【お手紙】と【お便り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お手紙」(読み方:おてがみ)と「お便り」(読み方:おたより)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お手紙」と「お便り」という言葉は、どちらも情報を伝えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お手紙」と「お便り」の違い

「お手紙」と「お便り」の意味の違い

「お手紙」と「お便り」の違いを分かりやすく言うと、「お手紙」は紙に書いた文字で伝えること、「お便り」は情報を伝えるのであれば手段は問わないことという違いです。

「お手紙」と「お便り」の使い方の違い

一つ目の「お手紙」を使った分かりやすい例としては、「両親にお手紙を送りました」「インターネットが普及した影響で最近はお手紙を書かなくなりました」「彼女とやり取りしたお手紙は100通にも及んでいる」「3月3日付のお手紙ありがとう」などがあります。

二つ目の「お便り」を使った分かりやすい例としては、「お便りありがとうございます」「お便りを無事受け取ることができました」「保育園よりお便りが届きました」「その後彼女から何のお便りもありません」などがあります。

「お手紙」と「お便り」の使い分け方

「お手紙」と「お便り」はどちらも情報を伝えることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お手紙」は用事などを記して人に送る文書のことを指す言葉で、元々は手元に置いて雑用に使う紙という意味で使われていました。そのため、紙に自分の手で書いた文字に対してのみ使うことができます。

一方、「お便り」は何かについての情報のことを意味する言葉なので、情報を伝えるのであれば手段は問いません。したがって、メールなどの電子媒体を介しても、「お便り」を使うことができるというのが違いです。

「お手紙」と「お便り」の英語表記の違い

「お手紙」を英語にすると「letter」「note」となり、例えば上記の「3月3日付のお手紙ありがとう」を英語にすると「Thank you for your letter of March 3」となります。

一方、「お便り」を英語にすると「news」「tidings」「letter」となり、例えば上記の「その後彼女から何のお便りもありません」を英語にすると「I have had no news from her since」となります。

「お手紙」の意味

「お手紙」とは

「お手紙」とは、用事などを記して人に送る文書のことを意味しています。

「お手紙」の使い方

「お手紙」を使った分かりやすい例としては、「お手紙本当に嬉しく拝読いたしました」「お手紙の返事を書くのが遅くなり申し訳ございません」「これからもお手紙を書いてもよろしいでしょうか」「親切なお手紙大変ありがとうございます」などがあります。

「お手紙」は用事などを記して人に送る文書のことを意味する「手紙」に、接頭語の「お」が合わさった丁寧な表現です。そのため、目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。

「お手紙」の注意点

「お手紙」を使う上で注意しなければならないのは、紙に自分の手で書いた文字に対してのみ使うことができるという点です。したがって、メールなどの紙に自分の手で書いた文字以外に対しては、「お手紙」を使うことはできません。

ではなぜ「お手紙」は紙に自分の手で書いた文字に対して使えないかというと、語源が理由になります。「お手紙」の「手紙」は手元に置いて雑用に使う紙や文字を書いた紙が転じて生まれた言葉なので、手で書いた文字以外に対しては使うことができないのです。

「お手紙」の類語

「お手紙」の類語・類義語としては、封じた書状のことを意味する「封書」、紙片にしるす覚え書きのことを意味する「葉書き」、手紙のことを意味する「書状」などがあります。

「お便り」の意味

「お便り」とは

「お便り」とは、何かについての情報のことを意味しています。

「お便り」の漢字表記

「お便り」を漢字にすると、「御便り」と表記することができます。

表現方法は「お便りする」「お便りを出す」

「お便りする」「お便りを出す」などが、「お便り」を使った一般的な言い回しになります。

「お便り」の使い方

「お便り」を使った分かりやすい例としては、「学校からのお便りを読みました」「彼女のお便りをみせてもらう」「届いたお便りを紹介いたします」「あなたからのお便りを楽しみにしていますよ」「お便りが遅くなり大変申し訳ございません」などがあります。

「お便り」は何かについての情報のことを意味する「便り」に、接頭語の「お」が合わさった敬語表現です。

「お便り」は敬語表現なので目上の人に対して使うことができます。また、使い方によって二つの敬語の意味を持っています。

一つ目は尊敬語で「担任の先生からのお便りを読む」のような形で使います。尊敬語とは、話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することを意味しています。

二つ目は美化語で「彼女のお便りをみせてもらう」美化語とは丁寧語の一種で丁寧語Ⅱとも言われており、表現をより上品にするための配慮を表す言葉です。

「お便り」の特徴

「お便り」は情報を伝えるのであれば手段は問わないというのが特徴です。そのため、紙に文字を書いたものや電子メールなど、様々なものに対して使うことができます。

「お便り」の類語

「お便り」の類語・類義語としては、手紙などのによる連絡のことを意味する「音信」、連絡のことを意味する「音沙汰」、情報などを互いに知らせることを意味する「連絡」などがあります。

「お手紙」の例文

1.娘はあなたからのお手紙を、大変喜んでおりますよ。
2.しばらく体調を崩していて、お手紙を書くのが遅れて申し訳ございません。
3.これからもあなたと連絡を取りたいので、お手紙を書いてもよろしいですか。
4.丁寧なお手紙をありがとうございます。子供たちも大変喜んでいました。
5.引越し先で落ち着いたら、私たちにお手紙をくださいね。

この言葉がよく使われる場面としては、用事などを記して人に送る文書のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お手紙」は紙に書いた文字で伝える場合に使う言葉です。

「お便り」の例文

1.主人は入院していますので、妻である私がかわってお便り差し上げます。
2.向こうへ行って落ち着いたらでいいので、私たちにお便りくださいね。
3.長い間お便りしていなかったことを、深くお詫び申し上げます。
4.あなたの励ましのお便りは、私にとって大きな力となりました。
5.視聴者からのお便り紹介コーナーが好きなので、毎週欠かさずラジオを聞くようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、何かについての情報のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お便り」は伝える手段は問わずに使うことができる言葉です。

「お手紙」と「お便り」はどちらも情報を伝えることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、紙に書いた文字で伝えることを表現したい時は「お手紙」を、情報を伝えるのであれば手段は問わないことを表現したい時は「お便り」を使うと覚えておきましょう。

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