似た意味を持つ「夜半」(読み方:やはん、よわ)と「夜中」(読み方:よなか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「夜半」と「夜中」という言葉は、どちらも夜のなかばを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
夜半と夜中の違い
夜半と夜中の意味の違い
夜半と夜中の違いを分かりやすく言うと、夜半は文語として使われ、夜中は口語として使うという違いです。
夜半と夜中の使い方の違い
一つ目の夜半を使った分かりやすい例としては、「昨夜は夜半過ぎに帰宅した」「夜半頃から雪になる予報だ」「月明りは夜半頃まであった」「秋の季語の一つに夜半の月がある」などがあります。
二つ目の夜中を使った分かりやすい例としては、「夜中に何度も目が覚める」「隣人が夜中まで宴会するので眠れない」「夜中に咳が止まらない時の対処法」「テスト勉強を夜中までやるつもりだ」などがあります。
夜半と夜中の時間帯の違い
夜半と夜中という言葉は、夜のなかばを意味する言葉です。日の入りから日の出まで夜の時間帯の中間あたりを表します。具体的に何時頃と定義されていませんが、一般的に午後11時から午前2時頃を指すことが多い言葉です。
同じ意味を持つ夜半と夜中ですが、夜半は書き言葉である文語として使われることが多く、夜中は話し言葉である口語として使われることが多い言葉です。これが、夜半と夜中の違いになります。
夜半と夜中の英語表記の違い
夜半も夜中も英語にすると「midnight」となり、例えば上記の「夜半過ぎに」を英語にすると「after midnight」となります。
夜半の意味
夜半とは
夜半とは、夜中を意味しています。
夜半の使い方
夜半を使った分かりやすい例としては、「これから夜半頃まで雨風が強まる」「明日の夜半から未明にかけて流星が見られるだろう」「これから夜半にかけて天気は下り坂」「夜半から翌朝にかけて参拝者が訪れる」などがあります。
その他にも、「雲に隠れし夜半の月かな」「恋しかるべき夜半の月かな」「雲に隠れし夜半の月かな」「香港映画の夜半歌声が面白い」「夜半過ぎから夜明けまでの間を暁という」「夜半に失礼致しました」などがあります。
夜半の読み方
夜半には「やはん」と「よわ」の二通りの読み方があります。日常的な会話や現代文の読み方では「やはん」と読み、短歌や俳句などの古文では「よわ」と読みます。上記の例の「雲に隠れし夜半の月かな」は有名な和歌の一部ですが、この場合は「よわ」と読みます。
夜半は以前は天気予報で使用
夜半という言葉は夜中と同じ意味を持ちますが、日常的に使われることが少なくなっている言葉です。よって、日常会話よりも書き言葉で使われる傾向があります。また、以前は天気予報の時間細分の用語として使われていましたが、現在は使用されていません。
夜半の対義語
夜半の対義語・反対語としては、昼の最中や正午ごろを意味する「真昼」などがあります。
夜半の類語
夜半の類語・類義語としては、夜がふけたことを意味する「夜更け」、深夜を意味する「深更」(読み方:しんこう)、日没から翌朝の日の出までの間を意味する「夜間」などがあります。
夜半の半の字を使った別の言葉としては、金銭などを半分ずつに分けることを意味する「折半」、 行く道の途中や行程のなかばを意味する「半途」などがあります。
夜中の意味
夜中とは
夜中とは、夜のなかばを意味しています。
夜中の使い方
夜中を使った分かりやすい例としては、「夜中に腹痛を起こし薬を飲んだ」「夜中の頻尿には困る」「夜中の3時に子供が吐いて焦った」「夜中にお腹が空いたけど我慢した」「夜中に目が覚めて眠れない」などがあります。
その他にも、「夜10時から夜中の2時がお肌のゴールデンタイムだ」「マスク作りを夜中までやっていた」「夜中に咳き込む病気かもしれない」「訃報の電話が鳴ったのは夜中だった」などがあります。
夜中の時間帯
夜中という言葉は、夜のなかばを意味し、日常的に使われる言葉です。どの時間帯を指すのか明確な定義はありませんが、ある調査によると午後11時から午前2時頃として使う人が多い言葉です。
夜中の語源
「夜」とは日の入りから日の出までの暗い間のこと、そのなかの中間あたりの時間帯を表す言葉が「夜中」です。更に、夜中の時間帯でも最も夜が更けたことを表す言葉に「真夜中」があります。このように、言葉によって表す時間の幅が異なります。
夜中の対義語
夜中の対義語・反対語としては、日がのぼっている間や正午を意味する「日中」などがあります。
夜中の類語
夜中の類語・類義語としては、夜更けを意味する「深夜」、午前零時を意味する「正子」(読み方:しょうし)などがあります。
夜中の中の字を使った別の言葉としては、物のまん中や偏ってないことを意味する「正中」、物事の中心や重要な部分を意味する「中核」などがあります。
夜半の例文
この言葉がよく使われる場面としては、夜のなかばを表現したい時などが挙げられます。
夜半という言葉は、話し言葉よりも書き言葉で使われる言葉です。例文2や例文3のように、短歌や古文で使われる夜半は「よわ」と読みます。例文4にある「夜半過ぎ」とは、時間は不明ですが夜中の遅い時間を表現しています。正確な時間を表したい時は「午前〇時」などと表現します。
夜中の例文
この言葉がよく使われる場面としては、夜のなかばを表現したい時などが挙げられます。
例文1では、「夜中に」と「朝方まで」という二つの時間帯の表現があり、夜のなかばから早朝まで眠れなかったことを表します。
例文2から例文5にある「夜中に」は「夜のなかばの時間帯のなかで」を意味します。「夜のなかばの時間帯ずっと」という意味では「夜中じゅうずっと」などと表現します。
夜半と夜中という言葉は、どちらも夜のなかばを意味しています。夜半と夜中どちらを使うか迷った場合、日常会話においては「夜中」を使うほうが一般的でしょう。文語で使われることが多い「夜半」は、「やはん」か「よわ」か読み方に注意しましょう。