【冥理に尽きる】と【冥利に尽きる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「みょうりにつきる」という読み方の「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」の違い

「冥理に尽きる」は「冥利に尽きる」の間違い

「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」の違いを分かりやすく言うと、「冥理に尽きる」とは「冥利に尽きる」の間違った使い方、「冥利に尽きる」とはその立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うことです。

「冥理に尽きる」は誤字

一般的には「冥理に尽きる」という言葉は存在しません。読み方が同じなことから、「冥利に尽きる」のことを間違えて「冥理に尽きる」を使っている人がほとんどです。

「冥利に尽きる」は正しい日本語

正しい言葉である「冥利に尽きる」を使った分かりやすい例としては、「クラス全員で卒業することは教師冥利に尽きる」「一部上場を果たすことができて創業者として冥利に尽きる」「これだけ多くの番組に呼んでもらえてタレントとして冥利に尽きる」などがあります。

「冥利に尽きる」という言葉はあっても、「冥理に尽きる」という言葉は存在しません。同時に「冥利に尽きる」という単語の意味について「その立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うこと」と覚えておきましょう。

「冥利に尽きる」の英語表記

「冥利に尽きる」は日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「feel luck as」「great pleasure and honor」などがあります。

「冥理に尽きる」の意味

「冥理に尽きる」とは

「冥理に尽きる」とは、「冥利に尽きる」の間違った使われ方です。

「冥理に尽きる」が間違っている理由

「冥理に尽きる」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「冥利に尽きる」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」を間違ってしまう理由としては、「冥理」と「冥利」の読み方が同じなので、勘違いして覚えてしまっているのが原因です。正しい日本語は「冥利に尽きる」なので間違えないように注意しましょう。

ではなぜ「冥理に尽きる」が間違った言葉かというと、「冥理」という言葉は存在していないのに対して、「冥利」という言葉は辞書に載っている正しい日本語だからです。また、「冥利」とは知らず知らずの間に神仏から受ける利益や恩恵ことを意味する仏教用語になります。

「理」と「利」は同じ読み方をする言葉なので混同しやすいですが正しい日本語は「冥利に尽きる」であると覚えておきましょう。

「理」の使い方

間違った言葉である「冥理に尽きる」の「理」を使った別の言葉としては、人として守るべき正しい道のことを意味する「義理」、一つの道理のことを意味する「一理」、 材料に手を加えて食べ物をこしらえることを意味する「料理」などがあります。

「冥利に尽きる」の意味

「冥利に尽きる」とは

「冥利に尽きる」とは、その立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うことを意味しています。

「冥利に尽きる」の読み方

「冥利に尽きる」の読み方は「みょうりにつきる」です。誤って「めいりにつきる」などと読まないようにしましょう。

表現方法は母親冥利に尽きる」「男冥利に尽きる」「作者冥利に尽きる」

「母親冥利に尽きる」「男冥利に尽きる」「作者冥利に尽きる」「営業冥利に尽きる」などが、「冥利に尽きる」を使った一般的な言い回しになります。

「冥利に尽きる」の使い方

「冥利に尽きる」を使った分かりやすい例としては、「有名な展示会に出展できるなんて作家冥利に尽きる」「笑顔で美味しかったと言われると料理人として冥利に尽きる」「こんなに多くの生徒から感謝の言葉を伝えられると教師冥利に尽きる」などがあります。

「冥利に尽きる」はその立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うことを意味しており、物事が上手くいった際の喜びや、幸せを与えてくれた周囲の感謝の気持ちを表す場合に使う言葉です。

「冥利に尽きる」は「○○冥利に尽きる」の言い回しでよく使われています。○○には職業や自分の置かれている立場を入れることが多いと覚えておきましょう。

「冥利に尽きる」の由来

「冥利に尽きる」の由来は仏教です。「冥利」とは仏教用語で知らず知らずの間に神仏から受ける利益や恩恵ことを意味しており、これにその極に達することを意味する「尽きる」が合わさったと言われています。

「冥利に尽きる」の類語

「冥利に尽きる」の類語・類義語としては、とても嬉しく思うことを意味する「この上ない幸せ」、幸せ者のことを意味する「果報者」、冥加が身に過ぎてありがたいことを意味する「冥加に余る」などがあります。

「冥理に尽きる」の例文

1.「冥理に尽きる」という言葉は存在しないので、おそらく「冥利に尽きる」の言い間違いだろう。
2.「冥利に尽きる」という言葉はその立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うことで、「冥理に尽きる」という言葉はない。
3.「冥理に尽きる」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.ついにリーグ優勝することができて選手冥理に尽きるという言葉を使う人はいるが、正しくはついにリーグ優勝することができて選手冥利に尽きるです。
5.そんなに喜んでもらえると作者冥利に尽きるという言葉はあるが、そんなに喜んでもらえると作者冥理に尽きるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「冥利に尽きる」という言葉を間違えて「冥理に尽きる」と表現している時などが挙げられます。

「冥理に尽きる」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「冥利に尽きる」を間違えて使っている可能性が高いです。

「冥理に尽きる」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「冥理に尽きる」ではなく、「冥利に尽きる」と表現するのが正しい使い方になります。

「冥利に尽きる」の例文

1.顧客に喜んでいただけることができれば、営業冥利に尽きる。
2.こんな男冥利に尽きる話を、断る人は誰一人としていないだろう。
3.武道館で単独ライブを行うことができるなんて、アーティスト冥利に尽きる。
4.息子が立派に成人してくれことは、母親冥利に尽きる。
5.教え子たちが元気に卒業していく姿を見るのは、教師冥利に尽きる。

この言葉がよく使われる場面としては、その立場にいる者としてこれ以上の幸せはないと思うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「冥利に尽きる」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「冥理に尽きる」と「冥利に尽きる」どちらを使うか迷った場合は、「冥理に尽きる」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「冥利に尽きる」を使うようにしましょう。

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