【うっかり】と【すっかり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「うっかり」と「すっかり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「うっかり」と「すっかり」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「うっかり」と「すっかり」の違い

「うっかり」と「すっかり」の意味の違い

「うっかり」と「すっかり」の違いを分かりやすく言うと、「うっかり」とはぼんやりして注意が行き届かないこと、「すっかり」とは残るものがないことという違いです。

「うっかり」と「すっかり」の使い方の違い

一つ目の「うっかり」を使った分かりやすい例としては、「うっかりと彼の秘密を喋ってしまいました」「うっかりして忘れ物をしてしまいました」「彼女の誕生日をうっかり忘れてしまい大喧嘩になってしまいました」「うっかり約束を忘れてしまいました」などがあります。

二つ目の「すっかり」を使った分かりやすい例としては、「薬を飲んだらすっかり良くなりました」「彼はすっかり一人前になりました」「久々に帰省したら街並みがすっかり変わっていました」「すっかり気分が良くなりました」などがあります。

「うっかり」と「すっかり」の使い分け方

「うっかり」と「すっかり」は雰囲気が似ている言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「うっかり」はぼんやりして注意が行き届かないこと意味している言葉なのに対して、「すっかり」は残るものがないことや完全にある状態になっていることの意味で使われている言葉です。

例えば、「うっかり忘れた」と「すっかり忘れた」はどちらも正しい日本語ですが、「うっかり忘れた」はぼーっとしていて忘れたという意味で使うのに対して、「すっかり忘れた」は完全に忘れたという意味で使います。

つまり、「うっかり」か「すっかり」は雰囲気は似ているものの、意味は異なっている言葉であると覚えておきましょう。

「うっかり」と「すっかり」の英語表記の違い

「うっかり」を英語にすると「absentmindedly」「inadvertently」となり、例えば上記の「うっかり約束を忘れてしまいました」を英語にすると「I absentmindedly forgot my appointment」となります。

一方、「すっかり」を英語にすると「definitely」「completely」となり、例えば上記の「すっかり気分が良くなりました」を英語にすると「I have completely recovered」となります。

「うっかり」の意味

「うっかり」とは

「うっかり」とは、ぼんやりして注意が行き届かないことを意味しています。

表現方法は「うっかりする」「うっかりしてた」「うっかり者」

「うっかりする」「うっかりしてた」「うっかり者」などが、「うっかり」を使った一般的な言い回しになります。

「うっかり」の使い方

「うっかり」を使った分かりやすい例としては、「私はうっかりして転んでしまいました」「うっかりして美容院を予約するのを忘れてしまいました」「友達と通話中にうっかり寝てしまいました」「うっかり降りる駅を間違えて遅刻してしまいました」などがあります。

「うっかり」はぼんやりして注意が行き届かないことを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

そのため、「うっかり」自体には固有の意味はなく、組み合わせる言葉を強調する場合に使うのが一般的です。

「うっかり」の類語

「うっかり」の類語・類義語としては、そのつもりではないのにのことを意味する「思わず」、そのつもりがないのにしてしまうことを意味する「つい」、気持ちが集中せず間が抜けていることを意味する「ぼんやり」などがあります。

「すっかり」の意味

「すっかり」とは

「すっかり」とは、残るものがないことを意味しています。その他にも、完全にある状態になっていることの意味も持っています。

表現方法は「すっかり元気」「すっかり大きくなった」

「すっかり元気」「すっかり大きくなった」などが、「すっかり」を使った一般的な言い回しになります。

「すっかり」の使い方

「貯金していたお金がすっかりなくなってしまいました」「仕事がすっかり片付いたので心置きなく連休を迎えられる」などの文中で使われている「すっかり」は、「残るものがないこと」の意味で使われています。

一方、「身体の方はもうすっかり元気なので安心してください」「すっかり春になったので過ごしやすいです」などの文中で使われている「すっかり」は、「完全にある状態になっていること」の意味で使われています。

「すっかり」は残るものがないことと、完全にある状態になっていることの二つの意味を持っている副詞です。

「すっかり」は「すっかり寒くなりましたね」「すっかり気分が良くなりました」などのように、「すっかり」自体には固有の意味はなく、組み合わせる言葉を強調する場合に使うのが一般的になっています。

「すっかり」の特徴

「すっかり」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉ですが、「すっかり」自体は敬語表現ではないので、前後の文章で敬語表現を使用するようにしましょう。

「すっかり」の類語

「すっかり」の類語・類義語としては、足りないところが全くないことを意味する「完全に」、残らず全てのことを意味する「余すところなく」、無傷のところがないほど徹底的にのことを意味する「完膚なきまで」などがあります。

「うっかり」の例文

1.提出期限が明日だったのをうっかり忘れていて、徹夜でレポートを書いています。
2.結婚記念日をうっかり忘れていて、妻と大喧嘩になりました。
3.うっかりミスによる事故を防ぐために、点検は複数回行うようにときつく言っています。
4.彼の秘密をうっかり話してしまい、それが原因で絶縁状態になりました。
5.電車の中でうっかり寝過ごしてしまい、気がついた時には終点の駅でした。

この言葉がよく使われる場面としては、ぼんやりして注意が行き届かないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「うっかり」は不注意の場合に使うことが多い言葉です。

「すっかり」の例文

1.借金をすっかり返済したので、今年から貯金することができそうです。
2.昨日近所で火事があったが、火元の家はすっかり焼けてしまいました。
3.歯医者の予約をすっかり忘れていたので、慌てて準備することになりました。
4.最近は当たり前のように30度を超えるので、すっかり夏らしい季節になりました。
5.病院から処方された薬を2週間飲み続けたら、体調はすっかり良くなりました。

この言葉がよく使われる場面としては、残るものがないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、完全にある状態になっていることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「すっかり」は残るものがないこと、例文3から例文5の「すっかり」は完全にある状態になっていることの意味で使っています。

「うっかり」と「すっかり」は雰囲気が似ている言葉ですが意味は全く異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、ぼんやりして注意が行き届かないことを表現したい時は「うっかり」を、残るものがないことを表現したい時は「すっかり」を使うと覚えておきましょう。

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