同じ「わかる」という読み方の「分かる」と「解る」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「分かる」と「解る」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「分かる」と「解る」の違い
「分かる」と「解る」の意味の違い
「分かる」と「解る」の違いを分かりやすく言うと、「分かる」は公用文で使える、「解る」は公用文では使えないという違いです。
「分かる」と「解る」の使い方の違い
一つ目の「分かる」を使った分かりやすい例としては、「時が経てば分かることもあるだろう」「これでやっと世の中が分かった気がする」「試験の結果が分かるのはもう少し先だと思いますよ」「ついに彼女の居場所が分かった」などがあります。
二つ目の「解る」を使った分かりやすい例としては、「この問題の解き方は解る」「節税について以前よりも解るようになりました」「あなたには部長が言ってることが解るのだろうか」「基礎を学ぶことでこの問題の答えが解るようになりました」などがあります。
「分かる」と「解る」の使い分け方
「分かる」と「解る」はどちらも求められているものを実現して満足させることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、「分かる」は公用文で使えるのに対して、「解る」は公用文で使えないというのが違いです。
ではなぜ「解る」が公用文で使えないのかというと、常用漢字表に載っていない読み方だからです。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。
常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。
あくまで公用文だけなので、カジュアルな場面などにおいてはどちらを使用しても問題ありません。
そのため、「問題の答えが解る」のような物事の道筋や意味を解き明かすニュアンスにおいては「解る」の方を使うことが多いと覚えておきましょう。
「分かる」と「解る」の英語表記の違い
「分かる」も「解る」も英語にすると「understand」「see」「appreciate」「tell」「recognize」「find out」となり、例えば上記の「ついに彼女の居場所が分かった」を英語にすると「Finally I found out her whereabouts」となります。
「分かる」の意味
「分かる」とは
「分かる」とは、意味や区別などがはっきりすることを意味しています。その他にも、事実などがはっきりすること、物わかりがよく人情や世情に通じることの意味も持っています。
「分かる」の使い方
「彼の言わんとすることはよく分かる」「彼女の不満が何か分かる気がする」などの文中で使われている「分かる」は、「意味や区別などがはっきりすること」の意味で使われています。
一方、「落とし物の持ち主がやっと分かる」「彼女が話の分かる人で助かりました」などの文中で使われている「分かる」は、「事実などがはっきりすることや物わかりがよく人情や世情に通じること」の意味で使われています。
「分かる」は意味や区別などがはっきりすること、事実などがはっきりすること、物わかりがよく人情や世情に通じることの複数の意味を持つ動詞です。
「分かる」の特徴
「分かる」は不明瞭な状態から明瞭な状態へと認知状態が変化することを表現する場合に使うのが一般的になっています。そのため、過去の経験やすでに持っている知識に照らし合わせたりすることによって、不明瞭な認知状態が明瞭な状態に変化する場合に使うと覚えておきましょう。
また、「分かる」は分からない状態から分かる状態になる場合だけではなく、現在すでに分かっている状態の場合にも使うことができるというのが特徴です。
「分かる」はしく判断するだけでなく、相手の気持ちなどを察して意に添うようにする場合にも使うことができます。したがって、「分かる」はどちらかというと口語として使うことが多いと覚えておきましょう。
「分かる」は公用文で使える
「分かる」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などの公的な場面でも使うことができます。したがって、どの「わかる」を使うか迷った場合は、「立ち上げる」を使用すれば問題ありません。
「分かる」の類語
「分かる」の類語・類義語としては、物事の道理や筋道が正しくわかることを意味する「理解する」、納得することを意味する「呑み込む」、相手の心情や事情を推し量ることを意味する「汲み取る」などがあります。
「解る」の意味
「解る」とは
「解る」とは、理解することを意味しています。
「解る」の使い方
「解る」を使った分かりやすい例としては、「彼は物の良し悪しが解る」「彼女の講演を聞いてこの町の現状が解りました」「私は音楽が解る方だと思っています」「彼女の言わんとすることは解る気がします」「この答案の答えが解る」などがあります。
「解る」は理解することを意味する動詞で、「答えが解る」のような物事の道筋や意味を解き明かすニュアンスで使うのがです。
「解る」の注意点
「解る」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「解る」という読み方がが常用漢字表に載っていないからです。
したがって、公用文で使用したいのであれば、常用漢字表に載っている、「分かる」の方を使うのがいいでしょう。ただし、公用文以外においては好きな方を使っても問題ありません。
そのため、「解る」は一般的には使われていませんが、ビジネスやセミナーで問題解決に挑んだり、答えが判明した場合においては使うことができます。
「解る」の類語
「解る」の類語・類義語としては、他人の考えや行動などを十分に理解して得心することを意味する「納得する」、しっかりと理解することを意味する「把握する」などがあります。
「分かる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、意味や区別などがはっきりすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、事実などがはっきりすること、物わかりがよく人情や世情に通じることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は意味や区別などがはっきりすること、例文3と例文4は事実などがはっきりすること、例文5は物わかりがよく人情や世情に通じることの意味で使っています。
「解る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、理解することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「解る」は物事の道筋や意味を解き明かすニュアンスで使われることが多い言葉です。
「分かる」と「解る」はどちらも意味や区別などがはっきりすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えるのが「分かる」、公用文では使えないのが「解る」と覚えておきましょう。