味する「幼児期」などがあります。
晩年の類語
晩年の類語・類義語としては、年をとってからのちを意味する「老後」、年とった人のこれからの人生を意味する「生い先」、盛りの時期を過ぎた残りの生涯を意味する「余生」、 一生の最後を意味する「末路」などがあります。
万年の例文
この言葉がよく使われる場面としては、万の年数、非常に長い年月、長寿、いつまでも変わらずに同じ状態であることを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある万年は、非常に長い年月の意味で用いられています。例文から例文5の万年は、いつまでも変わらずその状態であることを意味する接頭語です。
例文2の「鶴は千年、亀は万年」とは、鶴は千年、亀は万年も生きるとされ、ともに長寿で縁起がとてもよいことを意味することわざです。中国の伝説による言葉であり、出典は、中国の「淮南子―説林訓」です。
晩年の例文
この言葉がよく使われる場面としては、年を取ったとき、一生の終わりの時期を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、晩年の慣用的な言い回しには「人生の晩年」「晩年の作品」などがあります。「人生の晩年」とは、命の終わりに近い時期を表す比喩的表現です。
万年と晩年という言葉は、似ていますが意味は大きく異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、非常に長い年月や同じ状態であることを表現したい時は「万年」を、一生の終わりの時期を表現したい時は「晩年」を使うようにしましょう。