似た意味を持つ「謝辞」(読み方:しゃじ)と「祝辞」(読み方:しゅくじ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「謝辞」と「祝辞」という言葉は、どちらも「気持ちを伝える言葉」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
謝辞と祝辞の違い
謝辞と祝辞の意味の違い
謝辞と祝辞の違いを分かりやすく言うと、謝辞とは感謝の気持ちを伝える言葉、祝辞とはお祝いの気持ちを伝える言葉という違いです。
謝辞と祝辞の使い方の違い
一つ目の謝辞を使った分かりやすい例としては、「生徒を代表して謝辞を述べる」「卒園式の謝辞の書き方で悩んでいます」「テンプレを利用して謝辞を作成しました」「プレゼンのスライドに謝辞を含めるべきですか」などがあります。
二つ目の祝辞を使った分かりやすい例としては、「祝辞を述べさせていただきます」「新入社員に向けて祝辞を述べる」「蛇腹折りの祝辞の作り方を教えてください」「祝辞を私の方から代読をさせていただきます」などがあります。
謝辞と祝辞の使い分け方
謝辞と祝辞という言葉は、どちらもフォーマルな式典で使用され、気持ちを伝える言葉を表しますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
謝辞とは、感謝の言葉を意味し、ありがとうの気持ちを伝えることを表します。結婚式での謝辞は、主に新郎または新郎の父親が述べる感謝の挨拶であり、ゲストに向けて出席してくれたことに対するお礼や、新生活に向けての抱負などを話します。
祝辞とは、祝いの言葉を意味し、おめでとうの気持ちを伝えることを表現する言葉です。結婚式での祝辞は、両家で1人ずつ、職場で役職の高い人や恩師などに依頼するのが一般的です。祝辞の内容は、二人のエピソードを交えながら新郎新婦や両家の人々に祝福の言葉を贈ります。
つまり、謝辞とは感謝の気持ちを伝える言葉であり、祝辞とは祝福の気持ちを伝える言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
謝辞と祝辞の英語表記の違い
謝辞を英語にすると「thanks」「acknowledgement」「apology」となり、例えば上記の「謝辞を述べる」を英語にすると「give an address of thanks」となります。
一方、祝辞を英語にすると「congratulations」「congratulatory address」となり、例えば上記の「祝辞を述べる」を英語にすると「deliver a congratulatory address」となります。
謝辞の意味
謝辞とは
謝辞とは、感謝の意を表す言葉を意味しています。
その他にも、「非を詫びる言葉」の意味も持っています。
謝辞の使い方
「新郎謝辞で結婚式を締めくくる」「英語の論文にも謝辞を入れるべきですか」「協力団体に向けての謝辞を述べる」「看護実習レポートの最後に謝辞を書きました」などの文中で使われている謝辞は、「感謝を表す言葉」の意味で使われています。
一方、「非を認めて謝辞を伝える」「反省の気持ちがしっかりと伝わるよう謝辞を述べる」「謝辞の書き方を教えてください」などの文中で使われている謝辞は、「非を詫びる言葉」の意味で使われています。
謝辞とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、多くは「感謝の意を表す言葉」の意味で用いられています。謝辞の「謝」は礼を言うことや、悪かったとあやまることを表し、「辞」は言葉や文章を表す漢字です。
表現方法は「謝辞を述べる」
謝辞を用いた言い回しには「謝辞を述べる」があります。「謝辞を述べる」とは、感謝の気持ち、または謝罪の気持ちを言葉で言い表すことを意味します。「述べる」は、言葉を連ねて言い表すこと、口に出して言うことです。
謝辞の対義語
謝辞の対義語・反対語としては、人から受けた礼贈り物に対して行為や品物で報いることを意味する「返礼」、答えの言葉や返答を意味する「返辞」などがあります。
謝辞の類語
謝辞の類語・類義語としては、感謝の気持ちや自分の過ちを詫びる気持ちを意味する「謝意」、感謝の気持ちを表すことや贈り物を意味する「謝儀」、感謝の気持ちを表すための言葉や金品を意味する「謝礼」、式場で述べるあいさつの言葉を意味する「式辞」などがあります。
祝辞の意味
祝辞とは
祝辞とは、祝いの言葉、祝詞を意味しています。
祝辞の使い方
祝辞を使った分かりやすい例としては、「結婚式の祝辞を頼まれました」「新郎新婦とご両親に祝辞を述べる」「祝辞を書くための特別な用紙はありますか」「ご丁寧なご祝辞をありがとうございました」などがあります。
その他にも、「祝辞の書き方のコツを教えます」「祝辞をお願いした方にお礼を渡しました」「英語の先生に結婚式の祝辞を依頼しました」「祝辞の封筒のサイズを確認する」「披露宴でご祝辞を賜りますよう お願い申し上げます」などがあります。
祝辞の「祝」は訓読みで「いわう」と読み、よい事に対して喜びの気持ちを表わすこと、幸せを祈ることを表します。言葉や文章を表す「辞」と組み合わさり、祝辞とは、祝いの言葉や祝いのスピーチを意味します。
「来賓祝辞」の意味
祝辞を用いた日本語には「来賓祝辞」があります。来賓祝辞(読み方:しゅくじ)とは、主催者から招待された客から述べられる祝いのスピーチを意味します。来賓は、その式や会に招待された客を意味し、その代表者として来賓祝辞が読まれています。
祝辞の対義語
祝辞の対義語・反対語としては、祝辞・送辞などに対する答礼として述べる言葉を意味する「答辞」などがあります。
祝辞の類語
祝辞の類語・類義語としては、慶事をことほぐ言葉を意味する「祝い言」、祝意を表すための言葉や歌などを意味する「祝儀」、祝いの言葉や賀詞を意味する「祝言」(読み方:しゅうげん)などがあります。
謝辞の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、お礼の言葉、感謝の言葉、謝詞、罪を詫びる言葉を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、謝辞という言葉は、お礼の言葉や感謝の言葉の意味で用いられ、罪を詫びる言葉として使用されることはあまりありません。
祝辞の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、祝いのスピーチ、祝詞を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「祝辞を述べる」とは、祝い事に際してスピーチを行うことを意味する慣用的表現です。
謝辞と祝辞という言葉は、どちらも「気持ちを伝える言葉」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ありがとうの気持ちを表現したい時は「謝辞」を、おめでとうの気持ちを表現したい時は「祝辞」を使うようにしましょう。