【一早く】と【逸早く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いちはやく」という読み方の「一早く」と「逸早く」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一早く」と「逸早く」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「一早く」と「逸早く」の違い

「一早く」は「逸早く」の間違い

「一早く」と「逸早く」の違いを分かりやすく言うと、「一早く」とは「逸早く」の間違った使い方、「逸早く」とは真っ先にのことです。

「一早く」は誤字

一般的には「一早く」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「逸早く」のことを間違えて「一早く」を使っている人がほとんどです。

「逸早く」は正しい日本語

正しい言葉である「逸早く」を使った分かりやすい例としては、「私は監督として逸早く現場に向かいます」「この事業から逸早く手を引くことにしました」「彼は逸早く危険を察知しその場を離れました」「彼女は逸早く流行を取り入れました」などがあります。

「逸早く」という言葉はあっても、「一早く」という言葉は存在しません。同時に「逸早く」という単語の意味について「真っ先にのこと」と覚えておきましょう。

「逸早く」の英語表記

「逸早く」を英語にすると「quick」「rapidly」となり、例えば上記の「彼女は逸早く流行を取り入れました」を英語にすると「She was quick to adopt the new way of doing things」となります。

「一早く」の意味

「一早く」とは

「一早く」とは、「逸早く」の間違った使われ方です。

「一早く」が間違っている理由

「一早く」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「逸早く」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「一早く」と「逸早く」を間違ってしまう理由としては、「一」と「逸」の読み方が同じなのが原因です。したがって、間違った言葉である「一早く」は使わないように注意しましょう。

ではなぜ「一早く」が間違った言葉かというと、一番に早く行うことを意味を連想して、「一」を使用してしまっているのが原因です。ただし、「一早く」という日本語は存在せず、正しい日本語表記は「逸早く」になります。

「逸早く」が日本語として正しい理由としては、「逸早く」は素早いことを意味する「逸早し」を副詞にしたものなので、「逸」の漢字を使用した「逸早く」とするのが正しい日本語表記なのです。

「一」を使った別の言葉

間違った言葉である「一早く」の「一」を使った別の言葉としては、最も高い位のことを意味する「一位」、最も優れているもののことを意味する「一番」、一番優れている物や事のことを意味する「一等」などがあります。

「逸早く」の意味

「逸早く」とは

「逸早く」とは、真っ先にのことを意味しています。

「逸早く」の使い方

「逸早く」を使った分かりやすい例としては、「当店はお客様のニーズに逸早く対応が可能です」「メルマガでは新着情報を逸早くお知らせいたします」「彼は逸早く最先端技術を取り入れました」「支社長なので逸早く出社するようにしています」などがあります。

「逸早く」は形容詞「逸早し」の連用形で、真っ先にのこと意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

「逸早く」は「逸早くご対応いただきありがとうございます」「逸早くお越しいただきありがとうございました」などのような言い回しで、ビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。

「逸早く」は口語で使用するのが一般的ですが、手紙やメールなどの書き言葉としても使うことができます。

「逸早く」は公用文では使えない

「逸早く」を使う上で注意しなければならないのは、「逸」という漢字が常用漢字表に載っていない言葉なので、公用文では使えないという点です。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

もし、公用文でも「逸早く」を使用したいのであれば、「逸」をひらがなにした「いち早く」を使うようにしましょう。

「逸早く」の類語

「逸早く」の類語・類義語としては、大変急を要することを意味する「大至急」、すぐ行うことを意味する「早速」、時間を置かずにすぐ行動することを意味する「直ちに」、物事の進みぐあいや行動などが非常に速いことを意味する「迅速」などがあります。

「一早く」の例文

1.「一早く」という言葉は存在しないので、おそらく「逸早く」の言い間違いだろう。
2.「逸早く」という言葉は真っ先にのことで、「一早く」という言葉はない。
3.「一早く」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.事故のニュースを聞いて彼女は一早く現場に駆けつけましたという言葉を使う人はいるが、正しくは事故のニュースを聞いて彼女は逸早く現場に駆けつけましたです。
5.お客様のご要望に対して逸早く対応するという言葉はあるが、お客様のご要望に対して一早く対応するという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「逸早く」という言葉を間違えて「一早く」と表現している時などが挙げられます。

「一早く」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「逸早く」を間違えて使っている可能性が高いです。

「一早く」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「一早く」ではなく、「逸早く」と表現するのが正しい使い方になります。

「逸早く」の例文

1.新規事業が失敗した際には、企業が失敗の兆候を逸早く察知し、迅速かつ適切に対処することが大切です。
2.企業が成長するためには、先進技術を逸早く取り入れる必要があると思います。
3.当院は医師を逸早く救急現場へ送るために、ドクターヘリを完備しています。
4.弊社のメルマガに登録していただいた方々には、逸早く新着、セール情報をお伝えいたします。
5.本日は逸早くお越しいただきありがとうございました。お気をつけてお帰りください。

この言葉がよく使われる場面としては、真っ先にのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「逸早く」は様々な場面において使うことができる言葉です。

「一早く」と「逸早く」どちらを使うか迷った場合は、「一早く」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「逸早く」を使うようにしましょう。

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