似た意味を持つ「復職」(読み方:ふくしょく)と「復帰」(読み方:ふっき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「復職」と「復帰」という言葉は、どちらも休職していた人が仕事を再開することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
復職と復帰の違い
復職と復帰の意味の違い
復職と復帰の違いを分かりやすく言うと、復職とは人が職場に戻ることを意味し、復帰とは職場に戻ることだけでなく物事が元に戻ることも意味するという違いです。
復職と復帰の使い方の違い
一つ目の復職を使った分かりやすい例としては、「父は社長として復職した」「私の会社には復職制度がありません」「復職証明書を保育園に提出する」「復職願いをメールで提出した」「育児休暇から復職しました」などがあります。
二つ目の復帰を使った分かりやすい例としては、「彼は政界への復帰を果たした」「復職した同僚に復帰祝いを贈る」「新型コロナウイルスから復帰を果たす」「職場復帰のお祝いメールを送る」「沖縄は日本に復帰した」などがあります。
復職と復帰の使い分け方
復職と復帰という言葉は、どちらも休職していた労働者が元の職場で仕事を再開することを表します。二つの言葉は同じような表現をする言葉ですが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
復職とは、一度離れた職に再び戻ることを意味します。育児休業や介護休業など会社の休業制度を利用して仕事を一旦離れていた人が、職場に戻って仕事を再開することを表す言葉です。
復帰とは、人や物事が元の状態に戻ることを意味します。上記の例文にある「職場復帰」とは、休職した人が元の職場に戻ることであり、「復職」と同じ意味になります。また「沖縄は日本に復帰した」のように、人だけでなく物事が元の状態に戻ることを表す時にも用いられる言葉です。
復職と復帰という言葉を比べると、復帰の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。
復職と復帰の英語表記の違い
復職を英語にすると「reinstatement」「replacement」となり、例えば上記の「社長として復職する」を英語にすると「be reinstated as President」となります。
一方、復帰を英語にすると「return」「comeback」となり、例えば上記の「政界への復帰」を英語にすると「return to political world」となります。
復職の意味
復職とは
復職とは、一度離れた職に再び戻ること、休職者がもとの職に復帰することを意味しています。
表現方法は「復職する」「復職したくない」「復職を認めない」
「復職する」「復職したくない」「復職を認めない」などが、復職を使った一般的な言い回しです。
復職の使い方
復職を使った分かりやすい例としては、「英語力を活かせる職場に復職する」「復職に不安はつきものです」「復職制度の規定を確認する」「復職制度なしの会社だった」「復職の挨拶では感謝を伝えたい」などがあります。
その他にも、「入園手続きのため復職証明書を発行してもらう」「復職の挨拶文を考える」「横浜市の復職証明書をダウンロードする」「復職面談で聞かれることは何だろう」「厚生労働省の復職支援プログラムを利用する」などがあります。
復職とは、会社員や公務員が何かしらの理由で休職したのち、その理由が消えたり和らぐことにより再び職場に戻ることを意味します。休職の理由は育児や介護、病気療養など様々ありますが、理由は何であれ、休職者が元の仕事に復帰することを復職と言います。
「復職制度」の意味
上記の例文にある「復職制度」とは、出産、介護、疾病、 配偶者の転勤などにより一時的に職場を離れる際に再雇用することを保証する制度のことです。ただし、復職できる条件は会社により規定されており、勤続年数や休業期間などの条件が設けられていることが一般的です。
「復職証明書」の意味
復職を用いた日本語には「復職証明書」があります。休業を終えて職場に復帰したことを示す書類のことであり、子供を保育所に通わせる親の就労状況を申告するために、保育所を管轄する市区町村の行政部署に提出するものです。
復職の対義語
復職の対義語・反対語としては、身分を保証されたまま一定期間職務を休むことを意味する「休職」、勤めている職をやめることを意味する「退職」、官吏が職を退くことを意味する「退官」、今までついていた職を自分からやめることを意味する「辞職」などがあります。
復職の類語
復職の類語・類義語としては、一時離れていた自分の任地や任務に戻ることを意味する「帰任」、一度失った地位に再び就くことを意味する「返り咲き」、引退して世俗を離れていた人が再び官職などに就くことを意味する「出廬」などがあります。
復帰の意味
復帰とは
復帰とは、もとの位置や状態などに戻ることを意味しています。
表現方法は「復帰する」「復帰を果たす」「復帰を願う」
「復帰する」「復帰を果たす」「復帰を願う」などが、復帰を使った一般的な言い回しです。
復帰の使い方
復帰を使った分かりやすい例としては、「職場復帰支援の手引き書を読む」「取引先に職場復帰の挨拶メールを送る」「退院して間もない同僚への復帰祝いを考える「職場復帰祝いのメッセージを頂きました」「復帰祝いのプレゼントは何にしよう」などがあります。
その他にも、「不動産の復帰価格を算定する」「英語のレッスンに復帰する」「怪我から復帰したサッカー選手だ」「息子が引きこもりから社会復帰した」「戦後、祖国復帰運動が盛んになりました」「賃貸オフィスを原状復帰する」などがあります。
復帰という言葉は、人や物などが元通りになることを意味します。人が事情により一度中断していた地位や仕事などに再び就くことや、物事が以前の状態になることを表す言葉です。
「復帰価格」の意味
上記の例文にある「復帰価格」とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格のことです。投資対象の物件を売却して投資を手じまいする場合の、売却価格から売却諸費用を引いた金額に相当するものです。
「社会復帰」の意味
復帰という言葉を用いた日本語には「社会復帰」があります。病気や事故などで正常な社会活動ができなくなっていた人が、回復して再び社会で活動するようになることを意味します。また、刑期を終えて出所した者を、健全な社会人として再び社会に受け入れるようにすることも表す言葉です。
復帰の対義語
復帰の対義語・反対語としては、属している団体や組織から抜けることを意味する「脱退」、組織などから離れ去ることを意味する「離脱」、属していた会から抜けることを意味する「脱会」などがあります。
復帰の類語
復帰の類語・類義語としては、悪い状態から力を盛り返して再び活動を始めることを意味する「再起」、もとの所にもどることを意味する「舞戻る」、元の地位や状態に返り咲くことを意味する「カムバック」、消失したものが再び元の状態に戻ることを意味する「復活」などがあります。
復職の例文
この言葉がよく使われる場面としては、離れていた元の職に戻ること、休職者がその職に復することを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3のように、育児休業や病気休業で仕事を離れていた人が、その職に復帰することを復職と言います。また、最近では配偶者の転勤のために一時的に離職を余儀なくされた人にも、復職制度がある会社が増えています。
復帰の例文
この言葉がよく使われる場面としては、もとの位置や状態に返ることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある復帰は、人がもとの職場や地位に再び就くことを意味します。例文2にある「職場復帰」は「復職」と言い換えることが出来ます。例文5の復帰は、物事が元の状態に戻ることを表しています。
復職と復帰という言葉は、どちらも休職者が職場に戻って仕事を再開することを表します。さらに復帰は、物事が以前の状態に戻ることを表すことも覚えておきましょう。